【消費行動考察シリーズ】SNSの利用率とアクティブユーザー数の実態
ECにおいて自社のブランド・商品を効果的にアピールするために、SNSは切っても切り離せない存在であることは言うまでもありません。2025年6月にはTikTok Shopが始まり、ソーシャルコマースの盛り上がりも期待されます。そこで、SNSアプリ毎の年代別の利用率やこれまでの推移、アクティブユーザー数など、SNSの現在地についてデータを通じて確認しておきたいと思います。
SNSの利用率の推移:コロナ禍で急上昇しその後も右肩上がりが継続

はじめに、SNS全体の利用率について見てみましょう。次のグラフは2011年から2025年(予想)までの、SNSの利用率に関するアンケート調査の結果です。2011年はわずか37.6%でしたが、2025年は80.0%と予想されています。なお、当調査は6歳以上の全年代を対象としています。したがって20代~70代に限れば、利用率は90%を超えると想定されます。
注目点は2020年から2021年にかけてのコロナ禍における推移です。2019年は58.6%でしたが2020年には一気に70.2%と11.6ポイントも伸びました。その後も利用率は右肩上がりで上昇しており、SNSが国民の社会生活にとっていかに重要な情報インフラになっているかを知ることができます。
出所:総務省「通信利用動向調査」を基に作成 ※2025年は(株)デジタルコマース総合研究所予想
SNSアプリ別、年代別の利用率:LINEは全体で9割、YouTubeは8割

続いてSNSアプリ別、年代別の利用率について見てみましょう。次のグラフはLINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTok、YouTubeに関する、それぞれの年代別の利用率を示したものです。
特徴の1点目はLINEとYouTubeです。LINEは全年代で利用率が高くなっています。またLINEほどではありませんが、YouTubeの利用率も他のSNSアプリと比較すると各年代で高い値となっていることがわかります。
特徴の2点目はInstagramです。若者に人気というイメージがあるかもしれませんが、50代で52.7%と過半数を超えており、60代でも34.7%と決して低い値ではありません。利用率の点でInstagramはLINE、YouTubeに次ぐSNSアプリとなっていることが理解できます。
特徴の3点目はTikTokです。この中では最後発ながら、既にFacebookを6ポイント以上上回っています。年代別では20代で58.7%と高い利用率である一方、60代は18.8%、70代では8.7%と年代でかなりの差があることがわかります。中高年の利用率はまだ低いですが、伸び代を残しており、さらなる利用率の上昇が見込まれます。
出所:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成
SNSアプリ別利用率の経年推移:2024年はアクティブな利用姿勢がやや緩む

SNSアプリ別の利用率(20代~70代の合計)について、2019年から2024年までの推移を見てみましょう。LINEとYouTubeは高いレベルで推移しており、2019年時点で既にこの2つのSNSアプリが台頭していることがわかります。
しかし2024年を見ると、TikTokを除いて他の全てのSNSアプリが減少しています。調査対象となった回答者の属性にもよりますが、SNSの利用についてアクティブな姿勢がやや緩んでいるかもしれません。ECに大きな影響を与えるほどではありませんが、少し気になるところです。
なお、Facebookはこの中で唯一下降トレンドとなっており、反対にTikTokが上昇トレンドと好対照になっています。2025年にどのような推移を見せるのか注目されます。
出所:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成
SNSアプリ別利用率の経年推移:若者世代と高齢者世代で異なる傾向

SNS別の利用率の推移に関し、ここでは若者世代(20代)と高齢者世代(60代)での違いについてフォーカスしてみましょう。まず20代ですが、やはりLINEとYouTubeは高いレベルで推移しています。またX(旧Twitter)は2020年からほぼ横ばいであり、同様にInstagramも2021年から横ばい状態となっています。若者世代ではX(旧Twitter)とInstagramの利用率は、既にピークに達している可能性が考えられます。
一方で、TikTokが著しい右肩上がりとなっています。2019年にはわずか20.4%に過ぎませんでしたが、2024年には58.7%と、5年で約3倍の伸びです。若い世代の支持をいかに獲得しているかがわかります。
出所:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成
続いて60代です。20代とは明らかに異なり、全てのSNSアプリで利用率は伸びています。なかでもLINEとYouTubeの2強が目立ちます。2019年にそれぞれ67.9%、44.8%でしたが、2024年は91.1%、71.2%と両者ともに大幅な上昇です。高齢者世代ではLINEとYouTubeは当たり前となっているといってよいでしょう。SNSマーケティングにおいて、高齢者向けにはこの2つのSNSアプリの適性は高そうです。
その他のSNSアプリについても右肩上がりですが、なかでもInstagramが頭一つ抜き出ています。また高齢者世代ではTikTokはあまり利用されていないイメージが強いと思いますが、こうやって経年推移を見てみると、じわじわと上昇していることがわかります。
出所:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に作成
SNSアプリ別アクティブユーザー数:Instagramは5千万人、Xは4千万人がピークの目安に

ここで、各SNSアプリの利用率をもとに日本の人口を掛け合わせて、SNSアプリ毎の2024年12月時点の利用人口を算出してみました。これは利用率を基に算出した数値ですので、各アプリのダウンロード数やアカウント数ではなく、アクティブユーザー数と捉えることができます。
1人で複数のアカウントを所有するケースや法人がアカウントを所有するケースがあります。よってそれらとは一線を画す以下の数値は、純粋に「個人」によるアクティブユーザー数という点で、マーケティング戦略上参考性が高い数値であると考えます。
アクティブユーザー数の多い順にLINE、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、Facebookとなっています。ここでもやはりLINEとYouTubeの2強が目立ちます。LINEは既に8,319万人、YouTubeも7,299万人と相当な数となっており、国民的SNSアプリとなっていることがわかります。
Instagramは4,663万人です。利用率の点でややピーク感が見られますが、5千万人がひとつの目安かもしれません。同様にX(旧Twitter)は3,857万人ですので、4千万人がピークの目安と言えるでしょう。
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」および総務省統計局「人口推計」を基に作成
重複アクティブユーザー数:InstagramとX(旧Twitter)の組み合わせは2,875万人

最後に、異なるSNSアプリ間の重複アクティブユーザー数について見てみましょう。ここではInstagram、X(旧Twitter)、TikTokのうち、それぞれ2つの組み合わせの重複アクティブユーザー数に着目します。(株)デジタルコマース総合研究所が複数のデータリソースから推計した数値は、次の通りとなっています。
出所:(株)デジタルコマース総合研究所推計
SNSマーケティングでは、単一のSNSアプリではなく複数のSNSアプリをターゲットとして施策を展開するケースは多いと思います。単純に数の多さだけ追求するのであれば、2,875万人と最も多いInstagramとX(旧Twitter)の組み合わせが最善でしょう。
ただし、それぞれのSNSアプリには特性があり、自社ブランドや商品の特徴にあわせて最適なSNSアプリを選択していることと思われます。その際、対象となり得る最大のアクティブユーザー数について、この数値を参考にしていただければ幸いです。

