毎回社内ゲストを招いて「EC×キャリア×未来」を語る新企画。今回は、ビジネスデベロップメントグループの佃千絵さんに、これまで培ってきたキャリアや女性の働き方、今後の展望を伺いました。
株式会社いつも ビジネスデベロップメントグループ
広島県広島市出身。関西OEMメーカーで通販会社をターゲットに営業・生産・企画に従事。その後、アパレル業界でキャリアを積み、2021年11月に株式会社いつもへ入社。現在はブランドのバリューアップのための企画開発を担当。プライベートでは二児の母として、ジェンダーレスな教育を目指す。
目次
14年のキャリアの先に、いつも.でやりたいことを見つけた
――佃さんのこれまでのキャリアを教えてください。
関西のアパレルOEMメーカーで通販会社をお客様に営業・生産・企画をしていました。サンプル作りからプレゼンまで、川上から一貫してやっていました。小さい頃から絵を描いたり、洋服を見たりすることが好きで、小売というよりは先にモノづくりを学びたいと思って入社しました。
その後リーマンショックがあり、当時は「若さ」を武器に転職しました。モノづくりを中心にやってきたので、今度はもっと消費者に近いところで働きたいと思い、総合小売業(生産から販売まで一括して取り扱う小売業)でブランドの舵取りをするMDという仕事に就きました。ブランドを、どういう商品ラインナップにするのか?どういうスタイルで攻めるか?どういうビジネス戦略をとるのか?を考えながら、デザイナーと企画・生産し、PRと販売戦略を考えるという仕事を14年してきました。
――幅広い経験をしていた中で、何故いつも.に入社を決めたのでしょうか?
14年働いていた中で、その間に出産も2回経験し、自分に合った働き方を考えるようになり、「自分の市場価値ってなんだろう?」と思いました。アパレル業界でたくさんの経験をさせて頂いてきましたが、コロナ禍になり直営店舗が苦しむ中で「どうやってお客様に届けたらいいのか?」を考える力がまだまだ足りないと気付いたんです。
そこで、これまでのスキルを活用しつつ、ECを軸にチャレンジしよう!と思いました。でも、私が求めるポジションはベンチャーが多くて働き方にマッチしなかったんです。そんな時に、いつも.にお声がけいただいたことがきっかけでした。
いつも.が次にやりたいビジネスモデルが、今後のEC業界のメインになると感じたんです。なぜかというと、アパレル業界はコロナ禍で縮小しているんですね。消費モチベーション自体が縮小していたり、お客様とのタッチポイントが少なくなって、さらに向こう側の商社やメーカーが苦しんでいます。間にくっついている代理店も苦戦して、川下がシュリンクすることで、そこに紐づく企業はどんどん縮小していくと感じました。
これからは自らオリジナル商品を作って販売していかなければいけない時代ですが、やはりメーカーは「作る」は得意だが「売る」に苦戦していました。それは私自身にも感じるところです。いつも.は「売る」に特化しているので、私もそのスキルが欲しいと思いました。これは大きな決め手になりましたね。
良いモノを作って海の向こう側に持っていけるのはECしかない
――いつも.がやりたかったことと、佃さんがやりたかったことが見事にマッチしたんですね。実際に今、いつも.でどんな仕事をしているのでしょうか?
企画開発のポジションがなかった中でのジョインでした。山下さん(ビジネスデベロップメントグループ グループマネージャー)を中心に、M&Aした事業の成長拡大のための企画開発を担当しています。そこでは、自社のオリジナルとなる開発をやっています。
――難しいと感じるポイントはありますか?
そもそも企画開発というポジションがなかったので、用語やスケジュール感のミスマッチング、商品開発の原本資料を作るところからのスタートでした。良くも悪くも、いつも.前面ガラス張りのオープンなオフィスなので、フィッティングも女子トイレで行ったりしていました(笑)
オフィス環境や備品など、これまでの当たり前が違うので、一からの管理体制・環境づくりが大変ですね。ですから、人材も積極的に募集中です!
――1からの立ち上げですが、その中でもやりがいを感じる瞬間はどんな時でしょう?
アパレルMD(マーチャンダイザー:商品の企画から販売まで取り仕切る重要なポジション)では、作らなくていいものもスタイリングのために作ることもあるんですね。例えば、レギンスは「もっと安く買える他店で買うだろう」と思いながらも、店頭でコーディネートするために作らなくてはいけない。でも、やっぱり売れないよね、とか。
お客様のためと思いながらも、「本当に生産は意味があるのか?」とミスマッチがあるなと思いました。「衣服ロス」という言葉もありますが、生活に本当に必要なもの以外はお客様に選ばれないと思ったんです。生活の中に入っていかないものは消費の対象ではないですし、生きることは消耗することなので、どんどん生活活動の中に入る企画を考えていかなければいけないなと改めて気づかされました。
今は、EC上での表現とクリエイションを繋げることは、毎日勉強になっています。スタイリングからではなく、ささげからの製作をしたりと、これまでと逆転の発想なので学びになりますし、やりがいになっていますね。
――今、担当している商品のジャンルとかを聞くことはできますか?
