EC運営において重要な2つのキーワード「多チャネル展開」「バックヤードの自動化」
今後、モールをすべて活用し、さらに売上を伸ばす動きが加速
今回はEC運営において重要となる2つのキーワードを
お伝えしたいと思います。
(1)「自社ブランドサイト・モールの多チャネル展開」
(2)「ECバックヤードの自動化」
これら2つのキーワードについて、詳しく解説していきます。
まず1つ目は、「自社ブランドサイト・モールの多チャネル展開」です。
日本のECの中で半分を占めるほどになった「モール」を全部活用して、さらに売上を伸ばしシェアを高めようとする動きが今後活発に。
すでに3兆円規模の楽天市場と、それに追随するAmazon、ソフトバンク連携で高成長を維持するYahoo!ショッピングという主要モールすべてに出店するだけでなく、それぞれのモール内での販促手段も最大限に活用してシェアを高める動きが活発化するでしょう。
特にメーカー系企業やPB商品を持つ企業が、集客力の高いモールで商品を消費者に売る「モールのDtoCモデル」が増え、多くのユーザーが購入の参考にする「モール内のレビュー」を大量に持つための取り組みも重要視されるでしょう。
ファッションではすでに3000億円規模のZOZOTOWN、KDDIと連携したWowma!(ワウマ)、eBayとの合併で注目を集めるQoo10、リクルートが運営に関わるポンパレモールといった、成長モールを活用する動きも勢いが増しています。
物流を「自動化」することが、利益を増やすためには重要
2つ目は、「ECバックヤードの自動化」です。
すでに日本のEC売上上位400社の戦略を見ると、自社ECサイトとモールを含めて複数チャネルを展開する「EC多チャネル運営」を行っている企業が70%程度となっており、EC業務の効率化が利益を増やす上で重要なテーマとなっています。
各チャネルで業務を見直し、できるだけ人が介在しない「自動化」の比率を高める動きが活発化しています。
送料値上げの流れもあり、注文を受けてから出荷までの、配送業者にバトンタッチするまでの業務をいかに自動化できるかがポイントです。
Amazonやヨドバシカメラの「自動化率」は95%を超えているといわれていますので、最低でも自動化率80%を超える取り組みが必要となってきます。
多くの企業にはこれまで築いてきた物流体制があって簡単には効率化できないケースもあり、まるごと外部企業に委託するという動きも活発になっています。
日本の小売りにかかわるすべての企業が、ECに直接かかわり、「ECで新規の顧客を奪い合う」という状況が顕在化しようとしています。
このような大きく変動するマーケットで勝者になるためには、戦略を立て戦術を駆使していくことが必須となるでしょう。