公開日:2016年9月16日

知らなかったでは済まされない!楽天の違反点数制度

知らなかったでは済まされない!楽天の違反点数制度

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みなさんこんにちは。楽天市場におけるコンサル、運用代行、広告運用などの楽天市場総合マーケティング支援を提供する いつも.のECコンサルタントです。
今回は楽天の違反点数制度について詳しくご紹介します。この機会に楽天のガイドラインを再確認し、違反リスクを回避しながら、より高い顧客満足度を得られるよう、一緒にチェックしていきましょう。

楽天市場のペナルティ(違反点数制度)とは?

楽天市場にはショップ出店者向けにペナルティが設定されています。楽天市場のルール・ガイドラインに違反した行為を行ったり、禁止事項に抵触したりすると、楽天市場上での運営に影響が出るような「表示制限」や「RMS(楽天市場の店舗運営システム)の利用制限」といったペナルティが課せられます。

とりわけ2016年9月1日から始まった「違反点数制度」は、毎年1月1日にリセットされる年間積算制の違反制度で、違反点数・違反レベルに応じたペナルティが設定されています。ペナルティの主な内容は以下の通りです。

・ランキング掲載制限
・検索表示順位ダウン
・一部媒体掲載制限
・R-Mail利用停止
・一時改装中処理
・違約金
・原則契約解除

これらは違反点数・違反レベルに応じて適用されるペナルティであり、違反点数・違反レベルが上昇するにつれて「適用されるペナルティの重さ」が変化します。また年間積算制のため、1度ペナルティを受けた後も再度のペナルティに注意する必要があります。

楽天市場がペナルティを設けた背景

楽天市場がこのような違反点数制度を設けた背景には「ユーザーが安心して利用し続けられるプラットフォームでありたい」という想いが込められています。楽天市場は「プラットフォームの透明性及び公平性の向上に関する取り組みについて」と題し、様々な情報開示項目を公開しています。

多様なニーズを持ったユーザーが利用するプラットフォームとして在り続けるためには、不正行為や、ユーザー・ショップ運営者の不利益を被る行為をルール・ガイドライン等で定め、利用者自身が主体的に遵守するよう仕組みを作ることが重要といえるでしょう。例えば大手検索エンジン「Google」は、Google検索セントラルGoogleが掲げる10の事実などを公開し、サイト運営者が健全なサイト運営で利益が上げられることを明記しています。楽天市場も同様に、Web全盛の時代におけるプラットフォームとしての信頼性・透明性の高さを示す必要があったのではないでしょうか。

楽天市場のショップ運営者はこうしたペナルティの設置をネガティブに捉えるのではなく、「今後のECビジネス・ECショップ運営のスタンダードになるもの」としてポジティブに捉えると良いでしょう。

ペナルティ(違反)してしまうとどうなるの?

例えば違反レベル1になる35点になってしまうと、
・7日間のランキング掲載制限、検索表示順位がダウン、一部媒体掲載制限、
・レベルⅠ講習【WEB】

といったペナルティが課せられてしまいます。

さらに違反レベルが5に達すると
・56日間のランキング掲載制限、一部媒体掲載制限
・サイト自体の28日間一時改装中処理
・違約金300万円

と大変厳しいペナルティが用意されています。

このように、ペナルティの内容だけを見ると、非常に厳しいペナルティのように見えますが、これは楽天に寄せられているユーザー様の声を突き詰めてガイドラインと点数を設定されています。逆に言えば、ガイドラインをチェックリストとしてキチンと対応していくことで、お客様の満足度が上がると捉えれば、ガイドラインに従って見直しを行う良い機会に繋がるとも言えるでしょう。リスク回避の意味でも、この機会に徹底的な見直しを行うことを強くオススメします。

楽天市場でよくありがちなペナルティ例

楽天市場でよくありがちなペナルティ例を以下にまとめました。悪意はなくてもやってしまっているショップ運営者もいらっしゃるかと思いますので、この機会に一緒に確認していきましょう。

・連絡がつかない・連絡が困難
・明細書の入れ間違え
・店舗関係者によるレビューの投稿
・レビュー投稿を条件とした特典の付与
・外部サイトのリンク記載
・医薬品医療機器等法(旧薬事法)への違反
・ランキング操作等を目的とした架空注文

