公開日:2021年9月2日

Amazon広告費売上高比率「ACOS」の徹底解説

Amazon広告費売上高比率「ACOS」の徹底解説

Amazon広告を運用している中で、「ACOS」について、正確に理解できていないと感じたことはないでしょうか。

正しい読み方や計算方法、効果的な活用法を知らないままでは、広告費がかさむ一方で、売上や利益が伸び悩むことになりかねません。

しかし、ACOSを正しく理解して賢く活用できれば、広告費を最適化し、売上と利益を大幅に向上させるチャンスが広がるでしょう。

株式会社いつもでは、Amazon(アマゾン)出店におけるコンサル、広告運用、運用代行などでアマゾンマーケティングを支援しています。

本記事では、株式会社いつもが培ってきた下記の知見を余すことなく紹介します。

  • ACOSの概要
  • ROASとの違い
  • ACOSの計算式・費用対効果の調べ方
  • ACOSを活用した利益率を向上させる考え方
  • 広告の費用対効果を高める方法

ACOSを理解し、Amazon広告の効果を最大化させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

また、Amazon広告の運用を依頼したい、悩みを相談したいという方は、お気軽に株式会社いつもまでお問い合わせください。

※閲覧時期により本記事でご紹介の情報は変更・更新されている場合がございます。

「ACOS(広告売上高比率)」とは?


ACOSとは、Amazon広告の費用対効果を測るための重要な指標です。

日本語表記では「広告費売上高比率」となり、この指標は、広告費が売上に対してどの程度の割合を占めているかを示し、「%」で表されます。
計算式は下記です。

ACOS(%)=(広告費 ÷ 広告収益)x 100(%)

