京東(JD.com) がKOLの育成を本格的に始動

京東(JD.com) がKOLの育成を本格的に始動

中国の消費者にとって、JDと言えば家電や3Cデジタルのイメージが強く、『男性ユーザーが消費目的で購入するプラットフォーム』としてのイメージが強く定着しています。そのような立ち位置から、JDとしても積極的にKOL(Key Opinion Leader:中国版インフルエンサーマーケティング)を活用することは少なかったのですが、最近になって、少なくとも10億元という巨額を投じて、JD専属のKOL育成を開始したと大きな話題になっています。

今回の投資対象は、JDアプリ内にある発見チャンネルやLIVE動画といったサイト内リソースの他、
外部トラフィックであるTIKTOK、快手(動画共有アプリ)、今日头条(無料ニュースアプリ)などを含む大規模なものとなっています。

MCNと連携したKOL育成プロジェクト

このJDによるKOL育成プロジェクトは、いくつかのMCN(マルチチャンネルネットワーク:YouTubeに代表されるような動画配信サービスに対し、動画製作から専属の出演者の選定、著作権の管理、視聴者の開拓からスポンサーの営業など、動画コンテンツに関わる全てを引き受けるネットワーク企業のことを指す)と連携して人気者のリストを吸い上げ、各プラットフォームの選抜組から最終的に5名を選出するという徹底ぶりで、厳選したKOLを最もポテンシャルがあるJD専属のKOL『京品推薦官』として育成するというものです。

JDはこれまで、他プラットフォームに比べてファッションなどのイメージが薄かったのですが、新興コンテンツを持つECプラットフォームの中で淘汰されないよう、得意分野ではなかったアパレルや化粧品、嗜好品などの領域に切り込もうとしています。もちろん、これまでもJD内にこれらの商材はありましたが、今回は本格的にKOLを活用したイメージの改善を狙っており、これほど本腰を上げて莫大な投資を行ったのは今回が初めてになります。

このプロジェクトに参加したMCNの担当者によると、今回JDにエントリーした人気KOLは十数万人から数百万人のファンを持つトップレベルのKOL達で、その中からさらに

・プラットフォーム内外への商品販売力
・LIVEコンテンツの再生量
・独占LIVE等の爆発力

を考慮して選考されていると言います。
(独占LIVE:中国の商品販売におけるLIVE配信には、一気に30商品ほどを紹介する手法と、一つの商品を丁寧に紹介して売る2通りがあり、独占LIVEは後者を指す)

KOLの持つ驚異的な販売力

モバイルインターネットのビックデータ解析などを行う調査会社QuestMobileの報告によると、90年生まれ以降の若年ユーザー層が、モバイルショッピングの4割を超えていると言います。そして彼らは、

・誘導されやすく
・衝動買いが発生しやすく
・オンラインでの消費能力が全体的に比べて高い

という特徴を持っており、彼らを強く牽引するKOLたちが持つ強力な販売能力は、将来的にECを運営する上で、重要な消費チャネルになると言います。

なかでも、中国のLIVEで爆発的に商品を売るKOLの代名詞とも言える2名【李佳琦と薇亞】が持つ販売力は驚異的で、李佳琦は3分で600万元を売り切る爆発力を持ち、薇亞は1日の商品販売量が3.3億元に達するという驚異的な販売力を持ちます。JDも彼らのようなトップKOLを育成し、苦手分野の克服に取り組んでいるのです。

すでに大きな売上規模を持つKOLの経済市場は、まだまだ伸びしろがあると言われており、JDのKOLは、タオバオや他のプラットフォームに比べてまだ明らかな優位性を持っていないのが現状ですが、今回の投資でトップレベルのKOLをどこまで育成できるのか注目が集まります。

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いつも. マーケティングチーム
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