公開日:2023年1月23日

楽天SKUプロジェクトと各ECサイト担当者の対応方法についてわかりやすく解説

2023年4月より順次開始される「楽天SKUプロジェクト」をご存知でしょうか?

今回は「そもそもSKUとは何か」という説明から、楽天SKUプロジェクトによって変わる検索結果上の表示、RMS上で必要となる対応を紹介していきます。

特に「商品属性登録」の部分はSEOに大きく関わる部分になると予想されていますので、事業規模にかかわらず全ての店舗様が対応する必要があります。

※当記事は2023年1月時点の情報を基に制作しています。記事閲覧のタイミングによっては情報が古くなっている可能性がありますのでご了承ください。

柔軟な対応が可能となるSKUプロジェクトとは


楽天SKUプロジェクトとは、楽天市場の商品登録単位が従来の「アイテム単位」から「SKU単位」に変更されるプロジェクトのことを指します。

これまでの楽天市場では、あるTシャツを販売する場合、サイズやカラーバリエーションごとに販売価格を変更したくても価格が1つしか登録できない仕様上、店舗の在庫状況に応じた柔軟な販売設定ができないデメリットを抱えていました。

また、同一商品の場合でも、例えば6本入り・12本入り・24本入りなどで別々の商品ページを作成する必要があり、店舗担当者への負担や、商品を閲覧するユーザーにとっても1つの商品ページでそれぞれのサイズを選べない不自由さがありました。

今回の楽天SKUプロジェクトは、このような「アイテム単位登録」のデメリットを克服するために「SKU:在庫管理における最小の管理単位」を用いた商品登録を採用します。

商品がサイズ・カラーバリエーションなどの違いで1つずつ登録できるようになると、楽天市場での購買体験も大きく変化することが期待されています。

そもそもSKUとは

そもそもSKU(Stock keeping Unit)とは、一般的に受発注や在庫管理を行う時の「最小の管理単位」のことを指す用語です。

例えばTシャツで、カラーが4色あり、サイズがS・M・L・LLの4種類ある場合、SKUを用いた数え方では「16SKU」となります。

Sサイズのブラックで「1SKU」、Sサイズのホワイトで「1SKU」といった具合です。

SKUプロジェクトのメリット

楽天SKUプロジェクトによって、楽天市場の店舗運営担当者とユーザーはそれぞれ以下のようなメリットを享受できます。

  • 価格違いの同じ商品を比較しやすくなる
  • 楽天市場内の検索結果を改善し、目的の商品がより見つけやすくなる
  • UIの統一化

それぞれ詳しく解説します。

価格違いの同じ商品を比較しやすくなる

これまでの楽天市場では、商品ごとに異なる価格を設定した場合、同じ商品であっても商品統合ができないため、別ページに移動する必要がありました。

しかし、SKUプロジェクト移行後は、別ページに移動することなく同じ商品ページ内で商品情報を閲覧できるようになります。

楽天市場内の検索結果を改善し、目的の商品がより見つけやすくなる

楽天SKUプロジェクトで商品登録がSKU単位になると、商品ページ上の表示バリエーションが増えるだけでなく、検索結果上のSKUバリエーションも表示されるようになります。

したがって、楽天市場で検索を行ったユーザーは、検索結果上で目的の商品をピンポイントで見つけやすくなります。

SKUプロジェクト実装後は、検索結果上の商品画像や商品価格はSKUごとに表示されるため、例えば「Tシャツ 白」と検索した場合、SKU内の該当する商品画像(白色のTシャツ)が表示されるため、ユーザーは検索結果画面上で目的の商品をより探しやすくなります。

UIの統一化

2023年3月に商品ページの一部でUIデザインの変更が行われます。

新デザインを事前にご確認いただけるよう、プレビュー機能が2022年11月15日(火)から2023年3月まで提供されます。

また、PC版楽天市場の商品ページの「商品情報」エリアのカスタマイズ設定の提供が終了となるため、SKUプロジェクトに合わせて変更されるUIも確認しておきましょう。

SKUプロジェクトのデメリット

一方でSKUプロジェクトにはデメリットも複数存在します。

  • 統合するページはレビュー以外の評価が引き継がれない
  • 「PC版楽天市場の商品ページの「商品情報」エリアのカスタマイズ設定の提供が終了」することにより、お気に入りボタンカスタマイズの廃止が決定
  • SKUプロジェクトに対応するために設定の工数がかかる

