【EC初心者向け】オムニチャンネル?多店舗展開?国内EC市場の傾向と対策をざっくり解説
EC売上高10年連続のAmazon!BtoB市場は今後も拡大傾向に
ある調査によると、2016年度で直販のEC売上高が最も多いのはAmazonだ。中でも直販事業の売上高は推定7,800億円に達している。しかも、10年連続で売上高1位に君臨しているだけでなく、その巨大な売上規模のまま高い成長率を維持しているのも驚異的と言えるね。
2位はオフィス用品の通販を手掛ける「アスクル」、そして3位は工場で使うネジや道具などのサイトを運営している「ミスミ」だ。近年は法人向け(BtoB)の通販企業が売上を伸ばしていて、アスクルやミスミの他、大塚商会やモノタロウも好調だ。「BtoB通販」の市場はまだまだ拡大していくだろう。さらに上位50位に注目してみると、オムニチャネル戦略に注力している企業の好調ぶりが目立っているのがわかる。
2016 年のEC売上ランキング(1 位~25 位)
2016 年のEC売上ランキング(26 位~49 位)
大手企業も大注目のオムニチャネル戦略とは
ユニクロやニトリ、無印良品のように、実店舗を持ちながらECに取り組む戦略のことで、店舗とネットを融合して「いつでもどこでも」多角的に消費者にリーチする狙いを持った戦略がオムニチャネルと呼ばれているんだ。
オムニチャネルに取り組む企業が好調な一方、千趣会やディノス・セシール、ニッセンなど、カタログ通販を中心に成長した通販専業企業のEC事業は成長が鈍化している。こうした企業はスマホ対応やネット比率の引き上げを急ぐことでさらなる成長を目指しているんだ。
売上拡大には多店舗展開が必須の流れに
最近のEC業界のトレンドとして外せないのが「多店舗展開」だ。日本ネット経済新聞の調査によると、国内におけるEC売上高ランキングの上位400社のうち75%以上が2店舗以上のネットショップを運営していて、多店舗展開する企業は年々増えている。楽天市場へは70%の企業が出店済みで、最近はAmazonマーケットプレイスにも出店する企業の増加が目立つ。Amazonに出店している企業は上位400のうち4割を超えている状況となり、新たな店舗を展開する先としても、Amazonへの注目度が高いことがうかがえるね。
以前ECサイトの種類について説明した際に多店舗展開の重要性にも触れたけど、覚えているかな?自信がない場合は、改めてここでもう一度おさらいしておこう。ECサイトにはどんな種類があるの?
成長途上のEC業界 まずは年間売上高10億円がボーダーに
日本ネット経済新聞によるランキング100位に位置している企業は、年間売上高が約60億円だ。年間売上高が10億円を超えると、おおよそ300位にランクインできる。だから、ECを始めるときは「年商10億円、国内300位」を目標にしてもいいと思う。EC業界はまだまだ成長途上だから、どの企業にも業界の上位に食い込むチャンスはあるはずだ。
先輩のワンポイントアドバイス
分野に注目すると、最近大きく成長しているのは「BtoB」、売上高を大きく伸ばしているキーワードとしては「オムニチャネル」と「多店舗展開」があるということをまずは押さえておこう。