これは、Amazon(アマゾン)スポンサープロダクト広告などで使われるAmazon独自の指標なので、聞き慣れない方も多いかもしれません。

たとえば、広告費が1000円で 広告収益が5000円の場合、ACOSは20%です。
「ACOS = (1000 ÷ 5000)×100 = 20」

ACOSは%比率が少ないほど良い指標で、ACOSが低ければ低いほど、投資した広告費に対して得られる売上が多く利益率が高いことを意味します。

逆に、ACOSが高い場合は、広告費が売上に対して大きな割合を占めているため、利益率が低いことを表します。

ACOSは費用対効果を測るために欠かせない指標なため、最適化することで、広告予算を効率よく使い最大限の利益を引き出すことが可能です。

「ROAS」との違い


ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、日本語では「広告費用対効果」と呼ばれます。

ROASは投資した広告費に対してどれだけの収益を得られたかを示し、下記の計算式で算出可能です。

「ROAS(%) =( 広告収益 ÷ 広告費)×100(%)」

たとえば、広告費が1000円で 広告収益が5000円の場合、ROASは500%です。
「ROAS = (5000 ÷ 1000)×100 = 500」

この場合、1円の広告費で5円の売上を上げたことになり、ROASの値が高いほど、広告費に対して高い収益を得ていることを意味します。

一方、ACOSは「広告費売上高比率」を表し、広告費が売上に対してどの程度の割合を占めているかを示す指標です。

ROASとACOSは、どちらも広告のパフォーマンスを評価するための重要な指標ですが、計算方法と視点が異なります。

ROASの数値は高いほど広告効果が高いことを示し、ACOSは数値が低いほど広告効果が高いことを示すと覚えておきましょう。

ACOSの計算式


ACOS(広告費売上高比率)は、広告費が売上高に対してどの程度の割合を占めているかを示す指標で、前述のとおり下記の計算式で算出できます。

「ACOS (%)=(広告費 ÷ 広告収益)× 100(%)」

広告費と広告収益によって、どのようにACOSが変化するのか一覧にまとめましたのでご覧ください。

ACOSは数値が低いほど、広告費に対して高い売上を上げていることを意味し、広告運用が効率的であることを示しています。

ACOSを計算できれば、事例1がもっとも広告効果が高いことがわかるでしょう。

ACOSを活用した費用対効果の調べ方


ACOSを粗利率と比較することで、その広告が利益をもたらしているか(費用対効果)を簡単に判断できます。

たとえば、400円の広告費をかけて2,000円の商品を販売した場合、ACOSは20%です。

「ACOS =  400円 ÷ 2,000円 × 100 = 20%」

商品の粗利率をACOSが超えたら赤字であると一目でわかるため、非常に使いやすい指標と言えます。

たとえば粗利率20%の商品でACOSが21%だとその商品は1%分赤字、という具合です。

広告の費用対効果をACOSを活用して調べる際には、粗利率との比較を行いましょう。

ACOSを活用した利益率を向上させる考え方


ACOSを最適化できれば、利益率を向上させることが可能です。

  • ACOSを減らす
  • 収益を増やす

ACOSを活用する際には、上記2つの観点を意識しましょう。

それぞれの観点で行うべきことを詳しく解説します。

ACOSを改善する

ACOSを減らすには、広告キャンペーンの成功や失敗を分析し、資金の投入先や削減すべき場所を特定することが重要です。

ACOSを減らす際には、下記3つの方法を試してみましょう。

1. キーワードの最適化
適切なキーワードを選定することで、適切なターゲットにリーチしやすくなります。

質だけでなく数も重要で、たとえばスポンサーブランド広告では、フレーズや部分一致キーワード・商品名・ブランド名などを含めたキーワードを使用することがおすすめです。

詳細はAmazon公式サイトを参考にしてください。

さまざまなタイプのキーワードを組み合わせることで、最適なターゲットに効果的にリーチできるでしょう。

参考元:Amazon公式サイト「キーワードターゲティングのベストプラクティス」

2. 適切な指標の見直し
ACOSを改善するためには、重視する指標を適切に見直すことが大切です。

ACOSを算出する「広告費」・「広告売上」を細分化し、どの指標を見直せばACOSを改善できるのか考えましょう。

たとえば、CVRが高いキーワードに絞ることで広告費を効率化できます。

注力している指標が本当にACOSの改善にプラスの効果があるのか確認し、適宜指標の見直しを行っていきましょう。

3. ターゲットとするACOSの決定
ブランドやキャンペーンの目標に応じて、ターゲットとするACOSを設定します。

まずは損益分岐点のACOSを達成し、それを利益率と比較することが重要です。

その後、売上拡大やブランド認知向上など、最も重要な目標を決定し、その目標に基づいてマーケティング戦略を策定しましょう。

収益を増やす

収益よりも多い金額を広告に費やしている場合は、ACOSを減らすだけでなく、収益を増やす必要もあります。

収益を増やす方法を3つまとめましたのでご覧ください。

※1:既存顧客が購入している商品に関連する商品もセットで購入してもらう営業活動
※2:既存顧客が購入している商品からより上位の商品に移行してもらう営業活動

収益を増やすためには、顧客単価を上げること・販売チャンスを取りこぼさずに売上を最大化させることが大切です。

以下では、収益を増加させるだけでなく、広告の費用対効果を高める方法を詳しくみていきましょう。

広告の費用対効果を高める方法


広告の費用対効果を高めるために、以下5つの方法を実施しましょう。

  • KPIを見直す
  • 適切な広告フォーマットを選択する
  • ユニットセッション率を向上させる
  • 商品ページを最適化する

小さな変更であっても売上が増加することは往々にしてあるので、どのような視点や行動が大切なのか詳しく解説します。

KPIを見直す

広告キャンペーンのパフォーマンスを正確に評価して効果を高めていくためには、適切なKPI(Key Performance Indicator:主要業績評価指標)を設定し、定期的に改善を行うことが必要です。

インプレッション数やセッション数・クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)など、ACOSだけでなく複数の指標の中からどこにKPIを置くかを状況によって判断しましょう。

