公開日:2019年4月4日

楽天市場で通年商品にも広告出稿すべき理由

楽天では通年商品も広告出稿しましょう

楽天市場の売上改善に悩むEC事業者の中には、季節商品と通年商品のどちらに注力すればよいのか、分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言うと「どちらも対策しましょう」となるのですが、実は通年商品の側にEC店舗売上の改善を図る大きな鍵が隠されています。

今回は優先度が下がりやすい通年商品をいかに対策し、EC店舗の売上に繋げていくのかについて、楽天市場を例にとって紹介していきます。

楽天市場におけるシーズン(季節)商品と通年商品の違い

楽天市場におけるシーズン(季節)商品と通年商品の違いは、主に下記の2つに分かれます。

季節商品は「ある特定の時期」に需要が増す商品であり、実需のタイミングより1~2ヶ月前に商品が売れるのが一般的です。

したがって、年間を通じた売上推移を見た時に、季節商品は特定の時期に売上の波を作り、それ以外の月は売上が極端に下がる傾向にあります。

そうした特徴を持つ季節商品を、楽天市場では「いかに早く売るか」がポイントになってきます。

なぜなら、競合商品と同じタイミングで出品していては、日々増える競合に顧客を取られかねないからです。

競合よりも先に商品を出品し、広告などを使って囲い込むことが、季節商品と通年商品の売り方の違いといえます。

一方の通年商品は、季節商品のようにシーズンごとの需要がないため、売上の波を作るのが難しいのが実情です。

しかし、楽天市場の年間セールや定期開催のセールに積極的に出品していくことで、自店舗の看板商品として売れ行きを伸ばし続けるポテンシャルを秘めています。

例えば、年中売れる「スニーカー」などは、広告やセールの効果的な活用によって、毎月安定して売れる商品に成長させることが可能で、売れている店舗様ではレビュー数が1,000件を超えている商品も存在します。

通年商品には季節需要こそないものの、それを味方につければ年中売れる看板商品に変わるポテンシャルを持っていると覚えておきましょう。

シーズン(季節)商品の特徴

季節商品とは、特定の時期・季節に需要が増す商品のことを指しており、「季節需要」と呼ばれることもあります。

季節商品の特徴は何といっても、季節によって需要(売上)の増減が現れることです。

例えば、秋から冬にかけて需要が増す「こたつ」は季節商品の代表格であり、日本各地で冬を迎える前(秋口)から徐々に売れ始めます。

楽天市場やAmazonなどのECプラットフォームが発達する前は、ユーザーは自宅や職場から近い近所の家電量販店で購入するのが一般的でした。

そのため、本格的に冬が始まる1ヶ月前、およそ「10~11月にこたつが家電量販店に並び、売れていく」という流れが出来ていたのです。

しかし、昨今はスマートフォンユーザーが増え、誰でも手軽に楽天市場やAmazonなどのECプラットフォームを通じて商品を購入できるようになったことから、こたつのような季節商品の売れ方も変化してきています。

例えば、こたつはリアル店舗であれば10月頃から売れ始めるのが一般的ですが、ECサイトでは8月上旬から売れ始めるのが分かっています。

8月上旬というと、まだ全国的に猛暑日が続き、寒い冬を越えるためのこたつは縁遠いように感じますが、山間部や北海道地域などは、9月中旬頃にはこたつを使い始め、10月には本稼働するのが通例です。

したがって、一部のユーザーにとって、リアル店舗の商品は「常に1シーズンずれている」と感じることもあり、全国的に商品を届けてくれるECサイトの存在が重宝されます。

このように季節商品とは一言でいっても、「リアル店舗における季節商品」と、楽天市場のような「ECサイトにおける季節商品」は、売れ方や需要の期間に違いが出るのです。

通年商品の特徴

通年商品とは、文字通り「1年を通じて売れる商品」を意味しています。

季節商品のように、特定の時期に需要が増すことなく、1年通じて購入されるのが特徴です。

ただし解釈を変えれば、通年商品は「季節に影響されて特段需要が高まることもないため、売り方を工夫しなければ全く売れない」といった事態に陥りやすくなります。

通年商品はある意味、季節商品よりも「売り上げの波」を作るのが難しいため、多くのEC事業者が売上改善に悩むポイントになっています。

しかし忘れてはいけないのが、通年商品のポテンシャルです。

通年商品は季節需要がないため、売り方によっては年間を通して大きく売上を作れる可能性があり、季節商品に頼りすぎることなくECサイト運営を健全なものへと変化させていきます。

