公開日:2019年6月10日

ASP型カートシステムとは?メリットや注目のサービス、3つの選定ポイントを解説

 

EC事業を成功させるために重要となる要素や業界のサービス
EC事業を成功させるために重要となる要素や業界のサービス

みなさん、こんにちは。D2C、ECコンサルティングを提供する株式会社いつも.のコンサルタントです。

EC事業を成功させるためには、様々な要素が必要です。

上の図は、EC事業を成功させるために重要となる要素や業界のサービスをいつも.がまとめたマップです。これらのなかには、主に以下の要素があります。

  • (マップ左端)販売チャネル…どの場所で売るか
  • (マップA)サイト構築…どんなサイトを構築するか
  • (マップB)集客…どんな方法でお客さんを集めるか
  • (マップC)転換率向上…集めた見込み客を購入に転換する
  • (マップD)リピート…一度購入してくれたお客さんに長くファンになってもらう

各要素には、複数の種類があり、そのうちのどれを選ぶかも重要です。今回はマップAの「サイト構築」から、「ASP」について説明していきます。

 

【⇓動画でサクッと確認する⇓】

 

1.安さと手軽さがメリット!ショッピングカートASPについて徹底解説!

ECサイトを運営するには、ネットショップの注文を処理するソフトウェアである「ショッピングカート」が必要です。

ショッピングカートには、主に以下5つの種類があります。

  • スクラッチ
  • パッケージ・クラウド
  • ASP
  • オープンソース
  • 無料

「ASP」は、このショッピングカートのなかの一種です。

ここでは、このショッピングカートASPがどのようなものなのか、詳しく説明していきます。

1-1.そもそもショッピングカートASPって何?

ASPとは「Application Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)」の頭文字をとったもので、アプリケーションソフトをネット経由で提供しているプロバイダのことです。

ショッピングカートASPでは、ECサイトを構築するために必要なシステムをクラウド型で提供しています。

EC事業者は、ショッピングカートASPを利用することで、自社でECサイトを構築しなくても、手軽にECサイトを運営可能です。

ショッピングカートASPは主に、ECに新規参入した企業や、自社ECサイトで月商100~1,000万円を目指そうという中小規模のEC事業者に利用されています。

1-2.ASPカートとパッケージ・クラウドの違いって?

先ほど紹介した5種類のショッピングカートのなかで、ショッピングカートASPとよく比べられるのが「パッケージ」と「クラウド」です。

「パッケージ」は、ECサイトの構築に必要なソフトウェアがパッケージ化されたものです。

パッケージにはクラウド型で提供されるものもあり、こちらは「クラウド」と呼ばれています。

【参考記事→ECパッケージ・クラウドって?メリットとデメリット、選定の仕方まで徹底解説

パッケージとクラウドの場合、購入したソフトウェアをもとに、自社でECサイトを独自に構築することになります。

カスタマイズの自由度が高く、独自のサービスや売り方を実現できるのが、パッケージとクラウドのメリットです。

一方でショッピングカートASPは、共通のECのプラットフォームをレンタルする形式です。

ショッピングカートASPを利用する場合、提供されたフォーマットを使って、ECサイトを運営することになります。

1-3.ショッピングカートASPのメリット・デメリットについて

ショッピングカートASPには、メリットとデメリットがあります。

ここでは、ショッピングカートASPのメリットとデメリットについて、それぞれ説明していきます。

ショッピングカートASPのメリット

ショッピングカートASPには、主に以下3つのメリットがあります。

  • ECで売り上げを伸ばすために必要な機能を、すぐに利用できる
  • 初期費用やランニングコストが、他のショッピングカートと比べて安い
  • 最新の機能を利用できる

ショッピングカートASPには、ECに必要な機能が標準で備わっています。

そのためサービスを利用すれば、簡単にECサイトを開けます。

また、初期費用やランニングコストが安価なのも、ショッピングカートASPのメリットです。

ショッピングカートASPの初期費用は無料〜数万円、月額料金は1,000 ~20000円程度となっています。

なかには初期費用と月額料金が無料のショッピングカートASPもあり、利用店舗数は個人を含めて数十万店に上ります。

さらにシステムのアップデートや機能追加などはサービス提供会社が行うため、EC事業者は個別に機能開発を行わなくても、最新の機能を利用可能です。

先ほど紹介したパッケージでECサイトを構築した場合、莫大な費用をかけて開発した機能が数年で陳腐化してしまうこともあります。

その点、ショッピングカートASPであれば、そのリスクはありません。

ショッピングカートASPのデメリット

ショッピングカートASPには、独自のサービスや売り方を実施しにくいというデメリットもあります。

ショッピングカートASPは、共通のプラットフォームをレンタルしているという性質上、機能をEC事業者ごとにカスタマイズできません。

ECで年商50億円以上を目指すような企業は、カスタマイズしやすいパッケージに乗り換えることも多いようです。

1-4.オムニチャンネルや越境ECにも対応してきている!

