アメリカで見た、最新のEC 事情 ~2~

アメリカで見た、最新のEC 事情 ~2~

前回は「アプリ」と「受取カウンター」の2つの事例をご紹介しました。今回は、3つ目「ショールーミングの進化系」の事例をご紹介しましょう。

商品を“見せるだけ”のアパレル店舗

最後に3つ目の取り組みです。日本でも「ショールーミング」という言葉が使われていますが、これはリアルの店頭で商品を見たり着用したりするなど“現物”を確かめて、購入はECサイトで行うという購買行動を指します。シカゴの街ではこのショールーミングの逆パターンと言いますか、“進化系”を見てきました。

アメリカに「BONOBOS(ボノボス)」というメンズのアパレルブランドがあります。「ボノボス」は百貨店に一部出店はしていますが、基本的にはEC専業です。この「ボノボス」では、「GUIDE SHOP(ガイドショップ)」というリアルでのサービスを展開しています。これは簡単に言うと、“見せるだけの店”です。

「ガイドショップ」は一見、リアルのアパレルのショップと変わりません。店内には「ボノボス」の商品がズラリと並んでいます。ただ、通常のショップと異なるのは、店内では商品を購入できないという点です。

「ガイドショップ」を訪れた顧客は、店内の商品を手に取ったり、試着したりすることができます。そしてもし気に入ったものがあれば、設置されているパソコンを操作して“店内でECサイトから購入する”のです。

これにはいくつかのメリットがあります。まず店頭販売をしないため在庫を持つ必要がありません。そして、店頭の商品も1型・1サイズしか置く必要がありません。また、ガイドショップの立地ですが、街の目抜き通りに面しているような好立地ではなく、大都市の少し外れた場所にあります。つまり、“新規客にたまたま入ってもらう”のではなく、「ボノボス」を知っている人に検索して来てもらうという明確な狙いがあるのです。

そのため、「ガイドショップ」への訪問にはアポ(予約)が必要になります。1時間1組で、事前に指定したおいた時間に行くと、スタッフがしっかりと接客してECサイトでの購入方法などもアドバイスしてくれます。とはいえ、もちろん予約なしでも店内に入って商品を見て試着するのも自由です(シカゴの「ガイドショップ」には2人のスタッフがおり、アポの客とアポなしの客で接客を分担しているようでした)。ちなみに「ガイドショップ」に訪れる顧客は、ほぼ全員が会員登録をするため、いわゆる“顧客ロイヤリティ”が非常に高いと言えます。

現在、「ボノボス」ではシカゴだけでなくニューヨークやボストン、サンフランシスコなどに「ガイドショップ」を構えています。今後、新規オープンを予定しており、数を増やしていくと思われます。その場で商品を買えない店舗というと、一見もったいないように思えますが、ECにおいて大きな可能性があると感じました。

bonobos

「ボノボス」では“リアルの店頭でEC から購入する”というモデルに取り組んでいる。

 

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