2019年12月03日

中国で敗退した大手外資系小売業

中国で敗退した大手外資系小売業

米経済誌フォーチュンが毎年発表している世界企業番付「フォーチュン・グローバル500」の2019年版が7月22日に発表され、多くの世界的な小売企業が名を連ねる結果となっています。その多くが中国の巨大マーケットに目をつけて早くから進出していますが、中国国内では『まだ理想的ではない状況』であると報じられています。

参考記事:http://www.ebrun.com/20190725/343189.shtml?eb=com_chan_lcol_fylb

以下、カテゴリ毎に例を挙げて見てみましょう。

M&A部門

1.カルフール
フランスに本社を置くスーパーマーケットチェーンのカルフールですが、中国で有名な『蘇寧易購』グループ株式会社(中国の次世代B2Cオンラインショッピングプラットフォームで、現在は伝統的な家電・3C電気・日用百貨などの種類をカバー)の100%出資子会社『蘇寧国際』が48億元の出資を行い、ユーロでカルフール中国の80%の株を買収すると発表しています。

公開された資料によると、元々カルフール中国は1995年に中国に進出していましたが、過去2年間の営業収入は、それぞれ324.47億元・299.58億元で、それぞれ10.99億元・5.78億元の損失を出していました。

2.TESCO
イギリスに本拠を置く五大世界流通大手のTESCOは、中国に進出して10年間で『華潤』という中国大手スーパーに買収されることになりました。

2004年7月、TESCOは1.4億ポンドを費やして、『楽購チェーンスーパー』株の50%を買収して中国に進出しました。しかし、10年後の2014年には、135店舗を華潤グループに売却し、店舗名も『華潤万家』と名称を変えています。2014年TESCOの財務報告を見ると、税引前損失は602億元で、中国事業の損失は113億元を超えています。

3.楽天マート(韓国の小売大手スーパー)
北京で有名な万客隆というストア8店舗を飲み込む形で、正式に中国市場に進出した韓国の小売大手。進出から10年の2018年までに300店舗を開設する予定でしたが難航。業績と口コミがどん底に落ち、身売りして撤退する結果となりました。

損失部門

1.ローソン
1996年、中国上海に開設した最初の日系コンビニチェーンがローソンで、22年間中国で発展を続けています。上海チェーン経営協会発表によると2019年1月18日に中国のローソン店舗は2000店舗に達しましたが、2018年までに赤字状態を脱することができていないのが現状となっています。

2.イオングループ
イオンは1996年杭州に始めて開店、今は中国大陸に33店舗あり、中国華南地区に分布していますが、中国本土で手痛い失敗を経験しており、現在の経営状態も芳しくない状況となっています。財務報告によると、イオンは2018年に中国本土で52.99億香港元の営業収入を計上していますが、前年同期比1.8%下落となっており、5,098万香港元の損失を計上しています。

閉店部門

1.ウォルマート
ウォルマートはアメリカに本社を置く世界最大の小売業者で、2018年度の売上高は5,144億ドルに達しました。世界小売企業ランキング500でも5年連続トップと世界で最も勢いのある企業ですが、中国ではここ10年で100店舗近くの閉店を行っています。

ここ数年、中国におけるウォルマートの閉店傾向は益々激しくなっており、メディアの統計によると、中国での閉店数は2012年に5店舗を閉店したことを皮切りに、

  • 2013年:13店舗閉店
  • 2014年:17店舗閉店
  • 2015年:1店舗閉店
  • 2016年:13店舗閉店
  • 2017年:24店舗閉店
  • 2018年:21店舗閉店

そして、2019年現在までに既に15店舗を閉店しています。

2.高島屋
2019年6月25日、日本の老舗百貨店である上海高島屋の公式サイトによると、2019年8月25日に閉店としています。高島屋が発表した情報によると、ここ3年間赤字状態にあり、2017年度から2019年度までの営業利益は5,976万元に対し、6,860万元の赤字、損失は5,207万元に達していました。

中国小売業の市場環境はすでに大きな変化を起こしており、特にコンビニと電気メーカーによる二重衝撃で大きな売り場を持つ業態は日に日に低下しています。

また、90年代に中国市場に進出した外資系小売業者達は、中国国内の家賃上昇や人件費上昇に加えて、リースの有効期限が切れるという問題にも直面しており、中国経済の主導権は徐々に中国本土のアリババ・テンセント・蘇寧などへの統合に向かっています。

このような背景を受けて、外資系小売業者は次なる一手を考える必要に迫られています。