公開日:2015年7月1日

NO.2の重要性(人材育成)

今回は「人材」について取り上げたいと思います。
例えば、ネット販売の黎明期である2000年あたりに20代半ばでEC業界に携わった人がいたとして、今は40歳前後になっています。恐らく事業の成長とともにここまで業務を行ってきて、今改めて自身の今後について思いを巡らせている人が増えてきているのではないでしょうか。
事業が“のぼり調子”の時は、細かい組織管理よりも売れ筋の商品を投入し、多店舗展開をするといった側面が優先されました。実際、極端な場合ですと楽天市場店だけをしっかり運営していれば3億、5億、10億とどんどん売り上げを伸ばせた時代がありました。
しかし、以前のように前年比で30%増を維持するといったネット販売事業者は、今では少なくなりました。そうした中で、“マネジメント力”があるような人材を企業としても求め出しているというトレンドがあります。
果たして、今後EC業界の成長を担うような人材や組織とはどのようなものでしょうか。以下に私の考えをご説明していきます。

 

社長を現場業務から切り離せるかが拡大の鍵

ECを取り巻く状況を整理すると、従来からの紙媒体を中心に展開してきたいわゆる「通販」の会社があります。一方で、ネット販売、いわゆる「EC」で実績を積んできた企業もあります。
「通販」の畑にいる人々は、紙に加えて電話なども活用してこれまでやってきたという経緯があります。こういう方々はCRMなどには精通していますが、モール運営やリスティング、SEOといったネットならではのことには詳しくないという特徴があります。「EC」に携わる層の人は逆に、仮想モールなどで運用実績があるのが強みです。
今、「通販」系の企業は「EC」の領域にも踏み込んでいこうとしているわけですが、精通した人材がいないという状況です。逆に「EC」系もこれまで仮想モールを中心に事業を行ってきましたが、自社通販サイトや、さらにはオムニチャネルといった部分では、良い人材がいないという問題があります。
特に「EC」のモール運営でも、楽天市場、ヤフーショッピング、DeNAショッピング、ポンパレモール、自社といった形で複数の店舗を運営している場合、個別の店舗の担当者はいても、それらを束ねて舵とりができる人が、今は不足しています。
そういうポジションの人は、年商3億、5億の規模であれば「社長」が担当しているのだと思います。企業のトップが陣頭指揮をとるといった体制で年商10億くらいまでは拡大できます。よく言うのですが、小売業であれば仕入れや販促などの業務をトップから切り離せるかどうかが、その後30億や50億円にまで拡大できるかの分岐点になります。
その観点で各社の状況を見渡すと、トップが現場で陣頭指揮をとるのではなく社長業に専念している会社において好調に規模を拡大している企業には、上で挙げた仕入れや販促など全体の業務を俯瞰できる「番頭さん」のような人材をしっかりと抱えています。「EC」では各ショップの店長を束ねて、事業全体に目を光らせることができるような人です。
こうした人材はなかなかいませんが、実際に「番頭さん」を抱えている会社は確実に伸びます。「番頭さん」の業務内容は増えていて、店長育成・物流やシステム、商品開発、各ショップの在庫の配分・死筋把握、広告費の采配といった分野まで担っています。こういうポジションは小売業であれば、「エリアマネージャー」や「スーパーバイザー」などと呼ばれるのかもしれません。

事業拡大とともに必要になる組織体制
事業拡大とともに必要になる組織体制

※事業拡大とともに社長と店長間で全体の業務をとりしきるポストが重要になってくる

 

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