スポンサーTV広告とは?メリットや配信手順~おすすめの活用シーンを解説

スポンサーTV広告とは?メリットや配信手順~おすすめの活用シーンを解説

Amazonで利用できるスポンサー広告はこれまで3種類でしたが、2024年11月に4種類目となるスポンサーTV広告がリリースされました。

スポンサーTV広告では、ストリーミングサービスに対して動画広告を出稿可能です。

しかし、リリースされてから時間が経っておらず、「詳しい使い方がわからない」「効果が不透明」と検討段階の方も多いでしょう。

そこで本記事では、AmazonのスポンサーTV広告の概要やメリット・活用シーンまで詳しく解説します。

企業でマーケティングを担当されている方、特にAmazonやTwitchを利用した広告運用に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

※閲覧時期により本記事でご紹介の情報は変更・更新されている場合がございます。

AmazonのスポンサーTV広告とは?


AmazonのスポンサーTV広告では、Amazon独自のストリーミングサービスや提携他社のサードパーティチャネルに対して動画広告を配信できます。

2024年の11月より日本でも利用できるようになったばかりの、新しいAmazon広告です。

TV広告という名前が表す通り、家庭内の一番大きな画面であるTVに広告を配信でき、インパクトも大きいです。

下記では、スポンサーTV広告の掲載枠や、利用できるクリエイティブの種類についてみていきましょう。

スポンサーTV広告の掲載枠

スポンサーTV広告の掲載枠には、Amazon Prime VideoやTwitch・Freeveeなどがありますが、現状日本ではTwitchの掲載枠のみ利用可能です。※2025年3月24日現在

参考:Amazon Publisher Directのサードパーティチャネル

Amazonは世界最大規模のECサイトとして知られており、Amazonの会員サービスである「Prime」の米国会員は1億8,000万人と日本の人口よりも多いです。

参考元:Bloomberg「アマゾン、「プライム」米会員数が過去最高更新-前年比8%贈」
Primeに登録すればPrime Videoを利用できるため、日本でも多くの利用者がいると考えられます。

またTwitchは、2023年配信者トップ10に日本人ストリーマーがランクインするなど、日本での人気が伸びてきているサービスです。

スポンサーTV広告では、これらのAmazon独自のストリーミングサービス以外にも、実にさまざまなチャネルの掲載枠に広告を配信できます。

広告クリエイティブの種類

スポンサーTV広告で利用できる広告クリエイティブは動画のみです。

動画クリエイティブの仕様要件をまとめました。

参考元:Amazon「スポンサーTV広告の仕様要件

スポンサーTV広告は、クリックできない掲載枠に配信される可能性があるため、「詳細はこちら」などのクリック誘導要素は配置できません。

しかし、インタラクティブエクスペリエンスの対象であるため、要件を満たす場合にはAmazon側でエクスペリエンスを追加して広告が配信されます。

【インタラクティブエクスペリエンスの例】
・埋め込みQRコード:コールトゥアクション(CTA)付きのQRコードが追加
・クリック可能な広告:広告にCTAを掲載
・リモートインタラクティブ広告:インタラクティブオーバーレイが追加

参考:Amazon「インタラクティブエクスペリエンス

スポンサーTV広告のメリット


スポンサーTV広告のメリットは、下記の3点です。

  • 幅広いリーチとブランド認知の向上
  • 柔軟な予算設定
  • ブランドの認知向上と販売促進を実現

それぞれ詳しくみていきましょう。

幅広いリーチとブランド認知の向上

スポンサーTV広告を利用することで、幅広い層にリーチできブランド認知の向上が期待できます。

Amazonは世界最大規模のECサイトに加え、Prime Video、Twitch、Freeveeなどのストリーミングを保有しており、膨大なデータを活用したターゲティングが可能です。

従来のテレビCMのように幅広い層にリーチするだけでなく、オーディエンスをカスタマイズした上でリーチすることもできるため、ブランドの認知向上にも効果的です。

またTV広告という特性上、視覚・聴覚をフルに活用する形で広告を配信できるため、記憶に残りやすくブランドの印象を強く残せます。

柔軟な予算設定

2つ目のメリットとして、予算を柔軟に設定できる点が挙げられます。

スポンサーTV広告はすべてCPM(インプレッション1,000件あたりの単価)課金方式を採用しており、最低予算も設定されていません。

そのため、低額からでも広告を配信できます。

予算の設定方法も柔軟性が高く、1日の予算を選択する方式ですが、これはいつでも変更が可能です。

Amazonの広告管理ツールでは、インプレッションや商品詳細ページの閲覧数などのデータをリアルタイムで分析できるため、効果を測定しながら予算設定ができる点も大きなメリットでしょう。

ブランドの認知向上と販売促進を実現

AmazonのスポンサーTV広告は、単なるブランド認知だけでなく、販売促進が実現できる点も大きなメリットです。

AmazonのECサイトと関連しているため、広告を見たユーザーがそのままAmazonで商品を検索・購入しやすく、従来のTV広告よりも強い販売促進効果が期待できます。

