これからはメーカー直販EC ダイレクト・トゥ・コンシューマーが世界トレンドになる

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みなさまこんにちは。株式会社いつも. ECコンサルタント立川です。

中国・米国・日本と世界的にECが躍進を続ける中、小売店舗の相次ぐ閉鎖や新たなビジネスモデルの誕生など、既にECは世界のビジネスにダイレクトに影響を与えるようになっています。

目次
1.ブランドメーカ−のEC参入のきっかけ
(1)大手ブランド企業がスタートアップを買収
(2)メーカー直販で定期購入型のビジネスモデル
(3)ダラーシェイブクラブが行ったダイレクトコンシューマーモデル
(4)ユニリーバが1,000億円を投じた理由
(5)定期購入ビジネス サブスクリプションボックス
〈1〉消耗型サブスクリプション
〈2〉サプライズ型サブスクリプション
(6)DtoC(D2C)の台頭で小売業界の地図が塗り替わる

2.アパレルDtoC(D2C)のスタートアップ企業事例
(1)子供服を販売する『ROCKETS OF AWESOME』
(2)DtoC(D2C)の鍵は動画を活用したコンテンツマーケティング
(3)DtoC(D2C)の製造拠点
(4)DtoC(D2C)の実店舗出店

3.DtoC(D2C)の成功ポイント分析
(1)DtoC(D2C)の成功ファクター 『製品』
〈1〉一つの製品モデルのみを提供するマットレスEC キャスパー
〈2〉2年間で100万人の顧客を集めたカミソリのサブスクリプション ハリーズ
〈3〉OPEN6ヶ月で売上1億円を達成したD2Cのパイオニア ボノボス
〈4〉シンプルなワンモデル・ノンジャンルのスニーカーEC オールバード
(2)DtoC(D2C)の成功ファクター 『ソーシャル』
〈1〉ハリウッドの人脈を活用したSNSでの情報発信 キャスパー
〈2〉1週間で10万人のEメールを集めたプレオープンキャンペーン ハリーズ
〈3〉夢の洗顔と題した創業初期のブログに、コメント400件 グロシアー

4.ブランドメーカーは楽天とアマゾンどちらで販売をするべきか
(1)棲み分けが進む日本の2大ECモール
(2)意外と商品選択肢の少ないアマゾン
(3)商品数と価格帯の広い楽天
(4)アマゾンで購入に至らなかった理由
(5)価格帯の違う商材で棲み分けが明確に
(6)ページ情報量の違いで商材に向き不向きがある
(7)楽天は明確に接客重視の戦略へ

 

1.ブランドメーカ−のEC参入のきっかけ
(1)大手ブランド企業がスタートアップを買収

そんな中、先日大きな話題となったのが米国にあるメンズカミソリのメーカー「ダラーシェイブクラブ」(以降DSC)の買収です。

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既に成熟しきっていたと言って良いメンズカミソリという業界では、2012年からスタートしたDSCは後発のメーカーですが、特徴的なECの展開を行い、300万人の会員を抱え、年間の売上は約200億円。そして、そのDSCを世界的一般消費財メーカーのユニリーバが、1,000億円という巨額を投じて買収したのです。

しかし、DSCが販売しているカミソリは、特に画期的な機能を持っている訳でもなく、むしろ非常にシンプルなカミソリです。そんなメーカー商品がなぜ年間200億円もの売上をたて、1,000億円もの価値が付いたのでしょうか。
その秘密が、今後世界のトレンドになると言われているメーカー直販EC『DtoC(D2C)(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)』なのです。

(2)メーカー直販で定期購入型のビジネスモデル

大きな価値を産み出すことに成功したDSCのビジネスモデルは、会員を募り、定期購入に繋げるサブスクリプション型のビジネスモデルで、会員は予め選択しておいたカミソリやシェービングクリームなどが定期的に届くようになります。

