グローバルビジネスの基礎知識⑬~貿易書類
海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?
グローバルビジネスの基礎知識をお伝えしている本連載の第十三回は、貿易書類についてお送りします。
貿易取引は一般に、モノ・カネ・カミの流れに分かれます。ここでは、カミ、すなわち貿易取引において扱われる多種類の貿易書類を取り上げます。
まずは三大書類とも呼ばれる主な書類からご紹介します。
インボイス
インボイス(invoice)とは、貨物の送り状(明細書)のことで、荷送人(輸出者)が荷受人(輸入者)宛てに発行するものです。輸出貨物の記号、商品名、数量、契約条件、単価、仕向人、仕向地、代金支払い方法などが記載され、輸入取引、輸出取引のどちらにも必要不可欠な書類です。
船荷証券
「船荷証券」(B/L(Bill of Lading))は、船会社が貨物の輸出者に対して発行する「権利証券」のことです。
「貨物の引換券」として、輸入地の船会社にB/Lを差し入れすることで貨物を引き取ることができます。同時に、船会社が貨物を預かったことを証する「貨物受取証」、輸出地から輸入地まで貨物を運送することを記した「運送契約書」としての側面も併せ持ちます。
航空貨物運送の場合には、航空運送状(Air Waybill)または混載航空運送状(House Air Waybill)が使用されます。船荷証券とは異なり、権利証券ではないため、流通性がありません。
保険証券
保険証券(Insulance Policy)は、保険契約の成立および貨物保険が付保されていることを証する書類です。荷主(保険申込人=契約者)が保険契約申し込みを行い、保険会社(保険者)が承諾・成立(諾成契約)したことを記載します。
※貿易に係る保険については以下の記事をあわせてご覧ください。
以上は必須書類ですが続いて、常に要求されるわけではない付属書類をご紹介します。
付属書類
梱包明細書(Packing List)は、包装形態や貨物の個数・重量などを記した書類です。輸出入申告書の審査に用いる証明書類として、商取引上の納品書の役割を果たします。
そのほかに付属書類としては、
・検査証明書(Certificate of Inspection)
・重量容積証明書(Certificate and List of Measurement and/or Weight)
・原産地証明書(Certificate of Origin)
・税関送り状(Custom Invoice)
があります。
貿易取引には、大別して荷為替手形による取引と送金による取引とがありますが、いずれも船積書類の添付が必要です。
取引開始にあたっては、貨物が破損した場合や書類が紛失した場合の手続き等を含めて内容をしっかりと確認しておきましょう。
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