新生Yahoo!ショッピング出店後に徹底したい、売上UPの対策方法について解説
新生Yahoo!ショッピングがリリースされて、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。今回は開設方法(出店方法)をお伝えした後に、集中して売上UPを図るために取り組んだ方が良い2つの施策を中心に解説していきます。
新生Yahoo!ショッピングとは?
2022年10月12日に、PayPayモールがヤフーショッピングに統合される形で「新生Yahoo!ショッピング」が誕生しました。
PayPayモールがYahoo!ショッピングに統合された理由として「Yahoo!ショッピングの根強い集客力」が推測されます。
実際にYahoo!ショッピングは、国内ECモール市場では「楽天市場」「Amazon」に次いで、3番目に売上高の多いECモールになっています。
新生Yahoo!ショッピングの誕生によって、国内3位の売上高を誇るYahoo!ショッピングが、PayPayモールで培ったデザイン性や検索機能などの利便性を吸収するだけでなく、
ポイント付与対象がソフトバンクユーザーからPayPayユーザーに広がることで、これまで他モールに流れていた若年層の獲得も見込めるようになりました。
どんな特徴・変更点がある?
あくまで現時点(2022年10月時点)での情報になりますが、主に下記の5点が挙げられます。
デイリーイベントの変更
新生Yahoo!ショッピングでは、毎週日曜日の「ソフトバンクスマホユーザーは最大10%還元、ソフトバンクスマホユーザー以外は最大5%還元」のポイント付与イベントが廃止される代わりに、「毎日+5%」のポイント付与があるデイリーイベントが実施されます。
「毎日+5%」のデイリーイベントによって、毎週日曜日に集中していた売上が他の曜日に分散する形になるでしょう。
また、統合前は毎週日曜日に売上が集中するような形で運用されていた店舗様が多い印象でしたが、統合後は「5のつく日キャンペーン(毎月5日・15日・25日)」に売上が集まる形に戻っていくと予想できます。
ただし1つ懸念点もあり、ソフトバンクユーザーのポイントアップキャンペーンで月4~5回あったイベント実施日が、5のつく日キャンペーンは月3回になってしまうため、売上の山が以前のキャンペーンよりも上回らなければ、単純に全体の売上が下がってしまいます。
現状では、①毎月5日・15日・25日に売上の山を作る施策、②新しいデイリーイベント「平日いつでも+5%」を活用して売上のベースを上げていく施策、の2つを進めていく必要がありますが、新生Yahoo!ショッピング側が「今後どのように動いていくか?」について注視して対策を講じていく必要があるでしょう。
ポイント付与対象が「ソフトバンクユーザー」から「PayPayユーザー」に変更
統合前のYahoo!ショッピングは、ポイント付与対象ユーザーが「ソフトバンクユーザー」でしたが、統合後は「PayPayユーザー」も加わるため、ポイント付与対象ユーザーが増加します。
ポイント付与対象ユーザーが増えることで、新生Yahoo!ショッピングへの新規流入ユーザー増加も期待できるため、店舗運営者にとってはメリットが大きい変更点といえます。
「優良店」の基準が変更
優良店とは、ひと月の一定の基準をクリアすると得られる称号を指し、基準をクリアした次月の一ヶ月間は優良店としてYahoo!ショッピングから認定されます。
優良点として認定された店舗は、新生Yahoo!ショッピングの検索結果画面に「優良店のバッジが付与される」などの優遇があり、自然検索における競合優位性が得られるメリットがあるため、Yahoo!ショッピング運用では重要な施策です。
その「優良店」の制度は引き続き適用されますが、新生Yahoo!ショッピングでは「優良店」の基準が変更されます。
また、統合後は「優良配送」であることが「優良店」のマスト事項になったため、新生Yahoo!ショッピングで売上を上げていくために「優良店+優良配送」を必須で押さえる必要が出てきました。