髭剃り用品に1ヶ月で使う平均的な金額はジレットなど大手メーカー品で約20$と言われていますが、DSCは月1$からという驚異的な価格で一気に会員を獲得していきます。

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そもそも月に20$も掛かることが特殊な状態で、4枚刃や5枚刃といった過剰なまでに高機能な商品が世の中を占めていました。
その背景には、カミソリ自体が100年以上も前から既に完成された商品であることが影響しています。各社どれも同じような商品で差別化が非常に難しいため、切れ味や安全性などを過剰なまでに訴え、宣伝合戦を行うようになっていきます。
それでも、メンズカミソリ毎日使う日用品として一度使って貰えれば、長く購入し続けてくれるLTV(ライフタイムバリュー)の高い、利益の取れる商材であるため、TV広告などに何千億もの巨額を投じて激しいシェア争いを続けてきたのです。
商品での差別化が図れないため、巨額を投じた宣伝合戦が始まると資本力のない新規参入企業はとても太刀打ちできず、代表的な企業だけが戦いを続ける寡占状態が続くことになります。

カミソリの他にもシャンプーやオムツといった商品も同様です。機能そのものに大きな違いはありませんが、様々な角度から広告を大々的に行い、それでも利益の取れる商材というものが存在します。シャンプーなどは原価3%~5%ほどしか掛かっておらず、広告に依存しなければ非常に儲かる商材なのです。
しかし、広告を無くすのは難しく、商品を流通させるためには実店舗の棚を取る必要があります。テレビなどで大々的に宣伝を行い一定以上の認知度がなければ、商品を店舗に並べてもらうことすら出来なかったのです。
この異常とさえ思える状態が長く続き、カミソリ・オムツ・シャンプーといったジャンルは常に広告費ランキングの上位に名前を連ねており、とても新規参入などできない状態でした。そんな中、突然登場したDSCは、まさに業界に風穴を空けます。

(3)ダラーシェイブクラブが行ったダイレクトコンシューマーモデル

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毎月300万人もの会員から安定した収入が見込めるようになったDSC。彼らがとった戦略はこれまでご紹介してきたカミソリメーカーが行ってきたことの逆を巧みについていきます。
カミソリそのものの機能は徹底して単機能に、製造も中国で行っています。広告もソーシャルとYouTubeのみで行い、カミソリの価格を月1$~という低価格を実現。多くの支持を獲得しました。
とがった内容で話題を呼んだYouTubeの動画制作費はわずか50万円、その動画が2日で1.2万件の受注を生みます。その話題はソーシャルですぐに口コミを生み出し、売上が確定する300万人もの会員獲得に繋げていきます。
商材の特性として、一度購入すると長く購入してもらえる商品であることに加え、定期購入型とすることで、1年間の売上が見込めるため投資もしやすくなります。直接メーカーからお客様に商品を届けるため、棚取りのための営業マンも必要なく、莫大な広告費をかける必要もありません。
このようなメーカー直販型のビジネスモデルをDtoC(D2C)(Direct To Consumer)と言い、世界的なトレンドとなっています。