連絡がつかない・連絡が困難

最も低い違反点数として設定されているのが「連絡がつかない・連絡が困難」という項目です。「ユーザーもしくは楽天がショップに荷電し、営業時間中に連絡がとれない状況が複数回確認されること」で違反と判断されます。

これは違反点数が5点に設定されており、7回同じ行為が繰り返されると「違反レベル1」に達してしまいます。違反レベル1では「ランキング掲載制限」や「検索表示順位ダウン」、「一部媒体掲載制限」などのペナルティが課せられ、実際のショップ運営に影響が出る内容となっています。

「1回5点だから大丈夫」と油断してしまいがちですが、年始の繁忙期にユーザー対応を疎かにしてしまうと、同年12月31日まで違反点数を引きずる形となり、ペナルティが課せられる可能性が高くなります。違反点数制度が1月1日にリセットになる旨をおさえ、普段から繁忙期の健全なオペレーションについて検討しておくことが重要です。

明細書の入れ間違え

納品書などの入れ間違えというのは、意外と多く聞かれるミスの一つですが、こちらはお客様の個人情報漏洩に繋がるという観点で、違反点数が15点に設定されています。現在、納品書の入れ間違いなどがある店舗さんは必ず見直しを行う必要があります。

リスクを軽減する方法としては、これまで全てのお客様に納品書を入れていたものを、希望するお客様だけに入れるようにするだけでも、かなりリスクを軽減することが可能です。また、物流会社等外部に委託している場合でも、ミスがあった場合には違反点数に加算されるため、物流会社と違反点数に関しての話をする機会を改めて設けるなど、意識を徹底することも重要です。

店舗関係者によるレビューの投稿

こちらも、「店舗関係者」の定義がハッキリと明記されていますので、改めて確認しておきたい所です。
ガイドラインでは、「出店店舗様の役員及び従業員・委託先・提携先・家族・友人・その他出店店舗様と利害関係のある第三者」となり、これらの人が知らずにレビュー投稿を行ってしまうと違反点数80点になります。特に大きな企業の場合、EC以外の部門に属している方やその家族が知らずに書いたとしてもこの定義にあてはまってしまうため、会社として注意喚起をしっかり行っておく必要があるでしょう。

レビュー投稿を条件とした特典の付与

ユーザーへの「レビュー投稿を条件とした特典の付与」も違反の対象となっています。レビュー投稿を条件とした特典の付与は「違反点数35点」となるため、一発で違反レベル1に達してしまいます。仮に当該の違反が複数回繰り返された場合には、違反点数70点で違反レベル2(レベル1と同じペナルティだが期間が14日間)、違反点数100点で違反レベル5となり、原則契約解除、仮に出店継続判断となった場合でも「違約金300万円」といった想いペナルティが課されることになります。

ただし「レビュー投稿を条件とした特典の付与」のなかでも、「別送でのおまけの送付」「次回注文時に利用できるクーポン」などは、商品発送およびレビュー投稿の確認後にユーザーへ送ることが許可されています(レビューキャンペーン)。ユーザーに送付するおまけや特典の限度額は景品表示法のルールに従う必要があるため、予め確認しておきましょう。またレビュー投稿確認後であっても、キャッシュバックや金券の送付等は一律禁止になっていますので、こちらも注意が必要です。

良質な口コミの獲得は(実店舗を含め)効果的な集客施策となります。そのためつい楽天市場でも同様の施策を展開したくなりますが、違反点数制度に違反項目として明記されているため、レビュー獲得施策には注意して取り組みましょう。知らず知らずのうちに楽天市場の違反点数制度に該当してしまっている可能性もあるため、今一度確認することをおすすめします。また「レビューの記載の強要」はより重いペナルティ(違反点数80点:違反レベル4)で違約金も発生するため、こちらも注意しましょう。

外部サイトのリンク記載

「楽天市場から外部サイトへのリンクを貼ること」は、楽天市場における禁止事項となっています(違反店数35点)。外部の自社サイトに誘導をしたいという考えが生まれる理由としては、楽天市場ではRMS(楽天市場の店舗運営システム)の利用に関してランニングコスト(月額費用)が請求されます。プランや売上に応じて請求金額は変化しますが、例えば「目標月商50万円」「予想客単価3,000円」「商品ジャンル:ファッション」とした場合、ランニングコストの試算結果は約52,000円〜64,500円となります。

