【最新版!】D2Cブランドがメルマガを活用して売上を激増させる基礎ノウハウまとめ
メルマガと言えば、古いイメージやD2Cとの相性が良くないイメージ、若い世代には受けないイメージがあるかもしれません。しかし、販促目的ではないメルマガを配信し、継続的にファンを獲得しているブランドもあります。
この記事では、「ECのメルマガ」に焦点を絞り、D2C特有の特徴についてご説明しながら、効果的なメルマガ配信についてご説明していきます。
①D2Cのメルマガを考える前の基礎の確認
まずは「メルマガ」について簡単にご説明いたします。「メルマガの説明は必要ない」という方は、読み飛ばしていただいた構いません。
メルマガとは
メルマガとは、「メールマガジン」の略です。これは誰もが知っていることだと思います。企業側からユーザー側に向けて一方的に配信されるメールサービスです。
ユーザー自身が自発的にメルマガを購読する形なので、企業側から強制的にメールを送ることはできません。ユーザーが自ら登録し、興味がなくなったら自ら解約するという仕組みです。
ステップメールとの違い
メルマガと似た仕組みに「ステップメール」があります。
ステップメールとは、商品などを購入した後に自動的に送信されるメールのことです。
「商品Aを購入した人には、3日後にステップメール①を、1週間後にはステップメール②を、1ヶ月後にはステップメール③を、3ヶ月後にはステップメール④を送る」といったように、販売者側であらかじめ設定したシナリオに沿ってメールが配信されます。
具体的にどのような内容のメールが送られてくるかというと、「不備の有無の確認」「関連商品の宣伝」などがあります。
商品の購入と同時に自動的に送られてくるので、ユーザーが自ら情報を取りに登録するメルマガとはその点の違いがあります。
メルマガ配信の目的
メルマガ配信の目的は、大きく分けて3つあります。
それぞれご説明いたします。
<①販売、告知のため>
「メルマガ」と言えば、追加で物を売ったり、キャンペーンを告知したりするイメージが強いかと思います。実際、従来のECサイトでは、おすすめ商品を宣伝したり、キャンペーンや割引の告知をしたりと販促や告知メインでメルマガを使用することも多かったのです。
ただ、D2Cブランドについては、販促や告知がメインとは限りません。D2Cブランドは「商品が1つしかない」「買い替えの必要ない商品を扱っている」という場合も多いのです。マットレスやスーツケースは、その最たる例です。
そのため、D2Cにおいては「商品を買わせること」が重要とは限りません。
D2Cブランドのメルマガは、次にご紹介する「役に立つ情報の提供」「ファン化」目的で配信されることも多いです。
<②役立つ情報提供のため>
販促が主目的ではなく、「ユーザーにとって役に立つ情報を提供すること」をメインにしたメルマガもあります。D2Cブランドのメルマガに多い形です。
従来のECブランドは、特に商品数が多い場合には「誰に何をおすすめしたら良いのか分からない」という状態に陥りやすく、全員に役立つ情報を届けるのが難しい面もありました。
一方、D2Cブランドはコンセプトや世界観が確立されており、ターゲット像も見えやすいため、「ユーザーは●●に興味があるんだろうな」と背景を推測しやすい特徴があります。そのため、多くのユーザーに共通した役立つ情報を届けやすいのです。
たとえば睡眠関連グッズのD2Cブランドの場合、メルマガ読者は睡眠の質を上げる方法や世界の睡眠時間事情、他の健康情報などに興味を持っていると考えられます。
サプリメントのD2Cブランドの場合、メルマガ読者は簡単にできる栄養満点レシピや栄養素の話、病気と食事の関連情報などに興味を持っている可能性があります。
このように、メルマガはただ単に商品を宣伝するものではなく、役立つ情報を与える役割も担っています。特にD2Cでは、その傾向が強いです。
<③ファン化のため>
「②役立つ情報の提供」と似通っていますが、役立つ情報や面白いコンテンツ、見た目が綺麗な写真や動画を提供することで、ブランドに「良い印象」を持ってもらう目的もあります。
「良い印象」を継続的に持ってもらうことで、メルマガの解約率も下がりますし、巡り巡って商品の売上にも繋がるはずです。
