【最新版】AmazonのABテスト機能「比較テスト」の作成方法から注意点まで徹底解説
Amazonに出店している事業者の方で、
「ABテストを行って、さらに売上アップを目指したい!」
「でも、どうやってABテストを活用したら良いのかわからない…」
といったお悩みを抱えている方はいませんか?
Amazonには、2022年の2月頃からABテストが行える「比較テスト」機能が実装されています。この機能を活用することで、転換率やクリック率の高いパターンを把握する事が可能です。
本記事では、Amazonの比較テスト(ABテスト)を利用するメリットやデメリットから、比較テスト(ABテスト)を作成する方法までの詳細について解説します。
Amazonの比較テストを活用することで、少ない時間や労力で効果検証を行うことができます。売上施策を検討している方は、本記事を参考にしてABテストを活用してください。
Amazon「比較テスト機能」とは
Amazonの「比較テスト」とは、1つの商品に対してAとBの2通りのパターンを表示して、広告効果を比較検証できる機能です。「ブランド登録」をしていれば誰でも利用できる仕様に変更されています。
Amazonの比較テスト(ABテスト)で効果検証できる項目は、以下の通りです。
- ブランドの商品名
- 商品説明
- メイン画像
- 商品紹介コンテンツ(A+)
- 商品仕様
現在、5つの項目の効果検証が可能ですが、実はこれらの項目は、Amazonに比較テスト機能が実装されてから徐々に増えていきました。そのため、これからも検証できる項目の増加や仕様の変更が見込まれます。
比較テスト(ABテスト)を利用する際は、仕様に変更がないかを確認することをおすすめします。
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引用元:Amazon Seller central「比較テストの管理」
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比較テストを利用するメリット
ここまで、Amazonの比較テスト(ABテスト)の概要について解説してきました。ここからは実際に利用することで、どのようなメリットがあるのか以下の2つのメリットについて解説します。
Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施するメリットは、以下の通りです。
1.より効果的な検証結果を把握することができる
2.短期間かつ労力をあまりかけずに検証が可能
より効果的な検証結果を把握することができる
これまでの方法では、正確な検証結果を得られないABテストしか実施できませんでした。
なぜなら、AとBの2通りのパターンを用意しても、同時に効果検証を行うことができなかったからです。
従来の方法だと、1回目の期間中はAパターンで表示を行い、2回目の期間中はBパターンで表示をして検証するような方法しか取れなかったため、検証期間が異なる点がネックでした。
そのため、どうしても正確な検証結果を得ることが難しかったのです。
しかし、今、機能として実装されているAmazonの比較テスト(ABテスト)では、同時に効果検証ができます。このことから、より効果的な検証を行うことができるようになりました。おかげでABテストで広告効果を検証しながら、より成果の出るページへと改善できます。
また、Amazonの比較テスト(ABテスト)を行うことで、関連する多様なデータをまとめることが可能です。売上だけではなく、転換率や販売数量、サンプル数などが一覧で確認できるようになっています。
本機能のおかげで、さらに効果的な検証結果を把握できます。
短期間かつ労力をあまりかけずに検証が可能
前述しましたが、これまでは2通りのパターンを用意して、それぞれのパターンを別の期間に効果検証を行う方法しかありませんでした。
そのため、それぞれのパターンの画像やテキストを、表示したい期間前に追加したり変更を行うことが必要でした。
しかし、現在はABテスト用に商品ページの用意や追加・変更を行う作業は必要ありません。簡単に設定が可能です。
2通りのパターンを用意して、一度設定を行うことで、Amazonが自動的に配信をしてくれます。ユーザーによってパターンを分けて配信できるため、少ない時間や労力で比較検証することが可能です。
無料で利用可能なツールですので、ぜひAmazonの比較テスト(ABテスト)機能を活用することをおすすめします。
比較テストを利用するデメリット
メリットの多いAmazonの比較テスト(ABテスト)機能ですが、反対にデメリットはあるのでしょうか。
デメリットとしては、以下の2点が懸念されます。
1.一定数のトラフィック獲得が必要
2.場合によっては効果が落ちる
それぞれの項目について、解説します。
一定数のトラフィック獲得が必要
Amazonの比較テスト(ABテスト)で正確な検証結果を得るためには、事前にトラフィックの獲得が必要になる点がデメリットのひとつです。
一定数のトラフィック獲得が必須のため、比較テストを行う前にユーザーから閲覧されるようなページ作りを行わなければいけません。
一例ですが、一般的なWebサイトの運営でも、トラフィック数が少ない場合は効果的な分析ができないことが多いです。トラフィックが少なすぎたり、設定している検証期間が短すぎたりすると、せっかく効果検証を行ったとしても数値の信憑性が乏しくなります。
正しい検証結果のデータを得るためにも、Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施する前にページ作りから行うようにしましょう。