(4)ユニリーバが1,000億円を投じた理由

成熟しきってしまっていると考えられていたカミソリという寡占状態のビジネスに、新規参入メーカーが風穴を空ける事に成功したDtoC(D2C)モデル。確かにそのインパクトは大きなものがありましたが、世界的に成功を収めているユニリーバが、わざわざ1,000億円の巨費を投じた理由はどこにあったのでしょうか。そのポイントはいくつかあります。
・新たなブランド価値
・300万人のリピート客
・ダイレクトな流通チャネルの確保
そもそもユニリーバがメンズカミソリという商材を持っていなかったことも大きな理由の一つです。メンズカミソリは非常に儲かる利益の出る商材であるため参入の機会を伺っていたと考えられます。
その中でもDSCは、普通の多機能カミソリはかっこ悪いという、『とがった切り口』でブランド開拓を行ってきました。価格は安く、しかも格好良いイメージを持っているのです。
DSCは、ECならではのユーザー体験も秀逸で、送付されてくる箱や手紙にも趣向を凝らし、カミソリの刃を支える本体のデザインを自由に変えられるようになっています。これは、従来の流通チャネルでは実現の難しかった考え方です。
また、300万人の会員によるダイレクトチャネルによる安定収入は、リアルの小売店舗が縮小傾向にある現在、アマゾン一極へと向かう小売業界にあって非常に魅力的な流通チャネルの確保にも繋がります。
ただでさえ縮小しているリアル店舗、その棚取り合戦は熾烈を極めます。しかし、時代の流れを見れば米国で進化しているデジタルマーケティングとソーシャルの分野を活かさない手はありません。メーカーがダイレクトに顧客にリーチできれば棚取りのための営業マンを一切取り払うことができ、スリムな経営を行うことが可能になるのです。
ECとソーシャルの掛け合わせ。まさにこれがD2Cの本質と言えるでしょう。

(5)定期購入ビジネス サブスクリプションボックス

DSCのように定期購入型で消費者がメーカーから直接商品を買うという流れは、今後世界のトレンドになってくると言われています。毎月や毎年と言った単位でお金を支払うことで、商品の入った箱が届くサービスをサブスクリプションボックスと呼び、その定期購入タイプにも大きく分けて2つのタイプがあります。

〈1〉消耗型サブスクリプション

カミソリやシャンプーといった、ドラッグストアで売っているような日用品が定期的に贈られてくるタイプで、価格競争には晒されるものの、一度購入してもらえれば長く購入してもらえるため、安定感が魅力です。日本のECでは特に新規を取り続けなくてはいけなく、ある程度広告を打ち続け、目新しい企画などを投入し続ける必要があります。定期購入型であれば一度獲得してしまえばリピートへ繋げるための施策は必要ないため、サブスクリプションへ移行する動きが世界でトレンドになっています。

〈2〉サプライズ型サブスクリプション

消耗型と違い、毎回入っているものが違うのが特徴で、ソムリエが厳選したワインや、世界のチョコレート、スタイリストやAIが選んだ服やコスメなど、毎回届くのが楽しみになるエンターテイメント性のあるサブスクリプションボックスです。服やコスメなどは不要であれば返品可能にするなど消費者にとっては楽しみながら、販売側にとっては様々な商品を手に取り、気に入って頂けるチャンスを作ることができる新しいビジネスモデルとなっています。
AIの発達で数多くある商品の中からどのような物が気に入って貰えるか自動で選び取ることができるため、顧客が増加しても無理なくビジネスチャンスを広げることが出来るという訳です。

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他にもD2Cが成功している背景には様々なビジネスモデルの掛け合わせがあります。その代表的なものがクラウドファンディングとシェアリングエコノミーです。

クラウドファンディングは、新製品の開発などに出資を募って販売するモデルで、日本ではマクアケ、世界ではキックスターターなどが有名です。
メーカーからすれば、売れるかどうかわからない商品は開発リスクが常に伴いますが、ファンディングを使うことによって開発前から興味のある顧客にリーチしながら、プロモーション費用を抑えて開発資金を手にすることができるため、今後画期的な商品が数多く生まれてくるきっかけともなるでしょう。
こだわりの商品や、アイディア次第で数千万円といった資金が普通に集まるため、メーカーとの相性は抜群と言えます。