よく「複数の季節商品を取り扱って、その季節ごとに売上を作れば良いのではないか?」といった意見も寄せられますが、「EC店舗の競合数が増えてきた中で、季節商品だけで勝負するのはリスクが高い」という答えになります。

つまり、季節商品で、競合店舗よりも早い時期に見込み客を囲い込むなど、出来る施策を実行すると同時に、通年商品を「いかに自店舗の看板商品として売っていくかを考える必要がある」ということなのです。

どちらか一方ではなく、今後のECサイト運営は「季節商品と通年商品、どちらも売っていく」というスタイルが重要になります。

※ちなみに、よくギフトショップなどで使用される「通年商品」は、季節物・旬の物を取り扱う土産店において「1年中いつ贈り物にしても喜ばれるもの・味わいが変わらないもの」という意味合いがあるため、楽天市場やAmazonなどのECプラットフォームやECサイトで販売する通年商品とは意味がやや異なります。

楽天市場内で出稿する広告とは

楽天市場内で出稿できる広告には、大きく下記の3つの分類があります。

それぞれの分類にぶら下がる複数の広告手段があるため、下記で解説していきます。

運用型広告

楽天市場における広告としてよく知られているのが「運用型広告」です。

運用型広告には、楽天市場で店舗を構えるEC事業者なら誰もが知っている「RPP広告」が含まれています。

また、運用型広告には、クリック課金方式のRPP広告や、効果が保証されているCPA広告などがあります。

代表的な広告であるRPP広告では、入札単価を調整できる特徴があることから、楽天市場の運用初心者の方や裁量をもって広告出稿を行いたい方へ人気の広告となっています。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、別名「楽天市場広告」ともよばれており、画像形式で楽天市場内の様々な広告枠に出稿できる広告を指します。

運用型広告と大きく異なる点は、広告費が固定で発生することです。

楽天市場内の指定された広告枠を購入する形になるため、一定期間の掲載枠に対して広告費を支払います。

そのため、広告の成果が保証されず、利用する際は売れる広告枠を見極める必要があります。

配信型広告

配信型広告は、ニュース広告とよばれ、楽天会員向けのメルマガとして配信されます。

配信型広告は自店舗で保有する顧客リストに配信するメルマガと違い、普段リーチできない顧客にも自店舗の商品を認知させることができます。

したがって、短期間に大きく販売数を増やしたい商品や、販売に力を入れたい商品などが対象の広告になります。

こちらの配信型広告もディスプレイ広告と同様に、広告費が固定で発生するので、利用時には効果を見極めることが重要です。

通年商品で活用したい楽天RPP広告について

楽天RPP広告は先述した「運用型広告」に該当する広告フォーマットで、通年商品の売上改善にも活用できます。

「季節商品との違い」の段落でも説明したように、通年商品は季節需要がないため、売り方を工夫しない限り、ユーザーになかなか購入してもらえません。

また、そもそも季節需要がないことによって、「どういった検索キーワードで検索上位を狙うべきなのか」が直感で分かりにくく、施策の優先度が下がる傾向にあります。

しかし、通年商品もしっかりと売り方を工夫すれば、自然と検索順位が上がって勝手に売れる「自走モデル」へと変化していきますので、その第一歩として楽天RPP広告を活用しましょう。