この章のまとめ
メルマガの目的は、主に①販売や告知のため、②役立つ情報提供のため、③ファン化のために分けられます。
従来のメルマガといえば「告知をして売上を伸ばすこと」が主目的なイメージですが、D2Cブランドはそうとも限りません。
役立つ情報の提供やファン化目的でメルマガを配信しているD2Cブランドも多いのです。
メルマガのタイプをおさらい
メルマガには、2つのタイプがあります。
1つ目は、テキストのみのメルマガです。いわゆる普通のメールと同じような見た目をしており、テキストの情報がメインになります。
情報商材などの単純な情報を伝えるのには適していますが、ECやD2Cなど「商品のビジュアル」に高い価値のあるジャンルは、魅力を伝えにくい形式です。テキストのみのメルマガは、D2Cとの相性は良くないでしょう。
2つ目は、画像や動画、色などが工夫されたHTML形式のメルマガです。メールというよりは、ホームページの一部がメールで送られてくるような印象です。
ECやD2Cなど「商品のビジュアル」に価値のあるジャンルの場合、こちらの形式を選ぶべきでしょう。D2Cのメルマガを配信する場合、HTML形式のメルマガがおすすめです。
②D2Cブランドと通常のECブランドのメルマガの違い
D2CもECのうちの一つですが、「D2Cならではの特徴」もあります。
もっとも大きな特徴は、ECブランドは販促が主目的であること、D2Cは役立つ情報の提供やファン化が主目的であることです。
D2Cのメルマガは、必ずしも買わせるためのメルマガではないのです。
D2Cのメルマガの特徴は販促目的が全てではないこと
繰り返しになりますが、D2Cのメルマガは「販促目的」がメインではないことが多いです。ハウツー紹介やライフスタイルの啓蒙など、役に立つ情報を提供したり、ユーザーに知識を与えたりすることがメインである場合もあります。
D2Cは「売りたい」という雰囲気が薄く、あくまでもコミュニケーションや関係性の維持を主目的としたメルマガを配信しているのです。
③メルマガでD2C(EC)の売上をアップさせる方法
D2Cに限定せず、メルマガを使ってECの売上をアップさせる方法を解説いたします。D2Cならではの気をつけたいことについても言及しております。
メルマガの必須要素
「これを押さえないとメルマガを有効活用するのは難しい」というメルマガの必須要素を3つご紹介いたします。
<①有益な情報を提供する>
メルマガの内容が薄かったり、読者が欲しい情報からかけ離れたりすると、「クオリティの低いメルマガ」と判断されてしまいます。メルマガはそもそも開封されないことも多いので、せっかく開封してくれた貴重な読者をガッカリさせない内容にすることが大切です。
メルマガで何を伝えたいのか、それは読者が望んでいる情報なのかなどを明確にしてからメルマガを作成しましょう。
D2Cブランドのファンは、そのブランドや創業者の世界観に価値を感じていたり、メルマガをSNSのように感じたり、従来のECユーザーとは異なる価値観を持っている傾向にあります。その点を意識しては配信する内容を考えましょう。
読者にとって有益な情報を与えることはメルマガの基本ですが、その一環として「世界観作り」「直接的な売上アップには影響しなくてOK」と割り切って配信することも大事なポイントです。
<②書き手の温度感を伝える>
メルマガは、企業側と読者の繋がりを維持するものです。ただ単に宣伝するようなセールス感満載の文章では、読者にいいイメージを与えません。「セールスされているな」という印象が強まってしまいます。
書き手のプロフィールを挟んだり、会社内の様子を伝えたりと、働いている人や会社のことがイメージできるような文章が好まれます。
特にD2Cの場合、世界観やブランド誕生の背景に心を動かされたファンが多いはずです。商品の価値が「物そのもの」にあるわけではなく、「このブランドのコンセプトが好き」「創業者の考え方が好き」などの理由で、ブランドのファンになり、メルマガを購読している人もたくさんいます。
そのようなファンに向けて、世界観を味わってもらえるような、温度感のあるメルマガを届けたいものです。
<③行動に繋がる訴求をする>