そしてシェアリングエコノミー。車をシェアするカーシェアリングや高額なブランドバッグ・ドレスなど、使用機会が比較的少ないものを低価格で利用できるようにしたサービスです。これは、単に利用機会を与えるだけでなく、利用者の裾野を広げてリーチできる対象を拡大することにも繋がります。メーカーとしてはこちらも相性が良く、一度使ってもらって気に入れば購入にも繋げる事が出来るため、売上を立てながら商品を宣伝できるDtoC(D2C)ならではの効果を得る事ができます。
DtoC(D2C)であれば商品を顧客にメーカーから直接送ることができるため、卸も店舗もそこで働く人も必要ありません。とても効率の良いDtoC(D2C)モデルは米国では既にいくつものモデルが存在します。いつも.調べだけでも140社以上存在しているため、いずれ皆様にもシェアしたいと思います。

(6)DtoC(D2C)の台頭で小売業界の地図が塗り替わる

ここまでご紹介してきたように、DtoC(D2C)のコアはソーシャル・サブスクリプション・クラウドファンディング・シェアリングエコノミーを掛け合わせて効率的なビジネスを実現しています。このまま低コストで安定的な収入を得られるメーカー直販が隆盛してくると、厳しくなってくるのがリアル店舗を主軸としてきた小売です。メーカーであり小売でもあるアマゾンも直販に興味を示しています。メーカーにとってはチャンスであり、リアルに依存している小売は厳しい時代がやってこようとしています。

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今、旧来通り莫大な投資を行って大規模な生産体制とマス広告を支配してきたメーカーとリアル小売店は、メーカーであり小売でもあるアマゾンを筆頭にECに押され始めており、小売店舗は次々と閉鎖に追い込まれています。
同時に商品が流通するチャネルは減少の一途を辿っており、メーカーは直接お客様とビジネスができるようになります。そして、製造革命を背景に、次々とDtoC(D2C)へと参入せざるを得なくなっていくでしょう。
このような流れの中では、実店舗連携を主としたオムニチャネル戦略は一瞬の過渡期の話であり、オムニチャネルから得られるメリットだけでは、あっという間に競争に置いていかれてしまいます。

2.アパレルDtoC(D2C)のスタートアップ企業事例
(1)子供服を販売する『ROCKETS OF AWESOME』

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次に紹介するのは、子供服を販売する『ROCKETS OF AWESOME』です。

このショップは眼鏡のEC通販で有名なWARBYPARKERを運営している経営者の夫人が立ち上げたECで、夫婦揃って米国ECのトレンドを走っていることでも注目を浴びました。

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ROCKETS OF AWESOMEは、子供服の定期購入で、子供が着る服にこだわりを持つ親向けに、予め行われるアンケート結果を元に、子供のサイズや好みに合わせた商品が年に4回定期的に届くパーソナライズ型サブスクリプションモデルのD2Cです。
好みと季節に合わせたコーディネートが一式揃ったBOXが自宅に届き、気に入らなかったものは着払いで返送できるため、自宅にいながら各シーズン毎のオススメ商品を購入することができます。
そのROCKETS OF AWESOMEが、創業からわずか半年という短期間で23億円を調達するほどに注目を集めたのです。このようなDtoC(D2C)モデルは、米国のみならず世界のECを次のステージに押し上げる原動力となっています。

しかし、DtoC(D2C)はなぜこれほどまでに注目を浴びているのでしょうか。

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DtoC(D2C)は、従来のように小売や卸がメーカーから商品を仕入れて消費者に販売するのではなく、メーカー側が企画・製造を行った商品を卸や小売を介さず、直接消費者に販売までを行います。
この卸・小売店舗を排した流通経路の違いが、メーカーに新たなビジネスを生み出しているのです。

これまでの小売形態では、メーカーが販売を行おうとすると、商品認知度アップのために莫大な広告費を投入したり、実店舗の棚取りのために、大規模な営業人員を投入してリアルチャネルを開拓していく必要がありました。製造面でも、在庫リスクの問題が残るため、急激に拡大させることができず、どうしてもゆっくりと右肩上がりに規模を拡大させる必要がありました。

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しかしこのメーカーの歯がゆさを、新たなビジネスモデルであるD2Cと、Instagram・Twitter・Facebook・You Tubeなどのソーシャルが解決したのです。

