グローバルビジネスの基礎知識④~為替変動リスク
海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?
グローバルビジネスの基礎知識をお伝えする本連載の第四弾は、為替変動リスクについてご説明をします。
為替変動リスクとは
海外取引において、外国為替相場は常に変動するため、輸出入者にとって採算を予測しにくいということが課題となり、この不安定な為替変動に伴うリスクを「為替変動リスク」と言います。
また、相場には、今現在の相場である「直物相場(Spot Rate)」と将来の相場である「先物相場(Forward Rate)」があります。
先物予約
一般に為替リスクを回避する方法としては、先物相場における「先物予約」が実施されています。これは将来、外貨の受け渡しをすることに向けて、あらかじめ相場を決定しておく方法です。
先物予約がされている場合には、実際に外貨を受け渡す日の相場に関わらず、輸出の場合と輸入の場合とでそれぞれいくらの代金支払いが実行されるのか予定することができます。結果的には予約していた場合が有利なこともあれば、不利になることもありますが、あらかじめ採算を見積もることができるため広く利用されています。
その他の方法
続いてその他のリスクヘッジの方法について3つご紹介します。
(1)ネッティング
ネッティングは、輸出、輸入の両方の取引がある相手と、一定期間の輸出額と輸入額を相殺する方法です。これにより、本来なら複数回発生する送金が一度になり、銀行へ支払う手数料も削減できるため、同じ企業グループ内の取引において多く利用されています。
(2)リーズ・アンド・ラッグズ(Leads and lags)
リーズ・アンド・ラッグズは、輸出者・輸入者自身が相場の動きを見て、外貨の決済時期を早めたり(leads)遅めたり(lags)しながら為替相場の変動に対応する方法です。例えば、ドル・レートの高騰を見越してドル建債務の弁済を早めたり、ドル建債権の回収を遅らせたりすることです。
(3)通貨オプション
通貨オプションとは、約定したレートで通貨を売り買いする「権利」を売買する取引です。通貨オプションでは実際に受け渡しを実行するかどうかは買い手の権利となり、相場の動きを見ながら実行することが可能です。
以上、為替変動リスクと回避法についてお伝えしました。グローバルビジネスではいろいろな場面で相場を使い外貨を交換する必要が生じます。リスクヘッジの方法はケースによって切り分けて活用していきましょう。
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