2019年W11全体の数値報告

世界的にもその巨大な市場規模から注目を集める、中国最大のセールイベントW11。

日本でも様々なメディアが報道していますが、中国現地メディアではどのようなポイントに注目して取り上げているのでしょうか。いつも.がピックアップしたいくつかの記事から解説を交えてご紹介しましょう。

中国EC業界のメインプラットフォームであるT-mall(天猫)・JD.com(京東商城)・Pinduoduo(拼多多)・Suning.com(蘇寧易購)の数字から確認してみると、W11全体での売上額は4,101億元(約6.39兆円)、昨年対比30.5%と巨大市場でありながらより一層の成長を続けています。

アリババグループの数字を見ると、W11当日のT-mall取扱高は過去最高の2,684億元(約4.18兆円)で25.7%の伸び率となっており、W11の1日で、楽天の年間取扱高の約1.2倍という数字を叩き出しています。

同じく中国EC大手のJDは、発表されている数字の集計期間が11月1日~11日となりますが、やはり取扱高は過去最高の2,044億元(約3.18兆円)で伸び率は昨年対比28.0%となっています。

一方で、蘇寧・Pinduoduoも高い成長率を示したことから、W11当日におけるT-mall・JDのシェアは前年よりわずかに減少する結果となっています。

蘇寧はシェアを0.2%上げ、Pinduoduoは3.1%と倍以上にシェアを伸ばす結果となっています。

今年は各モールが地方都市に注力

今回の特徴として目立ったのが、各プラットフォーム共に地方都市を重視した戦略を取っている点です。そのきっかけは、Pinduoduoが地方都市を中心に売上を伸ばしている点で、そのユーザー数は業界2位のJDに匹敵するほどとなっています。これまで、各プラットフォームが一線二線の大都市をメインとして展開していたものが昨今、飽和状態となり、その一方で地方都市では収入も向上、消費力も強くなってきているため、他のメインモールも地方都市に注力し始めているのです。

具体的な動きとしては、T-mallが地方に向けて「聚划算」という特売モールを2019年前半にアップグレードしています。この特売モールは11日当日の1日で、販売件数が10万件を突破した人気商品を216品も作り上げています。

T-mallの最高責任者によると、約2億人という新規ユーザーの内、その大半が地方のユーザーという結果になったと言います。

JDは、例年に比べると細かな数字は出していないのですが、速報を伝える内容の1番最初に、地方都市による売上増加をアピールしています。地方都市の注文ユーザー数は前年より60%以上成長し、新規ユーザーの70%以上が地方からという結果となっています。JDでも、特売モールのようなミニプログラムを展開しており、Wechatから連携して直接入れるようになっています。

またJDはオフライン店舗も地方で展開しています。JDは元々物流が強みで、各都市に自社倉庫を持っているのですが、今回は自社のオフライン店舗兼倉庫としても出店しており、実際に消費者がそこで商品に触れて購入することもできる体験型店舗を展開。そこからの集客も多くなりました。

(参照元:京東Weiboアカウント)

蘇寧はもともと中国の大手家電小売チェーンとして展開しており、自社店舗を各地に持っています。オフラインで成長してきた背景を元にオンラインに進出しているため、オンラインとオフラインをうまく連動させて地方ユーザーの獲得に成功しています。

Pinduoduoは地方ユーザー層に元々強いのですが、今回はW11のために、iPhoneなどのデバイス購入費の一部を補助するなど、大胆にコストを投下して集客を行っています。

Pinduoduoはスローガンとして、W11の初心に帰りたいとしており、W11は元々値引きをするセールが起源となっているため、コストを掛けてでもユーザーに安く買い物してもらうことを重視したと言います。

今年のW11はライブコマースに最も注目が集まる

Tmall上の情報では、50%以上の店舗がライブを実施。ライブ経由での売上は、1日で200億元を突破しています。売上が1億元を突破したライブは15個以上、1,000万元を突破したライブは100個以上に及びます。

ライブを行う事業者はバリエーションも増加しており、今年は2万人の農家・40人の「县长」(日本でいう町長や村長)・100名以上の企業経営者がライブを実施しています。KOLや芸能人が最も多い現状は変わらないものの、様々な人がライブコマースを開始しているのです。

ライブ関連での主な数字を見てみると、W11開始から約1時間で、ライブ経由による売上が昨年を上回り、開始して約9時間で、ライブ経由の売上は100億元(約1600億円)を突破しています。

ライブを実施したジャンルは、コスメ・アパレル・食品・家電・自動車など全ジャンルで行われていますが、中でもライブKOLのTOP1位である「薇娅」のライブでは、最高2,000万人がライブを視聴し、2位の「李佳埼」は、最高1,358万人を記録しています。

越境ECはペット関連商品が高成長

天猫国際からW11での具体的な販売量が数字で示されています。猫の食品関連は約16,000t・犬の食品約20,000t・猫の砂3,500tが1日で売れています。他にも、猫用のハイテクペット商品が成長率230%。ペットの生活サービス関連の売上は、医療・美容などを中心に成長率440%超。ペットの薬品や薬剤関連で127%超となっています。天猫国際全体で最も人気のある商品は、猫食品ブランドが従来人気の粉ミルクブランドを上回りランク1位となり、3,4位もペット食品ブランドが名を連ねるなど、ペット関連商品の成長が目立つ結果となりました。

先端ビジネス(C2M商品、5G)の成長率

JDの速報を見ると、5GのスマートフォンはW11での売上点数が前月10月の20倍の売上になりました。C2M商品は、携帯電話が昨年対比300倍・PCは昨年対比491%UPと、C2M商品はアリババをはじめ、複数モールが重視する商品となっています。日本企業では、SHISEIDOがアリババと連携して中国人消費者のニーズに合わせたヘアケア関連商品の開発を行っており、W11でもよく売れる結果となっています。

天猫で10億元以上のブランドは、ほぼ海外ブランドがメインとなっており、携帯・家電・スキンケア・アパレルがメインとなっていますが、10億元以上のブランドを見ると、日本からはユニクロのみとなっています。

(参照元:DT財経)

これまで、中国の消費者は中国ブランドの商品をあまり信頼しておらず、あまり選ばれない傾向にありましたが、最近は中国国産ブランドも品質が上がってきており、特にコスメやおやつ業界では中国国産ブランドが1億元や10億元といった大台を超える実績を出し始めています。

プラットフォーム全体で見ると、国産ブランドの成長率はプラットフォーム全体の平均より上回っており、今後ますます競争が激しくなってくるため、これから中国に進出したいと考えている企業は、相応の準備が必要になるでしょう。

海外ブランドで根強い分野は美容系・マタニティ系・サプリ系

 

(参照元:DT財経)

中国市場は、昔のように進出すれば売れるという状況からは一変しています。日本ブランドへの信頼感は相変わらず根強くありますが、昔は予算的にも手軽に購入できなかった有名ブランド商品も、気軽にモールから買えるようになったことから、日本製品ブームは落ち着きつつあります。中国国産ブランドも成長しており中国進出の際は、コストを投入せずに売れるという時代ではなくなってきているのです。

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いつも. マーケティングチーム
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