アメリカで見た、最新のEC 事情 ~1~

アメリカで見た、最新のEC 事情 ~1~

先日、アメリカのシカゴで開催された「IRCE2013」という世界最大のネットショップ向けのコンベンション・展示会に行ってきました。そこで今回は「IRCE2013」の会場となったシカゴの街で見てきた、現地のEC事情について3つの事例をお伝えしたいと思います。

超高級百貨店のアプリを使った動画戦略

1つ目のケースとして、超高級百貨店「SAKS FIFTHAVENUE(サックス・フィフス・アベニュー)」を取り上げます。そもそもアメリカの場合、百貨店のECが非常に進んでいます。国土が広大なのでECで販売するというのが適しているのでしょう。どの百貨店でも基本的に店内には無料Wi-Fiが通っています。そうした通信環境を活用した上で、各百貨店では“アプリ”を重要視しています。Wi-Fiのログイン画面にはその百貨店のセール情報も掲載され、さらにその下ではアプリのダウンロードを推奨するという仕掛けです。

アプリの内容は百貨店によって異なりますが、バーコードリーダーの機能が実装されており、会員情報なども確認できます。百貨店側からするとアプリのプッシュ機能を使うことにより顧客との接触頻度を増やすことができます。

そこで「サックス・フィフス・アベニュー」のアプリです。スマートフォンでアプリを使って、店頭でアパレル商品のバーコードを読み込みます。すると、動画が再生されてその商品を着たモデルが歩き、くるりと一回転するのです。つまり、その商品を着用したイメージがスマホ上で一目見て分かるわけです。バッグやアクセサリーですと、その商品がくるくると回転し、全体像を動画で伝えます。ちなみにこの動画のコンテンツは「サックス・フィフス・アベニュー」のECサイトで使用されているものを紐づけているようです。 こうしたアプリの活用法を見ても、アメリカの百貨店がいかに先進的なEC活用をしているかということの一端を垣間見た思いでした。

 

ウォルマートの「受取カウンター」

2つ目の事例はウォルマートです。

世界最大の小売店であるウォルマートは返品対応で有名で、店内にはそのための「返品カウンター」が設置されています。今回、シカゴにあるウォルマートを訪れて驚いたのが、「返品カウンター」の隣に「受取カウンター」があることです。最初はよく分からなかったのですが、これはウォルマートのEC戦略と関わってきます。 実は、ウォルマートはECへの対応には遅れをとっていました。そこで2年ほど前から本格的にシステム面などを見直し、ECへの強化を進めてきたのです。そして現在ではECサイトを通じて、全店の店頭在庫の情報を見ることができます。もちろんユーザーの位置情報と連動させて近所の店舗を探すといったことも可能です。

ECを通じて店頭の在庫状況を見たうえで、ユーザーがほしい商品を指定した店舗で取り置くことができるのです(そのまま発送してもらうことも可能です)。先ほどの「受取カウンター」は、そうしたECユーザーのために設けられているものだったわけです。受け取りの場合は、決済はECサイトで事前に済ますこともできますし、店頭で商品を受け取った際に支払ってもいいようです。

ネットショップの売上が在庫と大きく連動するのは、多くのネットショップで実証されています。ウォルマートは、世界最大の小売店の強みである在庫すべてをネットに掲載することで、他社には真似できない物量作戦に出たわけです。現場はかなり大変だと予想されますので、成功するかを見守りたい事例でした。

今回は「アプリ」と「受取カウンター」の2つの事例をご紹介しました。次回は、「ショールーミングの進化系」の事例をご紹介します。

 

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