新生Yahoo!ショッピングでは「優良配送」に加えて、下記の基準も変化しています。
<新優良店判定条件>
1.優良配送注文数シェア50%以上(※直近3か月が対象)
2.総合評価12点以上(※)
3.優良店評価項目の点数が一定水準を超えている
「総合評価12点以上」と「優良店評価項目の店数が一定水準を超えている」はクリアできる店舗が多いと予想されますが、「優良配送注文数シェア50%以上」の項目がハードルになります。「どのように優良配送注文数を増やしていくのか?」「また達成したシェア率をどう維持するのか?」という課題に関する解決策を考える必要があります。
販促ツール「プロモーションパッケージ」の新規登場
新生Yahoo!ショッピングでは、新たな販促ツールとして「プロモーションパッケージ」が登場します。
統合前のPRオプションは継続のまま、別枠の販促ツールとしてプロモーションパッケージがグレード別を率いて登場する形です。
プロモーションパッケージでは、PRオプション3%分の検索結果順位アップ効果のほか、「Store‘s R∞」提供、「プレミアム統計」機能提供、などの機能が利用できます。
また、上位グレードには、店舗の運営状況によって「ゴールド特典適応」と「ゴールド特典適応かつ優良店」のグレードが存在します。
サムネイルレギュレーションの変更
サムネイルレギュレーションの変更は「1枚目の商品画像のみ」対象です。
下記の項目が変更になるため、統合前のレギュレーションルールを維持している店舗は注意しましょう。
- テキスト占有率・・・テキスト要素を商品画像内に記載する場合は、テキスト要素の占有率を20%以下とする
- 背景・・・画像の背景は写真背景・単色白背景のみを使用してください。
- 枠線・・・枠線なしの商品画像を登録してください。
- 余白・・・商品画像は中央に配置してください。
関連記事:【EC担当者必見!】新生Yahoo!ショッピングの特徴と出店するメリット・デメリットを解説
他のECプラットフォームとの違い
続いて新生Yahoo!ショッピングと他のECプラットフォームの違いを解説します。
大きく異なる点としては下記の4点が挙げられます。
「出店料・売上マージンが無料」は継続される
統合前のYahoo!ショッピングは、他ECプラットフォームと違って「出店費用無料」「売上ロイヤリティ無料」が特徴でしたが、統合後の新生Yahoo!ショッピングもそれを踏襲するため、気軽にストアを運営したい個人・法人の新規参入が予想されます。
オーガニックでの表示ブーストが存在する
楽天市場やAmazonには「課金による自然検索枠への表示ブースト」は存在しないため、Yahoo!ショッピングの「PRオプション」や「プロモーションパッケージ」は大きな違いといえます。
早い配送(優良配送)で検索結果の表示順位がアップする
楽天市場の「あす楽」、Amazonの「primeマーク」は直接的な表示ブースト機能を持ちませんが、Yahoo!ショッピングでは優良配送の店舗が優先的に検索結果に表示されます。
LINEギフトと注文連携が実現
LINEギフトに出店しているショップ数および商品数は、昨年2021年12月と比べショップ数は約3.7倍、商品数は4倍以上に増え、より多くのギフトシーンに寄り添えるサービスへと成長しています。
日本最大級のオンラインショッピングモールである「Yahoo!ショッピング」関係者の知見や営業力がLINEギフトに注がれることで、サービスの成長に欠かせない「品ぞろえの拡充」を実施できているのではないでしょうか。
新生Yahoo!ショッピング出店までの流れ
新生Yahoo!ショッピングでの「店舗開設お申し込み」から「開店」までのスケジュールは下記の通りです。
1.フォームにて申込情報入力(店舗)15~20分
2.契約審査・審査結果通知(Yahoo!)2~10営業日
3.開店準備(店舗)約3週間
4.開店審査(Yahoo!)2~5営業日
5.開店(店舗)
お申し込み開始から店舗開設までは約1か月かかると見込んでよいでしょう。