また、事業目標や市場環境の変化に応じて、広告キャンペーンのKPIを見直すことが大切です。

たとえば、ブランド認知度の向上を目指す場合と売上増加を目指す場合では、適切なKPIが異なります。

適切な広告フォーマットを選択する

広告の種類やフォーマットを選定することで、ターゲットオーディエンスに最も効果的にリーチできます。

Amazonで利用できる広告のフォーマットを一覧にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

このように、それぞれのフォーマットにおいて、期待できる効果やアプローチできる顧客層が異なります。

また、利用できるクリエイティブの形式も異なるので、自社の目的や状況に合わせて適切な広告フォーマットを選択しましょう。

下記記事では、スポンサープロダクト広告について、設定方法に至るまで詳しく解説しています。

Amazon広告の代表であるスポンサープロダクト広告について知りたい方は、ぜひ併せてご覧ください。

関連記事:「Amazonのスポンサープロダクト広告とは?始め方を設定方法から詳しく解説 」

ユニットセッション率を向上させる

ユニットセッション率とは、広告から商品ページに流入したユーザーが注文する割合を表す指標です。

「注文数 ÷ 訪問者数 × 100(%)」で計算でき、ユニットセッション率が向上すれば、必然的にACOSの比率も減少します。

ユニットセッション率の向上には、評価の高いレビューを集めることや商品ページを最適化することが大切です。

商品ページを最適化する

広告の費用対効果を高めるために、商品ページを最適化しましょう。

なぜなら、商品ページを最適化できれば、直帰率の減少やインプレッション数・コンバージョン率の向上が期待できるからです。

商品ページの最適化で意識する4つのポイントを解説します。

1. キーワードの整合性を保つ
広告と遷移先のページでキーワードの整合性を保つことが大切です。

たとえば、広告で「Tシャツ」と訴求している場合、遷移先の商品ページに「Tシャツ」と明記されていなければ、ユーザーは違和感を覚えて離脱してしまう可能性があります。

ユーザーが意図していた内容と商品ページの内容が一致するようにキーワードを調整して、直帰率を下げることを目指しましょう。

2. デザインと色彩の統一
キーワードだけでなく、広告と商品ページのデザインや色彩を統一することも大切です。

広告から遷移したページのデザインが全く異なると、ユーザーは「関係のないサイトに飛ばされた」と感じ、直帰する可能性が高まります。

広告と同じデザインや色彩を使うことで、ユーザーに一貫したブランド体験を提供し、直帰率の減少・信頼性の向上が期待できるでしょう。

3. スマホでの見やすさを考慮
特にスマホユーザーに対しては、商品ページの見やすさが重要です。

キーワードを詰め込みすぎると情報過多で読みにくくなり離脱につながる可能性があります。

適切なキーワードなど、必要な情報を整理したうえで、サムネイルなどを活用してユーザーが直感的に理解できるように工夫しましょう。

4. 広告ランクの向上
広告ランクは、Amazon広告の表示順位を決定する重要な要素です。

広告ランクを高めることができれば、より多くのユーザーにリーチでき、広告効果の向上が期待できます。

広告ランクの計算式

「広告ランク = 入札額 × 関連性 × 広告実績」

特に重要なのは、広告との関連性です。

関連性は、広告ランクを決める要素の中でもっともコントロールしやすいため、広告ランクを向上させたい場合には、まず関連性を高めることを考えましょう。

関連性には、広告キーワードと商品ページに配置されているキーワードの一致率が大きく影響します。

商品ページのキーワードを最適化し、インプレッション数の増加を目指しましょう。

より詳しいAmazonの商品ページ最適化に関するポイントは、以下の記事で解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

関連記事:「商品ページの最適化で広告効果をマックスにする方法」

まとめ

AmazonのACOS(広告費売上高比率)は、広告費を 広告収益で割って算出される指標で、数値が低いほど広告効果が高いことを意味します。

ACOS以外の指標も考慮したうえで適切なKPIを設定し、運用・改善を重ねながらAmazon広告の効果を最大化していきましょう。

Amazonの広告運用やマーケティングにおいてお悩みの方は、ぜひ株式会社いつもまでお気軽にご相談ください。

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株式会社いつもが誇るAmazon専門チームが、Amazonにおける最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

Amazon専門チームは、Amazon専門のマーケティングセンターとして、全国のAmazon運営企業から大手メーカーまで豊富な実績を有しています。Amazon社内の担当者と都度打合せを行っており、現在のAmazonの動向や今後の動きなどを把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、米国での最新事例から、今後日本でも起こるであろうAmazonでの対応策まで、幅広くお伝えします。

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acosに関するよくある質問

 

「ACoS」とは?
広告費売上高比率となります。これは、アマゾンスポンサープロダクト広告等の広告で使われるAmazon(アマゾン)独自の指標となります。
「ACoS」の読み方は?
2022年4月現在は「エーコス」で定着しております。
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