中国で消費期限切れが近い商品『臨期商品』に注目が集まる

中国で消費期限切れが近い商品『臨期商品』に注目が集まる

参考サイト:http://www.ebrun.com/20190722/342531.shtml?eb=com_chan_lcol_fylb

世界中で生活の質が高まるにつれて、嗜好品としての食品が好んで消費されるようになり、数多くの輸入食品スーパーが台頭しています。それに伴い、従来のような価格だけを売り物にしてきたような乱暴な商品ではなく、環境に配慮し、無駄な廃棄をなくすという考えを各社が打ち出し始めており、消費期限が近い商品の扱いも見直されるようになってきました。

世界を見ると、このような消費期限切れが近い商品を上手く扱っている例があります。イギリスでは「a food waste supermarket(食べ残しスーパー)」というスーパーを慈善団体が運営しており、他の現地スーパーと協力して、消費期限切れが近い商品の販売を行っています。全体的に安価で、なかにはお金を必要としないものや、労働を通じて食品を提供するなど、現地の貧しい家庭の支持を受けています。

 

アメリカのワシントンにも、DailyTableという非営利の小さなスーパーがありますが、大部分は大手サプライヤーから寄付された消費期限の近い農産物や乳製品、パンなどを安価で提供しています。

日本でも、ローソンが地元の廃棄物処理業者と提携して、期限切れの近い商品を一次処理して、肥料会社に販売。そこで作られた有機肥料をローソンと提携している農家に配る活動を行っています。そして、これらの有機肥料で栽培された野菜や果物がローソンの棚に並べられています。

中国における消費期限切れが近い商品への対応状況

中国の税関総所による統計を見ると、2018年輸入食品の規模は700億ドルを超え、中国は世界一の食品輸入国家となっています。その中で、明らかな価格優位性を持っている消費期限切れの近い商品『臨期商品』は、中国の食品業界にとって試す価値のある商品だと言われています。なぜなら輸入食品にとって、圧倒的な価格優位性は非常に魅力的なものであり、消費意欲の高い若いユーザーが臨期商品の主力消費者になるだろうと予想されているためです。

しかし、多くの中国人が臨期商品の安全性を疑っているのも事実です。実際には、消費期限切れが近い商品にも、中国の工商局が安全な商品としての基準を定義していますが、まだ浸透できていないのが現状です。

 

日本語訳↓ ※臨期→工商局が定義している食品安全基準の期間


  • 消費期間1年又は1年以上の臨期は45日前まで(缶詰め、キャンディー、クッキーなど)
  • 消費期間6か月~1年以下の臨期は20日前まで(インスタントラーメン、無菌パッケージの牛乳やジュースなど)
  • 消費期間90日~半年以下の臨期は15日前まで(真空パックの冷蔵熟成食品など)
  • 消費期間30日~90日間以下の臨期は10日前まで(殺菌包装の肉食品卵など)
  • 消費期間16日~30日間以下の臨期は5日前まで(ヨーグルト、お菓子類など)
  • 消費期間15日以下の臨期は1~4日前まで(例:主食食品、新鮮牛乳など)

このような国が定める基準の他にも、越境ECなどで倉庫に入れる食品には、実際の消費期限から少し余裕を持って出荷されるように安全基準を算出する計算式がプラットフォーム毎に定義されています。その期限が近い商品に分類されたものは、実店舗等で特別なイベントを行い、超低価格で売りに出されるようになっており、そのイベントで設定された期間中に売り切ることができない商品は、ECプラットフォームから強制的に排除されるような仕組みも出来ています。

中国で新たな市場を開拓する臨期商品

中国において、食品の臨期商品は地元のニッチなスーパーや、大きなスーパーの小さな専門エリアに特定の時間帯に割引されるといった形で提供されるに留まっていました。しかし、近年タオバオやJD、拼多多などの巨大ECプラットフォームが臨期商品市場の可能性を察知してテストマーケティングを始めています。

実際に拼多多が行ったテストマーケティングの事例を見ると、消費期限が近いミルクを「臨期乳」として売り出しましたが、結果としては失敗に終わりました。特に安全意識の高い子ども用の商品から始めてしまったのが原因とされており、理解が進んでいない現状では、『消費期限切れが近い商品=期限切れ商品』と中国の消費者に判断される結果となってしまったのです。

商品そのものから見ても、市場から見ても臨期商品は中国においても新しい市場を切り開くと期待されていますが、まだまだ食品に関しては大きな課題に直面していると言えます。その一方で、化粧品など一部の商品では消費期限が近い商品を売るイベントは大変人気のあるイベントとなっています。

食品分野においても、より詳細な生産地を知ることや、消費期限に対しての正しい知識を広めるなど、問題点を解消する必要がありますが、一歩ずつ改善していくことで、大きく展開される商品になっていくことが期待されています。

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