メルマガによって目先の売上を上げたいのであれば、購買行動に繋がるような仕掛け作りが必要です。キャンペーンを企画したり、読者が「欲しい」と感じるタイミングでURLが出るようにしたり、工夫は様々です。
EC全般におけるメルマガの押さえたいポイントは、有益な情報を届けること、書き手の温度感を伝えること、行動につながる訴求をすることなどが挙げられます。メルマガの基本とも言えます。
ただ、D2Cの場合、必ずしも上記のポイントが重要なわけではありません。世界観を重視するために、あえて具体的な情報は少なめにしたり、リンクやクーポンなどを排除したり、文章よりも写真中心にしたりと、ブランドごとに施策が大きく異なります。
D2Cのメルマガは、従来のメルマガと同じようにとらえるのではなく、「クローズドなコミュニケーションの場」「世界観重視の雑誌のようなもの」と捉えても良いでしょう。
メルマガの効果が下がるポイント
「頑張ってメルマガを配信しているが、効果が出ない」というお悩みをお持ちの事業者さんもいらっしゃると思います。
メルマガの効果が下がる代表的なポイントをご説明いたします。
<①配信内容の質が低い、毎回似通った内容である>
質が低いと、読者は「読む価値がない」と感じます。また、同じような内容を使いまわしている場合も、読者は次第に飽きてきます。
「週1回メルマガを配信する」といったようにルールが決まっている場合もあるとは思いますが、時には更新頻度を見直すことも大切です。
週1回有益な情報が届けられるだけのネタがあるのか、メルマガに時間を割く価値があるのか、などを確認しましょう。
<②読者が知りたい情報を届けられていない>
たとえ配信内容の質が高くとも、読者の知りたい情報からかけ離れている場合は、開封率も売上も上がらないでしょう。
ある程度ターゲティングしてメルマガを配信したり、読者にアンケートを取って意見を拾ったり、「読者の知りたい情報を届ける」ことを意識しましょう。
<③メルマガ内にエラーが多い>
メルマガ内にエラーが多いと、読むだけでストレスが溜まったり、企業への信頼度が落ちたりとマイナスが多いです。
文字化けや画像が表示されない、HTMLが崩れている、URLのリンクが切れているなどがエラーの代表例です。
せっかくメルマガを開封してくれた読者さんに対してストレスや不信感を与えてしまうので、エラーが起きていないか欠かさずチェックしましょう。
<④読者の意見を聞く機会がない>
読者の意見を聞く機会がないと、メルマガを改善することは難しいです。開封率やURLのクリック率などから数字を出して分析することは可能ですが、読者の生の声に勝るものはありません。
定期的に読者の意見を聞く機会を設け、読んでくださる人がどう感じているのか、何を求めているのか、きちんと把握しましょう。
メルマガの最後にお問い合わせ先を明記することも忘れてはいけません。わざわざ開封して、何かを感じ、それを会社に伝えようとしてくれる人の意見は大切です。
メルマガの効果を高めるポイント
メルマガの効果を高める具体的なポイントをご説明いたします。メルマガの成功法則として、D2Cだから気を付けないといけないポイントというものは特になく、基礎の成功ポイントをしっかり抑えておきましょう。また、この章で使っている「効果を高める」とは、開封率アップから売上アップまでを含みます。
それぞれご説明いたします。
<①割引・クーポン・キャンペーン情報を明記する>
物を購入するにあたって、割引・クーポン・キャンペーン情報は誰もが欲しいものです。件名や本文の最初に、分かりやすく明記しましょう。
「メルマガには興味がないけど、お得になるならと思ってメルマガを登録している」という読者も多いです。
「メルマガを購読することによる利益」を読者に与えられるよう、お得な情報は分かりやすいところに明記しましょう。
<②分かりやすく短い件名にする>
メルマガにおいて件名は非常に大切です。なぜなら、件名の魅力の有無によって、開封してもらえるか、そのまま捨てられるかが決まるためです。
件名にはメルマガの内容を分かりやすく盛り込み、できるだけ簡潔にまとめましょう。割引や締め切りのあるキャンペーンの場合は、具体的な数字を記載することで読者の目を引くことができます。
<③配信日・時間・曜日を工夫する>