ショップ運営者にとってこれらのランニングコストは「できれば抑えたい」というのが本音ではないでしょうか。しかしショップに訪れたユーザーを自社サイト(オウンドメディア)や、自社運営ブログ等へ遷移させてしまっては、楽天市場は集客プラットフォームを提供した意味がありません。これらのランニングコストはあくまで「プラットフォーム利用料」と捉えることができるため、ショップ運営者は改めてご自身のショップに外部サイトへのリンクが記載されていないかチェックしましょう。ちなみにサイト外へのユーザー誘導も、違反点数35点に該当します。

医薬品医療機器等法(旧薬事法)等への違反

楽天市場の「出店審査や取扱商材に関する注意事項」にも記載があるように、医薬品や医療機器などを楽天市場で販売する際は、事前の申請が必要となっています(違反点数35点)。また医薬品や医療機器には「医薬品医療機器等法(旧薬事法)」をはじめ、食品衛生法・健康増進法・景品表示法などの法律が関係します。したがって医薬品や医療機器の「効果・効能」を記載した商品説明を行っている場合は、これらの法律に抵触する可能性があるため注意が必要です。

楽天市場では「医薬品医療機器等法(旧薬事法)等についてご不明な場合は、所轄の都道府県薬務主管部(局) へご相談願います」と案内を出しており、ショップ運営者の自主的な取り組みを推奨しています。

ランキング操作等を目的とした架空注文

楽天市場におけるランキング操作等を目的とした架空注文が発見された場合、楽天市場は違反点数80点、違反レベル4に該当するペナルティを適用する可能性があります。「楽天ショップ内での評価を上げるために不正に大量の架空注文を行う」といった行為は誰もが違反行為と推測できますが、「ショップ立ち上げ時のテスト注文」など、キャンセルすべき注文を誤って決済してしまうケースに注意しなければなりません。楽天市場のガイドラインにも記載がある通り、「合理的な理由のないテスト注文」が違反の対象となるため、ショップ立ち上げ時のテスト注文などは該当しない可能性が高いです。しかしショップ運営者は「放置しているテスト注文はないか」「ショップ関係者が架空注文となり得る施策を計画していないか」といった事柄をこの機会に確認し、ランキング操作を目的とした架空注文となってしまう恐れがないか、チェックしましょう。

楽天市場の違反点数制度にひっかからないために気をつけるべきポイント

楽天市場の違反点数制度に該当しないようにするには、違反点数制度の概要を確認するとともに、以下の2点を確認しておきましょう。

・楽天市場が目指す姿
・出店審査や取り扱い商材に関する注意事項

これらの資料を確認することで、楽天市場が「どのようなプラットフォームを目指しているのか」「ユーザーやショップ運営者にどのような姿勢を求めているのか」を知ることができます。ペナルティや違反はたしかに注意したい事柄ですが、楽天市場に対する感謝や敬意を日頃から意識できていれば自然と回避できるものも多いでしょう。実店舗の運営も含め、ユーザーやプラットフォームに敬意を持った運営ができているか、確認する機会にしましょう。

楽天市場の違反点数制度 まとめ

楽天市場の違反点数制度について確認しましたが、ここで注意したいのは「バレなければいい」「ギリギリを攻めよう」といった考え方になることです。そのような考え方ではいつか楽天市場の禁止事項に違反してしまい、店舗運営に支障をきたすペナルティを被ることでしょう。ショップの動きが止まれば、ユーザーや関係各所に多大な迷惑を与えることになります。長く、健全なECビジネスを運用するためにも、楽天違反点数制度などのガイドラインを改めて確認し、楽天市場におけるショップ運営の在り方やオペレーションをアップデートする必要があるでしょう。



いつも. マーケティングチーム
いつも. マーケティングチーム
いつも.のマーケティングチームです。
ECが大好きなメンバーが集まっています。国内からグローバル、自社からAmazon&楽天市場まで、ECにまつわるあらゆることを発信していきます!

楽天市場のペナルティに関するよくある質問

 

楽天市場のペナルティ(違反点数制度)するとどうなるの?
例えば違反レベル1になる35点になってしまうと、7日間のランキング掲載制限、検索表示順位がダウン、一部媒体掲載制限、レベルⅠ講習【WEB】といったペナルティが課せられてしまいます。詳しくは次をご確認ください。
https://itsumo365.co.jp/blog/post-1623/
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