また、PayPayモールとの統合で、新生Yahoo!ショッピングに新たに店舗を開設する事業者も増えることが予想されますので、Yahoo!ショッピング側から「契約審査・審査結果通知」が来た後に、「どれだけ速く開店準備を進められるか?」がポイントになります。
スムーズに出店申込前を完了できるように、Yahoo!公式HP「Yahoo!ショッピング ストア開設申込」から「お申込み時に必要な情報」を確認しておきましょう。
集客力を上げて売上UPを図る方法
新生Yahoo!ショッピングで売上UPを図る方法として、いくつか施策がありますが、今回は「検索対策」と「広告運用」の2つの施策に集中して取り組めるように解説を加えていきます。
やはり新生Yahoo!ショッピングでも、他のECプラットフォームと同様に、出店するECプラットフォームの検索アルゴリズムを理解して攻略することや、ECプラットフォーム独自で提供されている広告フォーマットを十分に活用することが重要です。
後述するように、新生Yahoo!ショッピングには他のECプラットフォームにはない「表示ブースト機能」が搭載されているため、「自然検索ランキングの効果測定が非常に難しい」という特徴を持っています。
こうした特徴に気を付けながら、新生Yahoo!ショッピングの検索対策・広告運用を進めていくことで、少ない手数で売上の向上を図れるようになります。
ちなみに、新生Yahoo!ショッピングに出店するメリット・デメリット、再統合の背景などは「【EC担当者必見!】新生Yahoo!ショッピングの特徴と出店するメリット・デメリットを解説」の記事で解説していますので、気になる方はそちらをご覧ください。
検索対策(キーワード選定)
新生Yahoo!ショッピングの検索結果は、統合前のYahoo!ショッピングと大きく変わる所はありません。
新生Yahoo!ショッピングの検索結果も、デフォルトで「おすすめ順」が表示され、さらにその上に「優良配送商品」が上位に表示されるフィルターがかけられています。
Yahoo!ショッピングでは商品スコアで表示順位のベースが決まりますが、PRオプションや優良配送商品の強化なども関係し、自然検索ランキングの効果測定が非常に難しくなっています。
ただし、ユーザーが任意で優良配送フィルターの解除や、並び順を「価格の高い安い」「レビュー件数」「レビュー点数」「割引率の高い順」への並び替えを指定可能になっているため、商品スコアを高めて検索順位を上げる基本的な施策(SEO対策)は今後も行っていく必要があります。Yahoo!ショッピングにおけるSEO対策については以下の記事もご覧ください。
関連記事:Yahoo!ショッピングの検索上位表示に向けた最適化
ちなみに並べ替えを行うと、BSA(ブランドサーチアド)は表示されますが、IM(アイテムマッチ)は非表示になります。
キーワード選定方法
新生Yahoo!ショッピングでも、アクセスキーワード・トラッキングキーワードは、現状はストアクリエイタープロから取得できないため、営業担当にデータ提供を依頼する必要があります。
したがって、キーワード選定時には、通常閲覧可能な「サジェストキーワード」「競合キーワード」を確認し、選定していくことが重要です。
サジェストキーワードはYahoo!ショッピング上の検索窓に表示されるサジェストから確認でき、競合キーワードは競合店舗が商品名に入れているキーワードから選定していきます。
分析方法
新生Yahoo!ショッピングにおける分析方法ですが、オーガニック表示(自然検索ランキング)に関わるルールが「優良配送」「PRオプション」「商品スコア」など、影響を及ぼす要素が多岐にわたるため、検索対策(SEO対策)による純粋な効果測定が難しいのが実情です。
定点的な順位測定により、追加キーワードの要不要を判断することしかできない状況となっています。
改善方法
検索対策における改善方法として「定期的なキーワードの入れ替え」が挙げられます。
- 重要度【高】:商品名
- 重要度【中】:商品情報
- 重要度【小】:キャッチコピー