場合によっては効果が落ちる
Amazonの比較テスト(ABテスト)を行うことで、場合によっては効果が落ちるリスクがあることも理解しておかなければいけません。
そもそも、Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施する際には、AパターンとBパターンを明確に差別化させることが重要です。なぜなら、仮説の検証を行うためにも、それぞれのパターンに特徴を与える必要があるからです。
そのため、メイン画像の比較テストを行った場合にクリック率が減少したり、商品名を変更した結果、アクセス数が減少するリスクも存在します。
Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施する際には、こうしたリスクを理解した上で慎重に進めてください。
Amazon比較テストの作成方法
Amazonの比較テスト(ABテスト)のメリット・デメリットを把握した上で、ここからは比較テストの作成方法について解説します。
基本的に、Amazonの比較テスト(ABテスト)は、ブランド登録をしている店舗のみが利用できるサービスです。
ブランド登録を行っている前提で進行しますので、ブランド登録をしていない方は登録してから作成を行うようにしてください。
まずは、比較テスト作成までの大まかな流れです。
1)セラーセントラルから比較テストのページにアクセスする
2)「新規の比較テストの作成」から検証したい項目をクリックする
3)テストを行いたいASINを選択する
4)比較テストの作成画面から2通りのパターンを登録する
5)比較テストのスケジュールを設定する
6)承認されれば、テストが開始される
順番に説明します。
(1)セラーセントラルから比較テストのページにアクセス
まずは、Amazonのセラーセントラルページにログインしてください。
ログイン後、上部にある「ブランド」を選択し、「実験の管理」に進んでください。
ここから、比較テストのページに移ることができます。
(2)「新規の比較テストの作成」から検証したい項目を選択
実験の管理から「比較テストの管理」ページに入ったら「新規の比較テストの作成」を押下してください。
次に進むと、比較検証を行いたい項目を選択できます。
商品紹介コンテンツ、商品仕様、メイン画像、商品説明、商品名の項目から選択できます。検証したい項目をクリックしてください。
(3)テストを行いたいASINを選択
検証したい項目をクリックすることで「カタログを参照して参照ASINを閲覧する」という表示のポップアップが出てきます。
ここに、現在比較テストが可能なASINが表示されます。
また、表示されているASIN以外で、比較検証を行いたいと考えているASINがある場合は、検索窓から探すことができます。ABテストを行いたいASINを検索して、選択を行ってください。
(4)比較テストの作成画面から2通りのパターンを登録
ASINを選択すると、次は比較テストの作成画面が出現します。
「バージョンAとバージョンBを入力してください」という表示が出てくるので、ここからは各項目に合わせて入力を行います。
ちなみに、バージョンAには現在設定している内容が表示されるようになっています。 そのため、基本的には、現在の表示と比較したいものをバージョンBの方に追加・更新していく形で入力を進めていきます。
(5)比較テストのスケジュールを設定
各項目の入力が完了したら、次はAmazon比較テスト(ABテスト)のスケジュールを設定します。スケジュールで入力する内容は以下の通りです。
- 比較テスト名
- 仮説 ※任意
- 期間(開始日、終了日の設定)
それぞれの項目の入力が完了次第、コンテンツの内容がAmazon側に送信されます。
(6)承認されれば、テストが開始される
送信されたコンテンツの審査が終了し、無事に承認されれば、テスト開始日からAmazon比較テスト(ABテスト)が始まります。
ちなみに「仮説」という任意の項目があります。
ここは、予測される効果や仮説内容を記載しておくスペースです。
設定しなくても特別問題はありませんが、自分で予測される効果や仮説を記載しておくことで、実際の検証結果と自分の仮説を比較できます。
設定した結果、予想通りの広告効果が発揮できたのかなどを確認できることから、分析に役立つ場合があります。そのため、できれば入力しておくことをおすすめします。
比較テストを活用する際の注意点
Amazonの比較テスト(ABテスト)を活用する際に、気をつけたい注意点があります。
それは、以下4つのポイントです。
1)実施できる比較テスト(ABテスト)は1つのASINに対して1種類
2)トラフィックが少ないASINは比較テストの対象にならない
3)コンテンツに差をつけ目的を明確にする
4)ガイドラインを遵守する
違反することで、場合によってはABテストの実施ができなくなるケースがあります。
Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施する前に、それぞれの項目についてガイドライン違反を行っていないか、改めて確認しましょう。
実施できる比較テスト(ABテスト)は1つのASINに対して1種類
Amazonの比較テスト(ABテスト)は、1つのASINに対して1種類の検証しか行うことができない仕様になっています。
そのため、1つのASINで商品名のテストを実行しながら、メイン画像のテストも同時に行うような効果検証はできないため注意が必要です。