(2)DtoC(D2C)の鍵は動画を活用したコンテンツマーケティング

ソーシャルが現れ、その力を上手く活用することで、メーカー側が直接消費者とのチャネルを大幅に広げることが可能になりました。その上、サブスクリプションモデルであれば毎月の注文数も自社で把握することができるため、メーカー側が在庫リスクを背負うことなく、一気に売上を拡大することが可能な時代となったのです。
そんなソーシャルを上手く活用するためには、コンテンツマーケティングが欠かせません。これまで、WEBを介した情報は、テキストベースから始まり写真へ。そして現在は、FacebookやInstagramでも動画を優先して表示するアルゴリズムとなっているため動画を使ったコンテンツマーケティングは必須となっているのです。

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そんなソーシャルを活用したコンテンツマーケティングで、「Unboxing」という言葉があります。Unboxingとは、商品が家に届いてから、箱を開けて使うところまでを動画にして公開したものを指し、米国でも非常に人気が高く、よくシェアされている動画のジャンルとなっています。
この動画をインフルエンサーにお金を払ってやってもらうパターンや、動画で紹介してくれたらクーポンを配布して口コミを増やすなど、UnBoxingの動画で情報の拡散を促しているのです。

このようなソーシャルの活用は中国でも同様で、特に中国では広告に対する信頼が低いため、口コミを広げることができるインフルエンサーを非常に信頼しており、ソーシャルの存在がより大きくなっています。
ECでは、特に新商品など実際に届く商品がどのようなものなのか多かれ少なかれ不安を抱えているため、このような動画を通じて信頼できるインフルエンサーからの太鼓判を得ると、安心して購入できるという訳です。

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インフルエンサーへの支援依頼は近年急増しており、その背景には、テレビ離れが進み、ソーシャルが良く見られること、そしてデジタルネイティブ世代の認識も、これまでのハイブランドが格好良いという認識から変化しており、ソーシャルで人気があるものや「インスタ映え」するものなどが実際に売れているのです。
今後も動画を使ったコンテンツマーケティングは重要な手法となるので、絶対に押さえておいた方が良いでしょう。

(3)DtoC(D2C)の製造拠点

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DtoC(D2C)を支える製造方法も大きく変化を起こしています。3DプリンターやCADツールの技術が進歩し、安価で製造を行うことができるようになったことも大きな変化です。さらに、米国では中国の製造についてのセミナーが非常に人気で、米国企業が中国深センの工場で製造を行うことがトレンドとなり、サプライチェーンが出来上がっています。
上海で行われる展示会には米国からビジネスマンが殺到しており、OEM・ODMのパートナーを探しているのです。これまでの中国は『安いものを作る場所』というイメージがありましたが、今は昔より値は張るものの、完成度の高いものを作れる製造拠点として活用されているのです。
いつも.では、米国・中国双方の情報をウォッチしてきましたが、このような流れは今までになかった動きです。品質の良いものを作るために中国で製造を行い、安価で作りたいものはASEANで作る。これが世界の製造トレンドとなっているのです。

(4)DtoC(D2C)の実店舗出店

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他にも、D2Cを軸に販売チャネルにも変化が起きています。D2Cを行っているメーカーは、実店舗を持っていないところが多いのですが、オンラインショップを出店した後に実店舗を持つ企業が増えてきています。その店舗のモデルは以上のような、在庫を持たない店舗を展開しているのです。
このような店舗で特に有名なのが、いつも.が4年前からリサーチしている、D2CのパイオニアであるメンズアパレルのBONOBOS。店舗出店以来、店員がユーザーの好みに合わせた接客をすることにこだわっています。

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通常の小売店舗では、不特定多数の来店客に対してこのような個別対応を行うことは難しく、本人に関係のないものまで勧めてしまうのですが、BONOBOSでは2年ほど前からタブレットを持たせた接客と、CRMシステムの導入でオンラインECと同じ体験を実店舗でも提供しているのです。