近年では、オプションやサービスで違いを打ち出そうとするショッピングカートASPも目立つようになりました。

例えば、以下の機能を実装している製品もあります。

  • 実店舗とECサイトの在庫情報や顧客IDを連携する「オムニチャネル」
  • 海外へ商品を販売する「越境EC」
  • スマホサイトのレイアウトに自動対応する「レスポンシブウェブデザイン」

これらのほかにも、「ビットコイン決済」が使える製品が登場するなど、ショッピングカートASPのサービスの幅は広がっています。

ショッピングカートASPを提供する各社は、機能の活用方法や成功事例を解説するセミナーを開催するなど、EC事業者向けのサポートに力を入れる動きも活発化しています。

2.今注目のショッピングカートASPを紹介

ショッピングカートASPには、様々なサービスがあります。

ここでは、今注目の4つのショッピングカートASPと、それぞれの特徴について紹介していきます。

2-1.futureshop(フューチャーショップ)

「futureshop」(https://www.future-shop.jp/)は、株式会社フューチャーショップが提供するショッピングカートASPです。

futureshopは、「Apple Pay(アップル・ペイ)」やオムニチャネルなど、EC業界で注目されている最新機能のアップデートが早いのが特徴です。

また、カラー検索で対象の色のサムネイル画像を表示できることから、アパレル業界に強いサービスだと言えます。

最短3ステップでの決済や、商品をカートに入れたものの、そのまま離脱してしまった人にその商品のメールを送る「カゴ落ちリカバリーメール」など、「CVR(コンバージョン率)」改善機能も豊富です。

2-2.カラーミーショップ

「カラーミーショップ」(https://shop-pro.jp/)は、GMOペパボ株式会社が提供するショッピングカートASPです。

カラーミーショップは、有名ブランドやメーカーなどをはじめ、国内に4万4000店以上の導入実績があります。

この導入実績は、ショッピングカートASPのなかでも最多です。

カラーミーショップには4つの料金プランがあり、このうち機能制限がない「レギュラープラン」でも、月額料金は税抜3,000円と安価になっています。

ネットショップの「受注」「発送」「在庫」の管理や分析を、スマートフォンで運営できるアプリにも要注目です。

2-3.MakeShop(メイクショップ)

「MakeShop」(https://www.makeshop.jp/)は、GMOメイクショップ株式会社が提供するショッピングカートASPです。

MakeShopは、デザインや動きにこだわったサイトを構築する場合に適しています。

機能数がとにかく多く、毎月の機能アップデートが早いのも特徴です。

構築や運営で困ったことがあれば、電話やメール、質問掲示板やデザイン質問掲示板によるサポートがあるので、安心して自社運営ができます。

2-4.ecforce(イーシーフォース)

「ecforce」(https://ec-force.com/lp)は、株式会社SUPER STUDIOが提供するショッピングカートASPです。

ecforceは業界内では、「D2C始めるならecforce一択」とまで言われているほど、D2C向きの販売機能や広告管理が充実しているため、自社製品を販売したいと考えている方におすすめのショッピングカートです。

ecforceをネットショップのカートシステムとして導入した人のショップの平均月商はなんと1億5千万円以上と、これもECカート業界最高の実績があります。

カートを移行するときには、システムエンジニアとカスタマーサポートが専属で担当し、システムに移行だけでなく、移行後の業務が適切に行われるように支援してくれます。

2-5.aishipR(アイシップアール)

「aishipR」(https://www.aiship.jp/)は、株式会社ロックウェーブが提供するショッピングカートASPです。

asishipRは、EC業界で唯一、完全レスポンシブに特化しています。

レスポンシブとは、サイト閲覧者の利用しているデバイスの画面サイズに合わせて、見やすい表示に切り替える機能です。

スマホファーストでサイト構築ができるので、モバイルユーザーの利用が多い店舗におすすめです。

また、ASPながら外部システムとの連携や店舗独自の機能開発も請け負ってくれるので、基幹システムとのデータ連携や予約レンタル、海外向け販売など、様々な運用に対応できます。

3.ショッピングカートASPの3つの選定ポイント!

ここまで、おすすめのショッピングカートASPについて紹介してきましたが、どれを選べばいいか分からないという方もいるでしょう。

そこでここでは、ショッピングカートASPのサービスを選ぶうえでのポイントについて説明していきます。

3-1. カート機能の範囲内で運営できる計画を作る

aishipRなど、ごく一部のサービスを除けば、ショッピングカートASPはパッケージ・クラウドと違い、機能のカスタマイズや外部システムとの連携ができません。

ショッピングカートASPを利用する場合は、このことを前提にECサイトの運営を考えるようにしましょう。

3-2. 自社と同じ商材の利用店舗が多いASPを選ぶ

ショッピングカートASPのなかには、特定の業界に適さないサービスも存在するかもしれません。

そのため利用したいショッピングカートASPが見つかっても、まずは自社が扱う商材と同様のカテゴリーや、モデルとするような店舗の利用実績があるかどうかを確認しておきましょう。

3-3. オプション機能を確認する

ショッピングカートASPには、定期購入やスマホ対応の可否、決済の種類など、サービスごとに機能に違いがあります。

ショッピングカートASPを選ぶうえでは、どういう機能があるのかを確認しながら比較していきましょう。

4.まとめ

ショッピングカートASPは、ECサイトのプラットフォームをレンタルする形で利用できるサービスです。

ショッピングカートASPは、ECサイトの運営に必要な機能をすぐに利用できるうえ、導入費用や月額料金も安くなっています。

そのため、ECサイトに新規参入する場合や、売上が小規模な事業者には、ショッピングカートASPがおすすめです。

近年では、様々な機能やオプションが実装されているサービスも増えているので、ぜひ自社に合ったショッピングカートASPを探してみましょう。



いつも. マーケティングチーム
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