越境ECの配送リードタイムとコストを最大8割削減する中国の特別区

越境ECの配送リードタイムとコストを最大8割削減する中国の特別区

みなさまこんにちは。株式会社いつも.で主に越境ECのコンサルティング活動を行っている立川と申します。前回の記事で、これからの中国越境ECについてのお話を紹介しました。今回は実際に越境ECを本格的に行うにあたって非常に重要となってくる「特別区の保税モデル」をご紹介しましょう。

杭州にある特別区。中国で初めて海外企業のEC進出を許可された特別区で、上海から西へ車で3時間程度の場所にあります。ここはタオバオや天猫を運営しているアリババグループが本部を置く都市です。中国で最もECが盛り上がる11月11日の独身の日には、この特別区から300万個以上の商品が出荷されたと言われるほど、中国越境ECの本拠地として世界中から注目が集まっている場所です。

日本では、我々がサポートしている企業がこの特別区を活用し、「オム二化」+「特別区を活用した越境EC」のモデルを構築し、中国向け越境ECの本格参入に成功しています。この特別区の活用方法は、中国で売れると予測した商品を中国国内の特別区にある倉庫に保管し、その他の商品は、日本国内にある店舗や倉庫の在庫を活用するという方法です。こうすることにより、売れ筋商品は発注から約2日で中国全土に届けることが可能になり、かつ、出数の多くないロングテールの商材は、国内の在庫を有効に活用することができるようになるのです。従来の「国際スピード郵便(EMS)」での配送では、発注から納品まで10日から2週間もかかっていため実現できなかったモデルが、この特別区を活用することで可能になっているのです。

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とはいえ、昨年の「独身の日」の話題は日本でも大きく報道されましたが、杭州の特別区では、日本からの越境ECの商品が大量に扱われている様子はまだ見受けられていません。その背景として、中国向けECの販売実績が話題になっている日本の企業は、中国に現地法人を持ち、その現地法人が中国国内で商品を販売していることが多く、厳密には「越境EC」を手掛けている企業が少ないのが実情なのです。

日本のEC事業者が、国内の商品を日本の物流会社を通じて正規の手続きで中国向けに販売する特別区のモデルはまだ始まったばかりと言えます。その分、日本の企業がいち早く特別区を活用すれば、越境ECで先行できる可能性は高いでしょう。というのも、中国のモールでは、ネットショップが不良品の交換や返品を適切に行っているかどうかが店舗の評価に影響し、売り上げを左右しています。日本のEC事業者が特別区に在庫を保管すれば、交換や返品へのスムーズな対応も可能となり、差別化要素の一つになります。ここでも、国際小包での直送モデルでは対応が難しい課題を解決できるのです。

 

特別区利用の注意点

もちろん注意点もあります。中国への越境ECでは、仮輸入段階での検疫や商品の申請、税関当局への対応なども必要になります。こうした業務を行うには長年の経験が必要となり、現地の役人に対面で商品の説明を行ったり、取扱許可の交渉を行ったりする能力も必要になります。そのため、特別区における物流業務を外部に委託する場合は、豊富な実績と、必要十分なコミュニケーションを取れる物流会社を選ぶことが重要になります。現地の物流会社を活用する選択肢もありますが、その場合、業務をコントロールできる日本側の窓口を置くなど、リスク管理も必要です。

今後、中国ではさらなる特区の追加設置や日本でいう消費税の増税など税制の変化もあるため、価格以外でのサービスレベルの向上のため、このような特区を活用した保税モデル対応が重要となってくるでしょう。

 

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