公開日:2015年7月15日

格好良いではなく「伝わる」リマーケティング広告を

今回はリマーケティング広告の活用方法を具体的にご紹介しましょう。
これまでは、バナー一つとっても、定番のクリエイティブを1つ作っておけば良かったのですが、今は配信頻度が増えているため、ユーザーに飽きられてしまいやすいので、複数のクリエイティブを作っておく必要がでてきています。例えば、2種類くらいのクリエイティブで運用しつつ、(商品がガラリと変わるタイミングである)季節ごとに変えるというやり方も効果があります。ちなみに私が担当している食品を扱う会社では、大体2カ月でクリエイティブを変えています。
そのクリエイティブの中で使う要素としては、「キャッチコピー」「販売実績」「価格」「送料無料」など必ず入れないといけない要素はあります。そのほかに必要な要素としては、その季節の商品であることをアピールするために「季語」を入れるということです。また、例えば「モンドセレクション受賞」など何かの賞を獲得したという「冠」を入れると、新規のユーザーに対してその商品やブランドへの“信用”を与えます。バナーにブランドの「ロゴ」を入れておくと初めて見た人が、その後にブランド名で検索するという可能性もあります。そうしたある種の“刷り込み”は効いてきます。
バナーは小さいですので、慣れていないと中身の要素の部分が大雑把になってしまいがちですが、小さいバナーであっても最近のユーザーは拾う(=きちんと見る)ようになってきていますので、手抜きはできません。さらにはスマートフォンにも配信されますので、「コンパクトなクリエイティブにどうまとめていくか」といったことが重要になります。
そして、付け足しておくとバナーのクリエイティブと同時に、送客先となる「ランディングページ(LP)」もしっかりと作っておくことも重要になります。とはいえ、そもそもLPは、その商品についての最初のイメージになるので各社ともに力を入れているはずです。問題はLPの要素やイメージを変えずにバナーに反映させるということです。バナーだけ「格好良いクリエイティブにしよう」と違う方向に進み、ズレが生じてしまうのは危険です。
つまりバナーとランディングページはセットで考えないといけないということです。

LPの要素やイメージを変えずにバナーに反映させるのがポイント
LPの要素やイメージを変えずにバナーに反映させるのがポイント

※主なバナー広告のサイズ:正方形(スクエア)と横長タイプで表示の約80%を占める。シーズン、イベント毎に変更する企業が増えている。

直営ECではリマケの活用を

このようにリマーケティング広告の運用ではクリエイティブを工夫することが肝心になってくるのですが、同時に、配信先にも気を配りながら運用をしないと良い効果は出ません。
配信頻度や配信先を選択できるので、そこをうまく活用するという手もあります。例えばある会社の場合は、サイトに訪問してから10日以降が経って未購入のユーザーに対して、(新規ユーザーであると想定して)一番訴求力のある「ど真ん中の商品」を打ち出します。一方、一度購入経験があり且つ10日以内というセグメントのユーザーには配信頻度を上げるなどして「季節のイチオシ商品」を打ち出して追い回します。これが購入率は良いです。
もっとも、こうしたやり方は効果が見込める半面、それなりに手間がかかります。それを、さも“魔法の杖”のように広告会社さんは売っていますが、ECにおいては大雑把なやり方ではうまくいきません。それでもバナーの配信が広がっているという大きなトレンドがありますので、特に大手のモールに頼らずに自社で直営のECサイトをやる際にはリマーケティング広告の運用は必須となります。「小さいサイズのバナークリエィティブ能力」の差で勝負が決まると思って活用いただければと思います。

 

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