楽天RPP広告は検索連動型広告ですので、ユーザーが検索キーワードに基づいて自店舗の商品がRPP広告枠に露出されます。

楽天RPP広告はユーザーが検索した後、検索結果ページの上位に溶け込むような形式のため、警戒されにくいメリットを持っています。

したがって、販売実績が少なく、検索上位になかなか上がってこない通年商品も、楽天RPP広告で一時的に検索上位に配置することが出来れば、売上を作ることが出来る可能性が上がります。

当然1回や2回売れただけでは検索上位に上がっていきませんが、継続して広告出稿することで次第に自然検索での順位も上がっていきます。

また、通年商品とはいっても、長い期間にわたって楽天RPP広告で出稿する場合、その時期のトレンドと掛け合わされる形で検索されるケースもあります。

こうしたタイミングを逃さないためには、随時楽天RMSで検索流入キーワードを調べ、通年商品にアクセスしている、あるいは購入が発生しているキーワードや、サジェストキーワードなどを洗い出し、楽天RPP広告の出稿キーワードとして追加しておくことが重要です。

実際の流入結果をもとに出稿する検索キーワードをチューニング(調整)することで、楽天RPP広告のROAS(費用対効果)を高められます。

※ちなみに、楽天RPP広告を使って販売実績を作り、狙ったキーワードで自然検索の上位がとれるようになった通年商品は、楽天RPP広告の「除外商品登録」から該当商品を選択し、広告表示されないよう設定しましょう。

楽天RPP広告はデフォルト設定で全商品が広告の対象になっているため、広告出稿の必要がない商品は随時除外登録しておくことをおすすめします。

楽天市場で広告出稿し運用する方法

楽天市場で広告出稿・運用する方法は大きく分けて2つあります。

1つ目が「自店舗で出稿・運用する方法」で、2つ目が「代理店経由で出稿・運用する方法」です。

どちらもメリット・デメリットがありますので、自店舗に合った運用方法を検討してみてください。

自店舗で広告出稿・運用するメリット・デメリット

自店舗で楽天RPP広告を出稿する際のメリットは、コストを抑えながら運用ができることです。

自社の楽天店舗担当者や、広告担当者が専任で担当するため、運用の知見も蓄積されやすく、代理店への委託コストも抑えられます。

しかし、楽天RPP広告に知見を持っている人材がいない場合、手探りの広告運用となるため、目指している結果が出るまでに時間がかかるケースがほとんどです。

その点でいえば、楽天RPP広告をよく知る代理店に委託し、多少費用はかかるものの、しっかりと成果を出していく方が、中長期的な店舗成長を考えた場合は良いでしょう。

代理店経由で広告出稿・運用するメリット・デメリット

代理店経由で楽天RPP広告を出稿するメリットは、出稿・管理の手間が省ける上に、独学で出稿する場合よりも成果が出るのが早いことです。

広告運用だけでなく、楽天市場の店舗運営全体を任せることも可能であり、多少費用はかさみますが、大きく売上を伸ばすことができます。

デメリットとしては費用がかかることと、担当者の変更で引き継ぎが上手くいかないケースがあることです。サービス利用前にしっかり比較・検討し、自店舗のRPP広告運用に最適な方法を選択しましょう。

ちなみに弊社でも、楽天市場の売上改善に悩むEC事業者のために「広告運用代行」「コンサルティング」「運営代行」をサービスとして提供しております。

弊社は楽天市場に限らず、D2C・ECに関するあらゆることを支援している会社ですので、様々な角度からのご提案・ご支援を得意としています。

楽天市場の売上改善にかかわらず、EC事業全体の売上改善を目指したい方も、是非下記ページからお問い合わせいただけますと幸いです。

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まとめ

楽天市場における通年商品は、季節商品に比べて施策の優先度が低い傾向にあります。

しかし、楽天RPP広告や年間セールへの出品などを上手く組み合わせることで、自店舗の看板商品として、年間通じて高い売上を出す主力商品に化ける可能性を秘めています。

季節商品による売上に頼りがちだったEC事業者は、この機会に通年商品の売上改善による収益の安定化を図っていきましょう。

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