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EC担当者必読!国内EC市場のトレンドと対策

国内のEC市場は2019年から2020年にかけて大きく変化しました。そんな変化が目まぐるしいD2C・EC市場の中では、最新の国内EC市場のトレンドと今後の動向を押さえておくことが大切です。そこで今回は最新の国内EC市場のトレンドと動向についてまとめてご紹介します。

1)  国内のEC市場の現状

D2C・ECが一般消費者に広がりを見せてから約20年。
日本のEC市場は2019年まで安定した成長を続けていました。
経済産業省の「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した2020年においても、巣ごもり需要の急増により、激減したサービス分野を相殺することができました。
2020年の一般の消費者に向けたEC市場は19兆2,779億円となっています。

物販系分野のEC市場規模  :12兆2,333億円(前年比21.7%増)
サービス系分野のEC市場規模: 4兆5,832億円(前年比36.5%減)
デジタル系分野のEC市場規模: 2兆4,614億円(前年比14.9%増)

出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

2. ) 「スマホECが売上全体の50%越え!ますますスマホ対応必須に」

スマホの普及率上昇と巣ごもり需要の増加を受け、2020年の物販系のスマホECの比率は50.9%となりました。
直近三年間のスマホ経由の市場規模とスマホ比率(カッコ内)を見てみると、
2018年:3兆6,542億円(39.3%)
2019年:4兆2,618億円(42.4%)
2020年:6兆2,269億円(50.9%)
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)
上記の推移をたどっており、今後もより一層のスマホ対策が必要とされるでしょう。

また、従来のPCブラウザ用のECサイトだけでなく、今後はスマホアプリへの対応も必要となりそうです。スマホアプリは取引の際、消費者とのやり取りがしやすいことや、プッシュ通知でお知らせを届けることができるなど利便性が高いという特徴が挙げられます。

3. )「CtoC-EC(個人間取引)が急成長中!フリマアプリが主戦場に」

最近ではCtoC-EC(個人間取引)が急成長しています。『メルカリ』や『ラクマ』などをはじめとしたフリマアプリの市場規模は推定前年比12.5%増の1兆9,586億円。2017年が4,835億円だったので、たった4年で4倍以上の市場規模になりました。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

4. )「越境ECも目が離せない!アメリカ・中国で拡大続く」

日本から海外消費者へオンライン販売する越境ECも拡大中。アメリカ・中国向け合計の越境ECの市場規模はなんと2兆9,226億円(2020年時点)。日本、アメリカ、中国間の購入額ベースでは、日本が3,416億円であるのに対して、アメリカは1兆7,108億円、中国は4兆2,617億円。このことから、日本から多くの製品を購入していることが分かります。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

5. ) 支払い方法はカード払いが主流に。ただし、不正には要注意!

5-1.) 約8割がクレジットカード払いに

EC利用の際の支払い方法を利用率別でみてみると、クレジットカード決済79.7%、コンビニ支払い40.5%、代金引換25.2.%、銀行やATMでの振込24.6%という結果でした。支払い方法として、圧倒的にカード払いが多い状況です。背景として、セキュリティコードのみの入力であとはブラウザが記憶してくれているため、毎度入力の手間を省けること、購入までのリードタイムが代金引換やコンビニ支払いなどに比べて圧倒的に短いことが挙げられるでしょう。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)
総務省 通信利用動向調査

5-2.) 意識しておきたい、クレジットカード不正利用被害

クレジットカード払いは便利な一方で、不正利用による被害も増えていることを知っておきましょう。2020 年は 9 月までの統計で既に 178.5 億円となっており、そのまま推移すると仮定した場合、4 年連続での 200 億円を超えることになりそうです。一般社団法人日本クレジット協会が中心となって設立された「クレジット取引セキュリティ対策協議会」は、不正利用対策として、本人確認の徹底や複数段階での本人承認などを推奨しています。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

6. ) 「EC業界のトレンドマーケティング手法紹介」

6-1.) 第三者が商品をPRするインフルエンサーマーケティング

ブラウザでの検索ではなくSNSで商品の使い心地などを調べる、口コミを重視して商品選びをする消費者が多いため、インフルエンサーと呼ばれるフォロワーをたくさん抱えている芸能人や一般人に対して商品の使い心地やPRを行ってもらう方法を『インフルエンサーマーケティング』と呼びます。

Instagramでインフルエンサーが撮影した写真をタップすると商品名やブランド名が出てくることに気がついた人も多いのではないでしょうか。写真の商品をタップするだけでECサイトに遷移するなど、欲しいと思った時を逃さないマーケティングが行われています。

ちなみに、中国ではKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーが存在し、
ライブコマース形式で商品を紹介することで消費者の購買意欲を刺激します。この結果、2020 年時点でKOL 経由での EC 市場規模は約 3,000 億元(約5兆3,600億円)に達したとも言われています。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

6-2.) 日本でも取り入れ始められた「ライブコマース」

巣ごもり需要の増加は、日本での『ライブコマース』の拡大にも影響しました。ライブコマースとは、ライブ配信を行いながら商品を販売することを指します。特に、化粧品メーカー各社は対面接客ができない中で、D2C・EC販売を行う際、ライブコマース形式へ注力し、EC市場規模の拡大をさせようとしています。

7.) 送料の課題解決に店舗受け取り⁉

EC業界で問題視されているのが送料の値上げ。ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便が人手不足と荷物の増加を理由に送料の値上げを行ったことで、多くのEC事業者が送料無料を廃止するなど、大きな影響が出ています。
EC業界の伸びを見ると今後も荷物量が増えることは確実である一方、消費者からすると、少しでも送料は安く済ませたいという点が課題です。

この解決策の一つに、店舗受け取りが浸透し始めているそうです。
EC 購入商品の店舗受け取りは「BOPIS:Buy OnlinePick-up In Store」と言われ、消費者にとっては好きな時間に商品を受け取ることができる他、送料負担、返品のしやすさといったメリットがあります。
ただし、BOPIS は店舗スタッフに必要以上の負荷がかかることや、在庫の全社最適の中での店舗在庫の在り方など以前として留意する点も多くあります。
出典:「経済産業省・令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

まとめ

これからも成長が見込まれるEC市場のトレンドや対策についてまとめてご紹介しました。日本経済の中で大きく発展しているEC市場を、うまく伸ばしていくためにもぜひ役立ててみてください。

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