まずは「商品名」に含めるキーワードの入れ替えを優先度高く実施していく必要があります。
次に、自然検索ランキングに与える影響度合いとしては横並びですが、含有できるキーワード数が多い「商品情報」から対策していきましょう。
その後に「キャッチコピー」のキーワード入れ替えを検討していきます。
他にも、「スペック」や「プロダクトカテゴリ」などの対策も覚えておきましょう。特に「プロダクトカテゴリ」の対策は、上記の対策と合わせて取り組みたい非常に重要な施策です。内部的に検索対策に関わる部分もありますが、上記3つと併せて対策していくことを心がけましょう。
ちなみに商品名にSEO対策を施す場合、①ビッグワードは先頭に追加し、②文字数はYahoo!ショッピング出品商品の平均バイト数(=不明)、を意識して追加します。
日本語の平均バイト数はUTF-8で平均3バイトといわれているため、競合商品の商品名の平均値を割り出す際などに活用してください。
広告運用(ストアマッチ・メーカーアイテムマッチ・ブランドサーチアド)
検索対策と並行して取り組んでいただきたいのが「広告運用」です。
下記見出しでは「ストアマッチ広告」「メーカーアイテムマッチ広告」「ブランドサーチアド(BSA)」の特徴、運用上の注意点を紹介していきます。
ストアマッチ広告
ストアマッチ広告は「カテゴリ連動型広告」で、プロダクトカテゴリに紐づき、「カテゴリ下層ページ」「検索結果」「Yahoo!ショッピングのトップページ」などに表示されます。
運用上の注意点としては、あくまでカテゴリ連動型広告のため、カテゴリページ表示がメインになりますが、Yahoo!ショッピングの特性上、検索結果経由の流入が流通の6割前後を占めていますので、運用の調整が難しい傾向にある点が挙げられます。
メーカーアイテムマッチ
メーカーアイテムマッチ広告も、メーカーさん向けのストアマッチ広告で、同じく「カテゴリ連動型広告」です。
ストアマッチ広告との大きな違いは「KW入札ができる点」といえるでしょう。
運用上の注意点としては、露出箇所がストアマッチ広告と同様のため、見た目で何が露出されているのかが分からないデメリットが挙げられます。
ブランドサーチアド(BSA)
よく「BSA」と呼ばれますが、正式名称は「ショッピングサーチブランドアド」です。
広告の種類は「検索連動型広告」で、検索結果上部に表示されます。
特徴には、①ストアマッチ広告よりも上部表示されること、②KW配信のみ可能、の2点があります。
運用上の注意点として、店舗ロゴ1つ+3商品を1枠でまとめて広告に出すため、1商品でも販売できない状態になると配信が止まってしまうリスクがあり、注意して在庫管理を行わなければなりません。
また、審査出しの対応が適宜発生するため、こまめな管理画面確認と対応作業が必要です。
まとめ
今回は新生Yahoo!ショッピングの運用の中でも、集中して売上を上げるために必要な「検索対策」と「広告運用」についてご紹介しました。
新生Yahoo!ショッピングは他ECプラットフォームにはない「表示ブースト機能」を保有する媒体ですので、その特徴を最大限味方につけて運用を行う柔軟性が求められます。
もし「他ECプラットフォームとの並行運用」や「人材リソースが不足している」といった事情をお持ちの場合は、1度弊社へお気軽にご相談ください。
実際に発生している課題のご相談や導入事例のご提供などにも対応しておりますので、ぜひご連絡くださいませ。
Yahoo!ショッピングに関するよくある質問
- Yahoo!ショッピングとは、何ですか?
- Yahoo!ショッピングは、国内ECモール市場では「楽天市場」「Amazon」に次いで、3番目に売上高の多いECモールです。2022年10月12日に、PayPayモールがヤフーショッピングに統合される形で「新生Yahoo!ショッピング」が誕生しました。
- Yahoo!ショッピングと、Amazonや楽天市場などの違いは何ですか?
- 出店料や売上マージンが無料なこと、LINEギフトと注文連携が実現したことなどがありますが、詳しくは本記事をご覧ください。