商品は本当に多種多様です。
その中でも私は、女性ならではのものを主に担当しています。SNSでアンケートを取って、データから潜在ニーズを見つけて商品を作っています。そこに本当にお客様が求めているものがあると思うから、探し続けています。楽しいですよ^^
――チーム全体の目標はありますか?
今はまだ言えないのですが、新しい試みを実行しています。
入社前の面談の際、坂本さん(社長)が「M&Aして、自社のオリジナルブランドを作っていく中で、そのブランドが新しいビジネスとしてどんどん広がって、最終的にいつも.が日本の経済の活性化に貢献していけたらいいと思うんだよね」と仰っていたんです。
良いモノを作って海の向こう側に持っていけるのはECしかないです。「日本の未来をECでつくる」というミッションと自分のやりたいことを紐づけて、ECのチカラで心を豊かにしていくという想いをクリエイティブのベースに置いて進めたいと思っています。
発表まで楽しみにしていてください^^
女性として、当たり前の働き方を叶える
――転職活動をしている中で大変だったことはありますか?
私の「佃」という苗字は旧姓なんです。これはアイデンティティでもあるので、どうしても「佃」で働きたかったんですが、転職活動中に「旧姓では働けません」と言われることが多かったんです。転職アドバイザーの方にも「登録や社会保険のやり取りが大変なので、新しい会社で旧姓で働くということは幅を狭めることになりますよ」と言われてしまいました。
時短も、旧姓も、女性が社会に進出していく中で当たり前の権利なのに、「特例」として扱われることに違和感を感じていたんです。その点、いつも.ではウェルカムだったんです。そういうことを「大丈夫ですよ」とサラっと受け入れてくれた環境だということも、入社の決め手の一つでした。
ですから、面談の時は現姓の「福田」でした。もちろん、坂本さん(社長)にも履歴書で「福田」で出していたんですが、入社後に会った時に「あ、佃さんやったな!」と言っていただけた時に、社長も理解の上で「佃」として採用してくれたんだ、と思いました。この潜在意識ってなかなか変えられないと思うので、差別心のないトップの思想がナチュラルに社内に浸透しているのはすごいことだなと思いました。
――時短については、どのように相談されたのですか?
採用担当の方に時短について聞いたのですが、すごく丁寧に相談にのってくださいました。「小学校一年だったら、きっとこういうことが起きるだろうから、こういう時間帯で働いてみたらどう?慣れたら、こういう働き方にしたらどう?それに対してお給料はこれでどう?」など、何回もプランを提案してくださって真摯な対応だなと思いました。
「社会が働き方に関して言っているからやるしかない」というスタンスではなく、そもそも気持ちを汲もうという姿勢が違うなと。
――その点は、いつも.は特に柔軟ですよね。
坂本さん自身もM&Aした事業について「従業員のみんなに知らせなあかんよ~!みんなに教えてあげてや~!」と話してくださるんですね。自分のやっていることに愛着とプライドを持っている姿勢が、この会社に入って本当に勉強になったし、良かったなと思います。
これまでもマネジメント経験などはあったので、そこまで転職は難しくないだろうと思っていたんですが、転職市場では、子持ちで時短の私は社会的弱者だったんです。女性として当たり前のように働くことを叶えられたので、この会社に出会えて本当に良かったと思っています。
キャリアプランのご相談も是非お問い合わせください
今回は、ビジネスデベロップメントグループの佃さんにお話を伺いました。
女性の働き方と転職の壁のお話はとても共感しました。変化の流れが早い時代、活躍する幅や方法が広がった反面、過去の経験やスキルはどんどんアップデートしていかないとすぐ淘汰されるようになりました。経験が豊富でも社会的弱者と言われてしまう転職市場で、自分らしく働ける場所をどのように作っていくのか、考えさせられるインタビューだったと思います。
いつも.では、D2C・ECに関する様々な働き方を推奨しています。業界経験のある方や一緒に組織を作っていきたいと思った方は、下記ページよりご相談くださいませ。当社キャリアアドバイザーによるキャリアプランの相談も可能です。
https://mid-career.itsumo365.co.jp/?_fsi=rvWUJp9s
最後までお読みいただき、ありがとうございました。