アマゾン、物流分野を中心に全米で12万5千人の従業員を新たに雇用
米Amazon(アマゾン)は、サービス提供拠点の拡大をはかっており、特に物流分野を中心にして、米国全土でさらに12万5千人のフルタイム・パートタイムの人材の採用を実施することを2021年9月14日に発表しました。米Amazonは従業員への福利厚生としての学費負担プログラムを発表したばかりです。米Amazonの思惑や狙いについてをあわせてお伝えします。
時給18ドル以上、契約時の33万円のボーナスも
新規採用について、物流分野(フルフィル、輸送)では、初任給が時給換算で平均18ドル以上(約2000円)、一部の地域では最高で22.50ドル(約2500円)となるということです。
また、フルタイムの従業員には、入社初日から包括的な福利厚生を提供します。健康保険、視力保険、歯科保険、会社が50%を負担する401k(確定拠出型年金)、最長20週間の有給育児休暇が与えられます。他のサービス業に比べて相対的に高い時給を提示するとともに、追加的な福利厚生を提供することでインセンティブを付与しています。
さらに、すでに採用が開始された一部の拠点では最大3,000ドル(約33万円)のサインオンボーナス(契約締結金)が用意されているということです。
米国では厳しいロックダウンを経て、日本よりいち早くワクチン接種を開始、経済の回復も急速に進んでいます。このような中で、全米の労働市場は逼迫しており、米Amazonはネット通販の需要が急増する年末商戦を見据えて、新たな人材を集め、物流強化をはかろうとしていると見られます。
従業員に学費を支給、人材育成で更なる成長の好循環へ
米Amazonは、キャリア・チョイス・プログラムとして、2025年までに総額12億ドル(約1300億円)を投じて、米国内の従業員の教育とスキルトレーニングを拡大する一環として、入社から3か月以上経過した現場で働く従業員を対象に、大学授業料を全額負担するプログラムを2022年1月から開始することを2021年9月9日に先立って公表していました。
EC需要拡大で波に乗るAmazonは、売上の拡大とともに、過酷な労働が批判されることもある物流倉庫での労働環境と待遇を改善することで、より多くの人材を獲得し、育成・定着させることで更なる成長への好循環へと向かうことを狙っていると言えるでしょう。
以上、デジタルシェルフ総研が最新の米国におけるAmazonの動向をお伝えしました。日本の一歩先行くEC大国アメリカの状況を今後もフォローしお送りしていきます。