公開日:2014年11月12日

B2BのECサイトに必要な3つの機能

B2BのECならではの、必要となる3つの機能を見ていきましょう。

(1)価格管理
B2Bの場合、取引先によって卸値が変わってくるのが通例です。より取引額が大きかったり、取引期間が長かったりする企業と、取引が始まったばかりの企業とでは、値付けは大幅に異なります。一律ということはほとんどあり得ません。「価格グループ」「掛率」「商談価格」などが一目で分かり、企業ごとに適切な価格に変更できる仕様が必要です。

(2)販路管理
B2Bの場合、前払いという慣習がなく、ほとんどが後払いになります。つまり信用取引が前提となって商売が行われているわけです。そのため誰とでも取引できるわけじゃなく、ECサイトを利用できるのは、会員番号やIDが発行されている取引経験のある企業だけなどの、既存の商習慣に則った仕組みも重要です。「会員制サイト」「クローズドサイト」「表示グループ」「シークレットセール」などが必要になってきます。

(3)決済管理
(2)でも触れた通り、B2Bは後払いの商習慣が多いので、決裁手段として「後払い」が用意されていることが大切です。その際クレジットカード払いは一般的ではなく、銀行振込が主になるので、決裁手段も色々なバリエーションを持っておく必要があります。

ここまで見てきた通り、B2BのECの場合基本は取引先に合わせた“個別対応”が求められます。個別対応に適したシステムにするだけでなく、商取引として管理する仕組みも必要になります。

さらにもう少し落としこんで、B2BのECに必要な機能を見ていきましょう。

(1)会員管理
お客さまは継続取引をしてくれている「会員」がほとんどです。その会員一人ひとりが、過去自分が何を買ったかを確認でき、同じ商品を発注しやすいよう管理されていると、使い勝手の良いECサイトになります。

(2)帳票PDF作成
会社によっては、見積もりがないと購入できないこともあるので、見積書をダウンロードできる仕組みは必要です。また見積もりに限らず、受注情報から各種帳票(納品書・請求書・領収書など)をPDFで出力できる機能が求められます。

(3)会員毎の販売単価設定
取引先によって異なる複雑な単価管理は、システムで解決します。同一商材でも取引期間が短い企業と長い企業とでは、販売単価(価格)が異なるなど、リアルの卸現場では様々なケースが存在します。また、「この会員しか販売できない」などの販路制限もあります。そうした問題に対処するために、「販売可能グループ」で管理したり、もしくは個別設定で販売単価を管理したりするなどの機能を用意しましょう。

(4)品番発注機能
B2BのECサイトに取り組む企業が見誤りがちなのが、全てECサイトだけで完結させようとすること。実は多くの場合商品を発注する側は、カタログで必要な商品の目星をつけて、それからECサイトに品番を入れて注文します。ECサイトだけだと探す手間があるので、事務員が嫌がることもあるようです。年に2回で良いので、取扱商品を掲載したカタログを発行すると、お客さまは喜んでくれます。

 

立ち上げまでのスケジュール、やっておくべきこと、予算

最後に、立ち上げまでのスケジュール、やっておくべきこと、予算などをお話しておきます。

(1)既存業務の標準化
B2BのECサイトを立ち上げる目的の一つは、属人的に行っている基本業務を標準化し、システムに搭載することです。既存業務の標準化のためにまず行っていただきたいのは、業務フローを書面に落とすこと。これまで各営業マンが、お客さまに合わせて自在に決めてきた割引率などの取引条件や受発注のフローなど[こちらで追記したのですが、合っておりますでしょうか?]を書面でルール化します。

(2)マーケティング・リサーチ
続いて、どれだけの売り上げが見込めるのか、マーケティング・リサーチを行います。

(3)要件定義
これらが終わったら、業務に紐付き要件を固めていきます。

(4)システム選定
要件定義に基づき、最適なシステムを選びます。その際注意していただきたいのが、B2CのECサイトに強いところ=B2BのECサイトにも強いところ、と考えないこと。
すでにお話している通り、B2BのECサイトとB2CのECサイトでは、求められることも必要な機能も全く異なります。ですからいくらB2CのECサイトを数多く作ってきた実績があっても、B2BのECに対する知見がなければ、意味がありません。B2BのECに強いシステムやパートナーを探していきましょう。

(5)システム構築期間
大体3〜6ヶ月になります。B2CのECサイトより長めです。

(6)予算
条件や規模によっても異なりますが、システム構築費は、300〜800万円程度です。

(7)トレーニング
ECサイトを立ち上げたからといって、すぐに既存のお客さまが使えるわけではありません。直接営業マンが取引先に出向いて、分かりやすいマニュアルを渡したり、時にはデモンストレーションをして見せたりするなどのサポートが必要です。幸いASKULが浸透し、ウェブ注文自体は慣れている事務員も多いので、トレーニングを経れば使いこなせるようになるはずです。

 

B2Bもオンライン化が進むことは間違いない!

いかがでしたでしょうか? これからはB2Bもオンライン化が進むことは間違いありません。そんな中、いかに早く時代の流れに対処できるか。当社は、既存の商習慣にとらわれない中堅、中小企業の方がチャンスはあると考えています。B2Bは、B2Cとは全く別物として捉え、今いる営業マンの補完的な使い方を想定しながら、EC+既存のチャネルを組み合わせて使っていくと良いでしょう。

 

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