キーワードは『パーソナライズ』で、オムニチャネルという言葉は既に古いものとなってしまいました。オムニチャネルは、リアルの店舗がいかにECを活用するかという視点で行われてきました。しかし、すでにユーザー店舗にわざわざ足を運ぶということを選択しなくなっているため、今後はECがリアルチャネルを活用するという視点が主流になっていくでしょう。

3. D2Cの成功ポイント分析(1).D2Cの成功ファクター 『製品』

米国D2Cで成功しているメーカーには、いくつかの成功ファクターがあります。その中1つが『製品』ですいくつかの事例を元にご紹介しましょう。

〈1〉一つの製品モデルのみを提供するマットレスEC キャスパー

Casper ― casper.com
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商材:マットレス 創業:2014年
ベッドが寝具の中心となる米国のマットレス市場は1,6兆円規模と日本に比べてもかなり大きく、数や種類も膨大なマーケットです。消費者にとってもその膨大な選択肢の中から良い商品を比較検討することが難しくなっており、それが業界にとっての一つのハードルとなっていました。
そんな中、2014年に創業したCasperは、マットレス市場が巨大な米国にあって、『一つのモデル』のみを提供するという特徴的な製品戦略を展開しており、価格も手頃で、配達は配送業者を挟まず、直接消費者に届けています。
Casperは。睡眠そのものを研究し、寝方や姿勢の研究から、良い睡眠を得るために理想的なモデルを1つ作り上げたというストーリーで販売。
ユーザーにとってたくさんの商品から選ぶ必要がなく、比較検討のストレスが減ることを意識して商品展開を行っています。

マットレス業界では、製品を1つに絞るという販売戦略は少なく、選ぶのが大変というユーザーの問題を解決することで多くの支持を集めました。
また、実際に購入してみて合わなければ返品にも対応しているため、安心感があることも選ばれている理由と言えるでしょう。

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〈2〉2年間で100万人の顧客を集めたカミソリのサブスクリプション ハリーズ

HARRY’S ― harrys.com
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商材:カミソリ(サブスクリプションモデル) 創業:2011年
カミソリは、既存の大手メーカーであるGilletteなどを中心に、価格が下がらないようにするための戦略として、実に多くの技術がアップグレードされている商材です。
しかし、カミソリというシンプルな商材に対して、過剰なまでの技術合戦が行われているため、実際に店舗に出向き、自分にマッチする刃を探したり、どの商品が良いのか店員に聞いたりという作業は面倒でフラストレーションが溜まるものになってしまいました。
また、本体と替刃が合わないこともあり、どれが同一のものかわからないなど、ユーザーにとって煩わしさを感じるという問題もありました。こうした業界が抱える課題を逆手にとって、シンプルにしたのがHARRY’Sです。

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HARRY’Sは、
・よく切れるカミソリ
・安い替刃
・自宅まで直接配送

というこだわりを実践、これがユーザーに支持され、年間200億円の売上になっています。

〈3〉OPEN6ヶ月で売上1億円を達成したD2Cのパイオニア ボノボス

BONOBOS ― bonobos.com
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商材:メンズアパレル 創業:2007年
D2Cを始めたのも早く、非常に有名なメンズアパレルの会社ですが、OPEN6ヶ月で1億円の売上に達したD2Cのパイオニア的なECショップがBONOBOSです。
そもそも男性は、商品を買いに行くことそのものを面倒臭いと感じており、また自分にフィットするズボンをうまく選べないという前提が市場にありました。
さらにBONOBOSは、徹底的に対象となるメンズユーザーのリサーチを行い、ヨーロッパのパンツはアメリカ人に合わないということがわかったため、綿のチノパンでストレッチ性のあるストレートフィットモデルを発売。