スポンサーディスプレイ・ブランド・プロダクト広告と連携することで、スポンサーTV広告でブランド認知を獲得し、ECサイト上での販売を促進する戦略を取ることも可能です。

スポンサーTV広告の配信手順


スポンサーTV広告を配信する際は、下記の手順で進めていきましょう。

1.Amazon Adsに登録する
2.「キャンペーンを作成する」→「スポンサーTV広告」を選択する
3.キャンペーンの名称・日付・予算を決定する
4.広告のランディングページ・ターゲティング・入札額を決定する
5.動画をアップロードする
6.広告審査を行う

全6ステップを、それぞれ解説します。

Amazon Adsに登録する

スポンサーTV広告を利用するためには、Amazon Ads(Amazon広告)に登録している必要があります。

出品者(セラーセントラル)アカウントを持っている場合には、「大口出品」の出品形態であることを確認し、Amazon広告アカウントを作成しましょう。

出典元:Amazon広告

「広告を開始する」から、必要な情報を入力することで登録できます。

「キャンペーンを作成する」→「スポンサーTV広告」を選択する

Amazon広告のアカウントが作成できたら、ログインした上で下記の手順でスポンサーTV広告を選択しましょう。

1.「スポンサー広告」
2.「キャンペーンマネージャー」
3.「キャンペーンを作成する」
4.「Sponsored TV」

キャンペーンの名称・日付・予算を決定する

Sponsored TVを選択後、キャンペーン名・日付・予算を決定しましょう。

  • キャンペーン名:管理画面に表示される名称
  • 日付:配信開始日・終了日
  • 予算:1日の予算

スポンサーTV広告はCPM課金方式で、1日の予算が消化されると自動的に配信がストップします。

設定当初は少額からはじめ、運用していく中で最適な予算を決定していく流れがおすすめです。

広告のランディングページ・ターゲティング・入札額を決定する

続いて、ランディングページ・ターゲティング・入札額を決定しましょう。

  • ランディングページ:掲載したい商品・ブランドページを設定
  • ターゲティング:配信対象にしたいオーディエンスを設定
  • 入札額:1,000回のインプレッションに対してかけていい費用を設定