もし、複数の項目のABテストを行いたい場合は、一種類の検証が終わってから次の項目の検証を行うような形になるでしょう。
一度に複数の項目を比較検証できないことを、念頭に置いてください。
トラフィックが少ないASINは比較テストの対象にならない
デメリットのひとつとして、Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施するためには、一定数のトラフィックが必要だということを前述しました。
トラフィック数が少ないと、信憑性の乏しい効果検証になってしまうことを懸念したデメリットでしたが、実はこれとは別の注意点があります。
それは、トラフィック数が少なすぎるとブランド登録をしているASINであっても、Amazon比較テスト(ABテスト)の対象にならない仕組みになっているところです。
トラフィックが足りず、利用資格を満たさないASINは、そもそも選択ができないようにグレースケールで表示されています。
Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施したいASINが利用資格を満たしているかどうかは、比較テスト作成ページの「参照ASINの選択」部分で分かるようになっています。ASINのステータスが対象になっているかどうかを確認するようにしてください。
コンテンツに差をつけ目的を明確にする
Amazon比較テスト(ABテスト)を行う際は、各コンテンツに大きく差をつけて検証するように注意してください。
なぜなら、コンテンツにあまり差がない場合は、効果的な検証結果を得られない場合があるからです。
一例ですが、商品のメイン画像の検証を行う場合、Bパターンは全く違ったタイプの商品画像で検証することがおすすめです。
メイン画像の一部を変更するような形でBパターンを用意してしまうと、AパターンとBパターンで大きな差がありません。こういったケースの場合は、折角時間をかけてテストを行っても、検証結果に違いが表れにくいです。
コンテンツであれば、テキストの一部を変更するような形ではなく、レイアウトを変えたり、画像を変更するなどしたパターンを用意するのがおすすめです。
ユーザーに見てもらうテキストの順番や見栄えを変更するなどして、きちんと差があるものでAmazonの比較テスト(ABテスト)を行うようにしましょう。
ガイドラインを遵守する
ここまで、Amazonの比較テスト(ABテスト)を実施する際には、AとBのパターンに明確な差をつけることを推奨してきました。しかし、Amazonの比較テスト(ABテスト)を行うためには、Amazonのガイドラインを遵守していることが必要です。
そのため、テストの申請前に、Amazonで基本的に遵守すべき規約をクリアしているかどうかを確認するようにしてください。
たとえば、文字数制限や画像設定などについてです。
商品名はスペースを含めて200文字以下に設定しなければいけないというルールが設定されています。そのため、文字数制限を守っているか、メイン画像は白抜きで設定しているかなどの基本的な部分を遵守しているか確認してください。
Amazonの規約に反している内容を設定した場合は、Amazon側でABテストの申請が却下されてテストが実施できないケースがあります。
したがって、比較テストのガイドラインではなく、通常のAmazon全体の利用規約やガイドラインを守るように気をつけましょう。
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参考:Amazon「A+ コンテンツ ガイドライン」
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まとめ
Amazonの「比較テスト」機能は、ブランド登録をしていれば無料で利用できる便利なツールです。
今までのABテストの手法とは違い、同じ時期に2通りのパターンを比較できることが、最大のメリットです。
同時に検証ができることから、トラフィックのあるASINに対して大きな労力をかけずに効果的なパターンを見つけることができます。
また、Amazon比較テスト(ABテスト)を通じて得られる各種データは貴重な情報源です。Amazon比較テスト(ABテスト)の機能をうまく活用することで、効率的に商品ページの改善を図りながら売上拡大を目指すことができます。
前述した通り、Amazon比較テスト(ABテスト)機能には、メリットだけではなくデメリットになるポイントも存在します。ですが、出店事業者にとってAmazonの比較テスト(ABテスト)機能は、これから必須のツールになるでしょう。
売上を最大化するためにも、本記事を参考にAmazon「比較テスト(ABテスト)」機能を積極的に活用しましょう。
Amazon「比較テスト」に関するよくある質問
- Amazonの「比較テスト」とは何ですか?
- 比較テストとは、1つの商品に対してAとBの2通りのパターンを表示して、広告効果を比較検証できる機能です。2つのパターンを同時期に比較することができるため、より正確な検証結果を得ることができます。
- Amazonの比較テスト機能では、どのような項目の効果検証ができますか?
- 2023年6月現在、比較テストで効果検証できる項目は、以下の通りです。
・ブランドの商品名
・商品説明
・メイン画像
・商品紹介コンテンツ(A+)
・商品仕様ただし、これからも検証できる項目の増加や仕様の変更が見込まれます。
比較テストを利用する際は、使用に変更がないかを確認することをおすすめします。