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他にも、トップスとボトムスの組み合わせを考えるのが難しいと感じるユーザーが多いため、どの商品を組み合わせてもかっこいい『ワンペア』というテーマを目指して商品展開を行っており、いずれも多くのユーザーを獲得することに成功しています。

〈4〉シンプルなワンモデル・ノンジャンルのスニーカーEC オールバード

allbirds ― allbirds.com
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商材:スニーカー 創業:2014年
一つのスニーカーメーカーでも、例えばNiKEでは13種類のスニーカー・681アイテムを展開するなど、選択肢の幅は広く、非常に成熟した市場と言えますが、allbirdsは、1モデル・ノンジャンルのスニーカーを目指しており、ECオープン前のスタートアップ期となる2010年に17億円の資金調達を行うなど大きな注目を集めています。

(2).D2Cの成功ファクター 『ソーシャル』

米国D2C企業のマーケティング戦略は、ソーシャルを活用した、「短期間でたくさんに認知、そして安く」がポイントです。

〈1〉ハリウッドの人脈を活用したSNSでの情報発信 キャスパー

Casper ― casper.com
『製品』の際にもご紹介したマットレスD2CのCasperでは、NYとLAに絞って地下鉄の広告ジャックなどのテストマーケティングを展開するなど、いくつかの広告を実践しています。
しかし、特徴的なのは『ハリウッドの人脈』を活用し、InstagramやTwitterからインフルエンサーによる情報発信を積極的に行い、多くのフォロワーを獲得している点です。

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〈2〉1週間で10万人のEメールを集めたプレオープンキャンペーン ハリーズ

HARRY’S ― harrys.com
創業メンバーの一人が、メガネのD2C で有名なWarby Parkerの創業メンバーでもある同社のキャンペーンでは、友人紹介キャンペーンを実施。

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図のように、紹介人数に合わせて商品が貰えるキャンペーンを販売開始前に実施し、プレオープンの1週間で一挙に10万人分のメールアドレスを獲得することに成功しています。

〈3〉夢の洗顔と題した創業初期のブログに、コメント400件 グロシアー

Glossier. ―glossier.com
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商材:メイクアップコスメ 創業:2010年
セレブに話題で人気を獲得し続け、今では150万人のブログ読者を集めるGlossier.は、創業時、最初に販売した『Milky Jelly Cleanser』が話題を博したメイクアップコスメのD2Cです。
商品発売時に「夢の洗顔」と題してブログをアップしたところ、創業時にも関わらず400件ものコメントが集まり、大きな話題を獲得することに成功しています。

4.ブランドメーカーは楽天とアマゾンどちらで販売をするべきか

日本のECを黎明期から牽引してきた楽天とアマゾン。日本の2大ECとして常に比較の対象とされている2社ですが、その特徴は大きく異なります。
そしてブランドメーカーがECで販売をする上で、この2社の強みを正確に理解することは、今後のEC運営を大きく左右する重要な事柄です。そこで今回は、楽天とアマゾンの違いと今後について具体例を交えてご紹介しましょう。

(1)棲み分けが進む日本の2大ECモール

楽天は主にファッションや食品が強く、ショップや店長に顧客・ファンが付くなど、接客重視の実店舗に似た形態、逆にアマゾンは家電製品などの型番商品が強く、デリバリーなどを武器に、気軽に安い商品を購入することに特徴があります。

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(2)意外と商品選択肢の少ないアマゾン

先日、3万円くらいのマットレスを購入するために検索したときに、普段使い慣れているアマゾンから「マットレス」を検索してみたのですが、安いものしか見つからず、またどの商品が良いのか全然わからなかったのです。

本来であれば1万円~10万円くらいまであるはずのマットレスが、アマゾンでは安いものしか発見できず、商品ページを開いても商品の仕様しか書いていないため、価格とサイズ等の条件の他には商品の良し悪しが判断できず、比べようが無かったのです。