楽天市場の中で「タグ」を指す名称(タグID)から「商品属性」に変わります。

従来のタグIDの設定は選択式でしたが、商品属性では多くの部分が記述式に変更となり、SKU単位で対応が必要になるため、かなり対応工数が発生すると考えてください。

楽天市場上での変更点


楽天SKUプロジェクトにおける楽天市場上での変更点を下記にまとめました。

同商品の価格違いを1ページで並べて表示
1つのページでそれぞれの価格を並べて見せることができるようになります。

楽天サーチ上でのバリエーション表現
楽天SKUプロジェクトによって、楽天サーチ上の見え方が変わってきます。例えば「枚数」や「量」などがサーチの検索結果上で表示されるようになります。

ユーザーは検索結果画面上で商品に対する様々な情報を得られるため、より効率良く目的の商品を探せるメリットを享受できます。

楽天サーチ上でSKU画像・単価の表示
以前までは項目選択肢別在庫表に設定していた画像は表示されませんでしたが、SKU移行後はSKU単位の画像が検索結果に表示されるようになります。

例えばこれまでは「16SKUのTシャツ」であっても、サムネイル画像(商品画像(1))はページが統合されていても検索結果上に表示されるのは1枚でしたが、楽天SKUプロジェクト実装後は「Tシャツ×ブラック」「Tシャツ×ホワイト」といった各SKUごとの商品画像が検索結果上に表示されます。

管理しているSKUの数が多ければ多いほど、設定する商品画像も増加するため、新たに準備する場合などはしっかり対策しておきましょう。

RMS上での変更点


続いて楽天SKUプロジェクトにおけるRMS上での変更点について紹介していきます。

  • 商品登録(編集)ページが変更される
  • バリエーション設定の幅が広がる
  • タグIDの設定方法が変更される
  • 「SKU画像」の登録及び、商品画像ガイドラインの適用拡大

それぞれ詳しく解説します。

商品登録(編集)ページが変更される

楽天SKUプロジェクトによって、RMSの「項目選択肢別在庫」は消えて「バリエーション設定」という名称に変更されます。

変更後は、カラーや量、オプションなどの設定ができ、価格違いの登録も個別に設定ができるようになります。

バリエーション設定の幅が広がる

従来の設定では「服」であればサイズとカラーなどが設定できましたが、今後は着丈などもSKUのバリエーション設定に含めることができます。

例えば「ゴルフクラブ」であれば、左利き・右利きなどもSKUのバリエーションとして設定できるようになります。

タグIDの設定方法が変更される

「タグID」がなくなり、「実際の値を入力する商品属性」というものに変更になります。

商品スペックに沿って様々な商品の特徴を示す値を入れていく必要があるため、1つずつ対応する手間と労力がかかります。

工数こそかかりますが、他店舗の商品との差別化を図る部分にもなるため、店舗様ごとに効率化できる部分を整理しながら変更点に対応していくとよいでしょう。

「SKU画像」の登録及び、商品画像ガイドラインの適用拡大

楽天SKUプロジェクトで「SKU単位の画像登録」が必要になることによって、従来のサムネイル画像(商品画像(1))に適用されていた商品画像ガイドラインがSKU数に応じて拡大されます。

改めて商品画像(1)に適用されている商品画像ガイドラインの内容に目を通し、SKU画像として登録しようとしている画像素材がガイドラインに準じているかどうか、チェックしておきましょう。

楽天SKUプロジェクトの移行スケジュールについて

楽天SKUプロジェクトの移行は、店舗様によって異なります。

開始時期としては2023年4月で、移行の対象を全店舗様として順次移行が開始されます。

RMS上で「お知らせ」を開くと、自店舗の移行期間に関するメッセージを確認できるため、未確認の店舗様は早めに確認することをおすすめします。

【必見】各店舗様が対応すべき施策をご紹介


楽天SKUプロジェクトに際して、各店舗様が対応すべき施策をいくつかピックアップしました。

  • SKU管理番号をダウンロードし、事前に準備をしておく
  • 商品属性の漏れのないように登録する
  • 統合予定のページを精査する
  • ページ統合後は販売実績など引き継がれないものがある
  • 受注管理システムやページ編集ツール等を調整する

