“EC版オムニチャネル”について

“EC版オムニチャネル”について

昨今、「オムニチャネル」という言葉を聞く機会が多くなりました。オムニチャネルというのは、オンラインからオフラインまであらゆる販売チャネルを統合することで顧客がどこからでもモノを購入できる環境を整えることで、セブン&アイなど大手はそうした取り組みに着手しています。しかし、実際にオムニチャネル戦略を実践できるのは大手の一部の企業に限られてしまいます。そこで今回は“EC版”のオムニチャネルという切り口で、ECに特化して多くの販売チャネルを構築することについてご説明します。これは、ECでの売り上げを最大化するには欠かせない戦略ではないかと考えています。

 

モールは多店舗、自社は顧客接点の拡大

まず、ECでの販売チャネルを大きく「仮想モール」と「自社EC」に分けて考えます。

「仮想モール」では、楽天市場、ヤフーショッピング、ポンパレモールなどがありますが、楽天市場は「楽天スーパーポイント」、ヤフーショッピングは「Tポイント」、ポンパレモールは「リクルートポイント」(※こちらは来春に「ポンタ」と統合されます)といったように、各モールがポイント軸で顧客の囲い込みを行っています。その結果、ユーザーはモール間を行き来するのではなく、特定のモールで購入するという傾向が強まっています。

そうした事情を踏まえると、EC事業の規模を大きくするには多店舗展開が必要になってきます。それぞれのモールに出店することで、各マーケットをとっていこうという発想ですが、これは中小規模の企業でも可能な戦略です。

一方の「自社EC」ですが、こちらは現在、集客が非常に難しくなっています。以前はリスティングとアフィリエイトで売り上げの大半を占める集客が可能でしたが、今はサイトへの流入経路が多岐にわたっています。リスティング、アフィリエイト、SEO、ソーシャルメディア、スマートフォンといった具合に流入の仕方が“オムニ化”していますので、売り上げの“最大値”を狙うには少しづつであってもすべてに対応して、とにかく顧客との接点をたくさん設けておくことが求められます。

 

自社ECは、ECではなくなる

ECで伸びるための特効薬はありませんが、そもそもオムニチャネルということに注目されだしたのも、既存の枠組みでは事業の伸びが見込めなくなったということがあります。つまり、国内の人口が増えることなく、市場の拡大も見込めない状況で、「とにかく顧客を囲いかもう」というわけです。そう考えると、ECにおいてもできることは着手して、獲得した顧客を逃がさないようにする必要があります。

そこで「自社EC」ですが、そもそも自社ECの“存在意義”は、「名簿獲得」「ファンづくり」「ブランディング」の3つです。こうした自社ECの目的にかなうようにするにはどうすれば良いかを展望します。

仮想モールであれば百貨店のように「買い物」に特化した場所で良いわけですが、自社ECの場合は先ほど述べたように流入経路が多いため、単なるランディングページのような“物売りサイト”では顧客がどんどん離脱していきます。顧客をファン化して自社ECサイトからの離脱を防ぐために必要になるのが“コンテンツ力”です。

例えば、ヤフーのポータルサイトは「ヤフーニュース」など様々なコンテンツをそろえているため、ユーザーがしばしば訪問します。スマホが普及した昨今、こうしたコンテンツはますます重要になっています。そこで、自社ECでは例えば「おすすめレシピ」や「健康情報」などを掲載することが大事になってきます。そう考えると、自社ECは今後、単なるECという形態ではなくなっていくのではないかと思われます。

 

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