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(3)商品数と価格帯の広い楽天

そこで楽天で改めて価格を絞って検索してみたところ、丁度希望に合う魅力的なマットレスが沢山出てきて、どれにするか迷うほどでした。

【楽天】では商品ページも長く、しっかりと説明がされているため
・商品の特徴
・配送などの確認
・どんな店舗なのか
と言った多くの事柄が確認でき、3~4万円の商品を納得して購入することができました。

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(4)アマゾンで購入に至らなかった理由

【アマゾン】では
・高額商品や初めて購入する商品は説明が欲しい
・どういうお店が販売しているか知りたい
・レビューだけではわからない
・早く届く必要がない
アマゾンでは店舗情報もなくページ情報もリッチではないため、高額商品を購入するには向いていない状態となっているのです。
一方、楽天では10万円~20万円といった高額商品を売っている店舗も多く、高いものがバンバン売れるマーケットも存在しているのです。

(5)価格帯の違う商材で棲み分けが明確に

高額商品の他にも、友人への出産祝いを探していた際、同様にアマゾンから探し始めたのですが、やはり決め手となるような商品を見つけることができませんでした。
良さそうな商品を見つけても、どうもしっくりこない感覚で、贈り物となるとやはり相手に喜んで欲しいという気持ちが強くあるため、商品の魅力を知りたいという欲求が強くなり、ユニークなものをアマゾンから見つける事が難しかったのです。
その後、マットレスの時と同様、楽天で価格帯を選択して検索すると、すぐにめぼしい商品をいくつも見つけることができ、購入に至ることができました。
ギフト商材は自分が使うものではなく、相手があるものなので、不安も大きくなります。そのため商品ページで得られる情報から、『相手に喜んで欲しい』というニーズを満たす必要があるため、信頼できる店舗で、商品説明もしっかり入っている必要があり、どうしてもアマゾンでは難しくなってしまうのです。

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楽天とアマゾンを比べて見ると商品の価格帯が低いところはアマゾンが強く、価格の高いところは楽天が強くなっています。

(6)ページ情報量の違いで商材に向き不向きがある

また、ギフト商材なども情報がリッチな楽天が強く、自分用に購入するもので一般的に普及しているものはアマゾンが多くなっており、その特性をしっかりと理解しておく必要があります。
以下に楽天とアマゾンの主な違いをまとめておきましょう。

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(7)楽天は明確に接客重視の戦略へ

このような接客重視による楽天の戦略は正しく、先に行われた楽天のカンファレンスでも、更に接客を重視するためにチャットに力を入れると言う発表もありました。
楽天はキーワードを「Shopping is Entertainment!」としており、自販機型のアマゾンとは明確な差別化を行っていることが分かります。

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中国や米国の事例から日本ECの未来を考えると、マーケットは圧倒的にBtoBからBtoCとなっていきます。そして検索よりソーシャルが重視され、ライブコマースにも注目が集まるでしょう。

このような流れは大きなトレンドとなり、ECの店舗はどんどん強くなります。楽天はアマゾンを意識して自動化や効率化を追い求めるのではなく、このままさらに強みを活かすべきでしょう。実店舗の小売時代からECが台頭し始め接客が手薄になる時代がありましたが、今後は再び接客に回帰していくでしょう。

一方、アマゾンは一般的に普及している商品が多く、米国アマゾンを見ても、スーパーマーケットやチェーン小売、ディスカウントストアの置き換えを行っており、特徴的な店舗や接客を必要とする店舗は見当たりません。

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楽天を見ると、いつも.のクライアントでもある化粧品大手のSK-II様が楽天に出店していますが、接客を重視し、ファン客を作ることのできる楽天は、ブランドメーカーにとっては非常に大きなチャンスがあり、今後大きなトレンドとなっていくでしょう。

▼当社のDtoCモデル支援サービス概要
http://itsumo365.co.jp/service/unnei/uneidaikou.html

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