公開日:2015年1月15日

いつも.コンサルが対談 EC市場の未来予測 前編

対談いつも.コンサルタントが提言こうなる2015年のECビジネス

大手企業のEC業界参入、M&A、ヤフーショッピングの無料化など、激動をたどるEC業界。価格競争、新規企業の増加などで年々、EC企業を取り巻く経営環境は厳しさが増しています。競争が激しくなる環境下、生き残り続ける企業になるためには何が必要なのでしょうか。株式会社いつも.のコンサルタント3人が対談し、今後の業界展望などを語りあいました。 今回はその前編です。

専門店が街から無くなるECの世界でも

大手企業の参入などが目立った昨今でしたが、今後中小規模のEC企業が生き残るためには何が必要でしょうか。
立川:自社サイトのこれからという視点で見ると、特定の年齢層などに特化し、ターゲットをきちんと定めなければ失敗するケースが増えていくと思っています。個人的には高齢者をターゲットにし、高単価品の取り扱いに特化するなど、ターゲットをしっかりと定めなければ厳しい時代に突入するのではないでしょうか。近年、資本力の大きい大手企業が巨額の投資を行い、本気でEC市場に参入するケースが増えてきています。最近では、セブン&アイ・ホールディングスがニッセンを買収すると発表したり、イオンが全社を上げてECに注力するといったり。中小企業の多いEC専業企業は、今後こうした企業と同じ土俵で戦わなければならなくなります。
私はもともと小売業界出身なので、小売業界の変遷を見てきました。感じていることは小売業界もEC業界も同じということ。例えば十数年前。イオンなどの大型ショッピングモールが近隣地域に参入、中小店舗が淘汰され、専門店が町から無くなっていきました。そのような状況がEC業界でも起こり始めています。
高木:商店街で生き残ったのは果物屋、床屋など。淘汰されなかった理由は、特化型で利益が高い商売を行っていたためです。例えば果物屋。生き残ったのはお得意さまを抱えていたからです。果物屋は季節ごとにギフトの贈答需要があり、店頭は人気がないように見えるけど、裏ではギフト商材を販売していました。
立川:それこそ原価が低く利益が高い商品を扱い、職人が作った商品を販売するといった商売が商店街で残っていきましたね。
高木:こうした状況をネットに置き換えると、すごいヒントになる。 

EC専業は淘汰される時代に突入

立川:利益が高く、職人が作ったような商品を取り扱う店舗は生き残れる可能性が高い。あとはO2O(オンラインとオフラインの購買活動を連携させる施策)のように、ある程度エリアを限定してマーケティングできるEC実施企業も淘汰されにくいのではないでしょうか。
高木:名簿を持っていることが重要ですよね。競争は始まったばかりなので、この先はさらに名簿の重要性が高まります。2つ目は「名前」。いわゆる指名買いされるようなサイトで商品を販売できること。今まで以上にテクニックよりもブランディングが重要視される。
羽田野:取扱う商品数が多い店舗に代表される品揃え型サイトは難しくなる?
高木:これまで品揃えを増やす目的は、サイトへの訪問を増やすための入り口という考えだった。品揃えが多いか少ないかはコンセプトであり、店の名前を覚えてもらってファンを作っていくのがブランディングです。品揃え型は商品数を増やして、検索エンジンに拾ってもらうテクニック論ですが、今後はイオンなどの大手企業が品揃え型でどんどん展開してくる。商品もある程度安い。同じようなことをしていても、同様の商品を扱っている店舗は苦しくなるよね。

EC事業に影響を与えた2014年キーワード
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