「どのタイミングで配信するか?」も大切です。忙しい時間帯にメールが届くと、放置してしまうものです。
例えば電車に乗って通勤する30代サラリーマンの読者が多い場合、メルマガが開封されるのは、電車に乗っている時間やお昼休みだと考えられます。
具体的には朝8時前後、お昼の12~13時、帰宅時間の18時〜20時前後にメルマガを読んでもらえる可能性が高いです。
一方、子育て中の主婦の場合は、サラリーマンとは行動時間帯が大きく異なります。スマートフォンやパソコンを開けるのは、子供の世話をしない時間帯だと考えられます。
子供が保育園や学校に登校している時間や、子供の就寝後が狙い目です。
具体的にはお昼の12~13時、就寝後の22時以降にメルマガを読んでもらえる可能性が高いです。
また、授乳中のお母さんがターゲットの場合、授乳のために起きている夜中にメッセージを送ることで、読んでもらえることもあるかもしれません。寝られなくて気分が下がっている時間にメールを配信することで、「寄り添っている態度」を示すことも可能でしょう。
<④セグメントをしっかりする>
メルマガは、一斉送信するだけではありません。読者を区切り、ターゲットごとに異なる内容を配信できます。
メルマガ購読時や商品購入時に把握できる情報に基づいて、内容の異なるメルマガを配信するのも一つの手です。
ただし、細かく区切りすぎるとメルマガ担当者の負担が増えてしまうので、あまり細かく区切るすぎるのはおすすめできません。
<⑤A/Bテストをして効果測定する>
メルマガの配信に少しずつ慣れてきたら、A/Bテストをして効果測定しましょう。読者の生の意見を聞くだけでなく、数字としてデータを得ることで、確実な分析に繋げられます。
<⑥視覚的に整える>
今ではHTML形式のメルマガは当たり前のものになりましたが、一目見て分かりやすいかというと、そうとも限りません。
パッと見たときに読みたくなるようなビジュアルかどうか、チェックしましょう。
特にD2Cの場合、画像を含めた「見た目の綺麗さ」が物を言います。パッと見て惹かれるコンテンツかどうか、確認しましょう。
<⑦分析する>
メルマガの効果をより上げるために、分析します。具体的には、開封率やURLのクリック率、メルマガによる売上の上昇率を見ていきます。
出てきたデータや読者の声をもとに、地道に改善していきます。
この章のまとめ
メルマガを有効活用するためのポイントは、シンプルです。もっとも重要なのは、読者のニーズに合った情報を届けることです。
読者のニーズに合った内容を作成し、データを分析し、改善していくことがメルマガ活用のポイントです。
④メルマガで成功した北国からの贈り物(旧カニ市場)の事例をご紹介
楽天公式サイト:https://www.rakuten.co.jp/snowland/
メルマガを上手く活用して成功したECの事例といえば、北海道産の特産品を扱っている「北国からの贈り物」が有名です。海鮮や肉類、ラーメン、スイーツなど幅広く扱っています。
こちらの店舗は、EC事業を始める前から、DMを利用してお客さんと繋がっていたようです。ダイレクトにお客さんと繋がることの重要性を分かっていたため、EC事業を始めたときにもすぐにメルマガに手を出しました。
当時は年末のカニがメイン商品だったため、年末以外の売上はあまり期待できない状況でした。それでも、カニやカニ市場を伝えるために、閑散期もメルマガを配信していました。必ずしも「メルマガで直接売上を上げる」ことを目的にはしていなかったわけです。
このように、「直接売上を上げるわけではないが、商品や商品周りの情報を伝え続ける」というタイプのメルマガは、D2Cには大切な観点です。
たとえ閑散期だとしても、すぐには商品を買ってもらえなくとも、「お客さんと繋がる」ことを目的としたメルマガは、意味があるのです。
まとめ
メルマガ=古典的な販促目的のツール、ではありません。商品を購入したり、興味を持ったりしてくれるユーザーに対して有益な情報を配信し、継続的なファンの獲得に繋げられる有益な手段です。
メルマガはコストもほとんどかかりません。ユーザーと継続的に繋がる手段として、利用してみてはいかがでしょうか。
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