それぞれ詳しく解説します。

SKU管理番号をダウンロードし、事前に準備をしておく

まずは楽天SKUプロジェクトに対応する準備として、SKU管理番号をダウンロードしておきましょう。

SKU管理番号が分からなければ、「どの商品に、どのSKU管理番号が紐付くのか」が分からないため、作業ができなくなります。

下記の施策をチェックする前に、まずはSKU管理番号のダウンロードから行ってください。

商品属性の漏れのないように登録する

「商品属性」は実際の値を文字で入力する部分になります(従来は選択式)。着丈などのサイズは1センチ単位で登録が必要です。

楽天市場の商品がSKU単位で登録され、商品属性を細かく入力できるようになると、検索キーワードに応じて表示される検索結果が大きく変わる可能性があります。

商品属性の情報・値は、キーワード検索やサジェスト検索、絞込検索などの参照先として使用されるため、SEO評価を上げるためにも細かく設定しておくことが重要です。

統合予定のページを精査する

1ページに集約する場合、残った商品ページは「削除」もしくは「倉庫指定」になります。

統合するページは店舗判断になりますが、後述するように、販売実績や購入実績、購入履歴、お気に入り履歴は統合後のページには引き継がれないため、元ページは削除しないことをおすすめします。

ページ統合後は販売実績など引き継がれないものがある

統合するページはレビュー以外引き継がれないため、どのページを残すかが重要になります。

商品ページごとの販売実績や、SKUごとの商品属性登録のしやすさなどを整理し、SEOの観点も考慮して残すべきページを決めましょう。

SKUプロジェクトに対応する際の注意点


SKUプロジェクトに対応する際の注意点は下記の3つです。

  • 移行スケジュールを把握した上で取り組む
  • ページ統合によるデメリットを理解する
  • 受注管理システムやページ編集ツールを調整する

それぞれ詳しく解説します。

移行スケジュールを把握した上で取り組む

先ほど説明した「店舗様ごとの移行スケジュール」について、スケジュール調整が難しく、「変更申請が必要」と判断した場合は、別途変更申請を行う必要があります。

楽天市場から店舗様への通達はRMSのお知らせ配信にて行われるため、確認漏れがないよう注意してください。

受注管理システムやページ編集ツールを調整する

外部の受注管理システムやページ編集ツールを使用している場合は、外部システムやツールも楽天SKUプロジェクトの変更に対応させる必要があります。

各ツールの提供元が、楽天SKUプロジェクトに対してどのような対応を取っていくのか、機能変更はいつあるのか、といった情報を確認しておきましょう。

まとめ

楽天SKUプロジェクトとは、商品ページ単位で商品データを保存する従来の楽天市場の仕様から、SKU単位で商品データを保存する仕様に変更するプロジェクトです。

ユーザーが商品を探しやすくする」のがSKUプロジェクトの目的であるため、様々な改良が施された新しい楽天市場ではユーザーの活発な購買行動が期待できます。

一方で楽天市場に店舗を構えるEC事業者様には「商品属性登録」や「ページ統合」など、様々な対応が必要になってきます。

統合する商品がない店舗様でも、商品属性の入力は必要になりますので、どの店舗様もスケジュール感を把握し、しっかりと対応していきましょう。

楽天専門チーム
株式会社いつもが誇る楽天専門チームが、楽天における最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

楽天専門チームは、楽天専門のマーケティングセンターとして、全国の楽天運営企業から大手メーカー、楽天受賞店まで豊富な実績を有しています。
また現在の楽天の動向や今後の動きなどを常に把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、国内での最新事例から、今後起こるであろう楽天の仕様変更での対応策まで、幅広くお伝えします。

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楽天SKUプロジェクトに関するよくある質問

 

そもそもSKUとは、何ですか?
SKUとは、「Stock keeping Unit」の略称で一般的に受発注や在庫管理を行う時の「最小の管理単位」のことを指す用語です。
楽天SKUプロジェクトによってどんな変化がありますか?
従来の商品ページ単位で商品データを保存する仕様から、SKU単位で商品データを保存する仕様に変更されます。詳細は、本記事をご覧ください。
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