Amazonの次期CEOにアンディ・ジャシー氏が7月5日就任
デジタルシェルフ総研より、Amazonの新CEO就任の情報についてお送りします。
Amazonでは、Andy Jassy(アンディ・ジャシー)氏が2021年7月5日に正式にAmazonのCEOに就任します。
この日は、Amazonが法人化されてから27年目の記念日にあたります。
また、この日をもってCEOを退任する創業者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は同社取締役会の会長(executive chair)に就任します。
現在53歳のジャシー氏は、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のCEOを長年にわたり務めてきました。
AWSは、Netflix、Spotify、Fortniteなどの主要サービスを支えるクラウドコンピューティング技術を提供しており、大きな成功を収めている領域です。
ジャシー氏就任後のAmazonはどのような展開が予想されるのでしょうか。
クラウド部門の強化、経営手法は変わらず!?
90年代後半に入社したジャシー氏は、2003年頃に後のAWSの検討を任されました。それ以来、AWSは同社の巨大な収益の原動力となっています。
Amazonの2021年4月29日に発表された第1四半期の決算発表によると、AWSは、2021年1月1日-3月31日までの第1四半期だけで135億ドル(約1兆5000億円)を稼ぎ出しました。
ジャシー氏の就任は、インターネット全体を動かすのに重要な役割を果たしている巨大ハイテク企業となったAmazonの将来にとって、クラウドコンピューティングの重要性を強調するものと言えるでしょう。
ジャシー氏は、ベゾス氏のビジネス哲学を中核的に信奉しているとされ、20年近く前の創業時からクラウド部門を運営してきたベテランであり、長年ベゾス氏の補佐役を務めてきたことから、ベゾス氏と類似した手法で会社を運営していくことになると思われます。
巨大企業へ成長した故の責任や課題も
ジャシー氏は、大きな変化と継続的な成長の時期に、Amazon全体の指揮を執ることになります。
ジャシー氏就任を前にした今年5月にAmazonは、「007」などで知られる映画・テレビ会社のMGMを84億5,000万ドル(約9300億円)で買収することを発表したばかりです。これは、アマゾン・プライム・ビデオの提供を強化するのに役立つ膨大なエンターテインメント資産をAmazonが手に入れたことを意味します。
他方で、今後の課題としては、同社の巨大な規模と影響力により、GAFA規制と反トラスト法違反をめぐる訴訟に米国内やEUなどで直面していることや前トランプ大統領やその支持グループとの確執、物流センターにおける労組結成や待遇問題、サプライチェーンと脱炭素化などがあり、あらゆる方面からの厳しい監視の目にさらされているのも事実です。
27年にわたるベゾス氏の体制において、世界最大規模の小売企業となったAmazonがジャシー新CEOのもとでこれらの課題にどのように取り組むのかが注目されます。
The Vergeなど多くの米国メディアが報じています。
デジタルシェルフ総研は、今後もジャシー氏がCEOに就任した後のAmazonの新展開について注目して分析をお送りしていきます。