ターゲティングにおけるオーディエンスは、最初から絞ることはせず3〜5つ設定し、それぞれのパフォーマンスを計測することがおすすめです。

動画をアップロードする

これらの設定が完了したら、動画をアップロードしましょう。

動画クリエイティブの制作経験がない方でも、Amazon広告の管理画面から「動画ビルダー」というクリエイティブツールを利用して簡単に動画を作成できます。

広告審査を行う

最後に広告審査を受けましょう。

「審査に提出する」ボタンで設定は完了し、Amazon側での審査に問題がなければ、広告の配信が開始されます。

スポンサーTV広告のおすすめ活用シーン


スポンサーTV広告のおすすめ活用シーンを4つピックアップしました。

  • 新商品・サービスの認知度向上
  • ターゲット層への効率的なリーチ
  • Amazonでの販売促進
  • 季節イベントやプロモーションとの連携

それぞれ解説します。

新商品・サービスの認知度向上

スポンサーTV広告は、映像と音声を活用して商品やサービスの特長を伝えられるため、新商品・サービスの認知度向上に適しています。

ストリーミングサービスを経由することで、視聴コンテンツなどから正確なターゲティングを行い、ピンポイントで広告を配信可能です。

例えば、新発売のガジェットならゲーム配信の視聴者に向けて、使用シーンをデモ動画で紹介するなど。

視聴者が商品に興味を持ちやすく、記憶しやすい環境で広告を流すことで、従来のデジタル広告よりも印象に残りやすくなるでしょう。

ターゲット層への効率的なリーチ

Amazonの購買データや視聴データを活用することで、精度の高いターゲティングが可能なため、無駄な費用を削減しながら効率的にリーチできます。

例えば、ベビー用品なら過去におむつや哺乳瓶を購入したユーザーへ、スポーツ用品ならフィットネス関連商品の購入履歴があるユーザーに配信可能です。

従来のTV広告と異なり、ターゲット層の反応をリアルタイムで分析し、効果が高い層へ予算を集中させることができるのも大きなメリットでしょう。

ターゲット層に効率的にリーチできるよう、オーディエンスの最適化を繰り返しましょう。

Amazonでの販売促進

Amazon上の販売を促進したい場合にも、スポンサーTV広告の活用がおすすめです。

スポンサーTV広告を見た後にAmazonで商品検索をしやすく、購入に至る確率が高まるため、特にECサイトと相性抜群です。

また、スポンサープロダクト広告やディスプレイ広告を併用すれば、一度興味を持ったユーザーに繰り返しアプローチでき、コンバージョン率を向上させられます。

季節イベントやプロモーションとの連携

スポンサーTV広告は、季節イベントやプロモーションと連携して活用することもおすすめです。

例えば、Amazonのプライムデーやブラックフライデーなどの大型セールと組み合わせることで、事前にブランド認知を高め、セール当日に売上最大化を狙えます。

具体的には、プライムデーの2週間前から広告配信を開始し、セール当日にスムーズに購入できる流れを作るなど。

イベントと広告を上手く連携させることで、短期間で大きな売上を生み出せる可能性が高まるでしょう。

スポンサーTV広告配信時の注意点


スポンサーTV広告を配信する時には、必ず広告ポリシーを遵守しましょう。

広告ポリシーのポイントを3つの観点からまとめました。

1. ブランドの認知度の確保
・ブランドロゴとブランド名を動画で明確に表示(ピクセル化やぼやけを防ぐ)
・ロゴは視認性を確保しながらも、高圧的にならない配置
(画面の左上隅または左下隅、セーフエリア内)

2. 動画と音声の品質要件
・画質の低い動画、不鮮明な映像、解像度の低いコンテンツはNG
・字幕や画面上のテキストに誤字・文法ミスがあるとNG
・音質が悪い、聞き取りにくい、低音、不明瞭な音声はNG

3. その他の注意点
・動画に最初から最後まで一貫したストーリーを持たせ、唐突に開始・終了しない
・「Amazonで提供中」やロゴ付きのエンドカードを追加することが推奨
・広告内の主張は虚偽のないものにする
(例:誇張表現、医学的・科学的な証拠がない主張は禁止)
・制限付きコンテンツ(健康・ヘルスケアなど)は、特定のガイドラインを遵守
・地域ごとの規制・法律にも従う必要あり

参考:Amazon「広告ポリシー

これらの広告ポリシーを遵守して、審査がスムーズに進むように準備を進めましょう。

スポンサーTV広告で成果を出すポイント


スポンサーTV広告で成果を出すポイントを2つ解説します。

  • 各種エンゲージメント指標を参考にキャンペーンを最適化する
  • 他のAmazon広告と併用する

それぞれみていきましょう。

各種エンゲージメント指標を参考にキャンペーンを最適化する

スポンサーTV広告は従来のTV広告と異なり、各種エンゲージメント指標を取得できるため、広告効果を参考にしながら最適化しましょう。

スポンサーTV広告で利用できるエンゲージメント指標は以下の通りです。

  • インプレッション:スキップ不可の動画広告が配信された回数
  • ブランド検索:広告後のブランド名の検索数
  • ブランド新規顧客指標:初回購入者の注文・売上割合を確認し、新規顧客獲得への影響を評価
  • 商品詳細ページの閲覧数:広告を見た視聴者がAmazon内の商品ページを訪れた回数を測定

例えば、インプレッションに対してブランド検索数が低い場合には、オーディエンスの変更・動画内でのブランド名での露出強化などの施策が考えられます。

広告配信の設定だけでなく、クリエイティブの内容も最適化しましょう。

他のAmazon広告と併用する

スポンサーTV広告は主にブランド認知の向上に強みがありますが、単体では購買に結びつかない可能性もあります。

他のAmazon広告と併用して、認知から購買までの導線を強化することがおすすめです。

・スポンサーディスプレイ広告
スポンサーTV広告を見た視聴者にディスプレイ広告でリターゲティング
Amazon内だけでなく外部サイトでも、広告を見た人に商品を再アピール

・スポンサープロダクト広告
Amazonでの検索時に商品を表示し、購入を後押し
広告を見て検索したユーザーに、購入を促す導線を作る

スポンサーTV広告で興味を引き、他の広告で購入へと導く流れを作ることが重要です。

まとめ

AmazonのスポンサーTV広告は、2024年11月にリリースされた新しい動画広告で、日本ではTwitchに広告を配信可能です。※2025年3月24日現在

Amazonのデータを活用した精度の高いターゲティングが特長で、ブランド認知向上や販売促進に効果的です。

エンゲージメント指標を活用して最適化を繰り返し、スポンサープロダクト・ディスプレイ・ブランド広告と併用して購入までの導線を設計しましょう。

Amazon専門チーム
Amazon専門チーム
  
株式会社いつもが誇るAmazon専門チームが、Amazonにおける最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

Amazon専門チームは、Amazon専門のマーケティングセンターとして、全国のAmazon運営企業から大手メーカーまで豊富な実績を有しています。Amazon社内の担当者と都度打合せを行っており、現在のAmazonの動向や今後の動きなどを把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、米国での最新事例から、今後日本でも起こるであろうAmazonでの対応策まで、幅広くお伝えします。

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AmazonのスポンサーTV広告に関するよくある質問

 

スポンサーTV広告は誰でも利用できますか?
Amazonの広告アカウントを保有している方であれば、誰でも利用可能です。
スポンサーTV広告とストリーミングTV広告の違いは何ですか?
ストリーミングTV広告では、スポンサーTV広告では対応していないオーディエンス、在庫、管理機能へのアクセスが可能です。
また、スポンサーTV広告に最低出稿料金はありませんが、ストリーミングTV広告では1キャンペーンあたり最低50,000ドル必要です。
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