分析機能が強化された楽天市場、押さえるべき“ツボ”とは
今回は楽天市場の今年の注力ポイントについて取り上げます。2月末に行われた楽天市場のカンファレンスで発表された内容を踏まえ、楽天市場内の新たな機能の使い方や、それによってどういったことが可能になるかをご説明したいと思います。
近年は「分析」の機能が強化された
まずは機能のおさらいをしてみたいと思います。特徴としては「分析」が強化されたという点です。
以前からあった「店舗カルテ」という項目の機能が拡充され、アクセス、転換率、総売上などでデータを比較する機能が追加されました。それまで楽天市場では単月の数値しか見ることができませんでしたが、新機能によって昨年に比べてアクセスが伸びたとか、売り上げが増えたといったことが分かるようになりました。
サブジャンルのトップ10の伸びなども比較が可能です。そうすると、仮にサブジャンルのトップ10が20%伸びていて、売り上げが7%しか伸びていないのであれば、楽天市場の成長率に負けているということが分析できるわけです。
分析項目は多く、アクセス数や客単価、メルマガの配信量、PV、広告費などによってそれぞれ対前月や対前年で比較しやすくなりました。日次でも比較できるので、去年の「スーパーセール」の期間の売り上げを瞬時に比べることが可能です。PC・モバイル・スマホといったデバイス別でも数値を見ることができるので便利です。
しかし、この機能は知らない店舗さんも多く、あまり使われていません。以前のように毎月売り上げが120%で伸長していくということはなかなか難しいのが現状ですから、こうしたツールをうまく活用して頂くと、細かく分析して伸び悩みの原因を見つけることができるのではないかと思います。
アクセスした顧客属性の把握が可能に
このほかにも「アクセス分析」では、商品ページランキングの機能が増えて、分かりやすくなりました。
以前は売り上げと回遊性しか分からなかったのですが、今はページごとの顧客属性を把握することが可能になりました。これは楽天会員ベースの属性ですが、性別・年齢・地域・会員ランクなどが分かるので、その商品をどういった人が見に来ているかを把握することができます。
この機能の活用の仕方が分からないという声もありますが、これはページを改善する際に使います。例えば女性向けに商品を打ち出していても、見ている人は男性が多いという場合もあります。あるいは「卒業記念品」という商品群を販売している際に、実際にサイトを見ているのはその親にあたる40代の方々ですが、ページは中高生向けのデザインになっているということもあります。そうしたズレを見極めてページの改善につなげることができるわけです。年配のユーザーが多いということが分かれば、ページ内の文字を大きくするなどの手を打つという具合です。
そして広告を使う時にも活用が可能です。つまり、今までは「アクセスがあったかどうか」「売れたかどうか」という2つの軸でしか判断できなかったのですが、今後は「狙った属性が訪問したかどうか」という軸でも判断することができます。ターゲット層は事前に決まっているので、想定したユーザー層に効果があったかどうかを判断する材料になります。
このように顧客属性を見ることができるようになり、より細かくページについて分析することが可能になりました。今まで見えていなかったものについて、楽天側でも公開を進めつつあるので、より改善がしやすくなりました。今は楽天市場の店舗さんは広告費を投じれば右肩上がりに伸びていくという時代ではなくなってきているので、どこに予算を投じて、どこを削るかの取捨選択が大事になったように思います。
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