公開日：2023年11月7日
最終更新日：2023年11月17日

インターネットが日常生活の一部となり、自社ECサイトを運営する企業が増えています。しかし、単にECサイトを持つだけでは、なかなか集客や売上へと繋がらないのが実情です。

そこで鍵となるのが、自社ECサイトがGoogleやYahoo!といった検索エンジンで上位に表示されるための「SEO対策」です。

本記事では、自社ECサイトの売上アップに直結するSEO対策の重要性から、具体的な施策と注意点までを徹底的に解説します。自社ECサイトを運営する企業の経営者やマーケティング担当者はもちろん、自社ECサイトのSEO対策に興味がある方も是非参考にしてください。

自社ECサイトにSEO対策が重要な理由とは？

自社ECサイトにSEO対策を行う理由は、より多くの顧客をウェブサイトに誘導し、売上を向上させるためです。近年、消費者の購買行動は大きく変化し、商品やサービスを探す際に、多くの人々がまず検索エンジンを利用するようになりました。

そのため、自社ECサイトが検索エンジンの上位に表示されることで、潜在的な顧客のアクセス数が増加します。そしてアクセス数が増えると、自然とユーザーの購入機会も増え、自社ECサイト経由の売上向上に繋がります。

また、SEO対策を行うことで、ウェブサイトのユーザビリティを高めることが可能です。SEO対策とは、単に検索エンジンでの上位表示に最適化するだけではなく、ユーザーにとって価値ある情報を提供し、使いやすいウェブサイトを作ることも含みます。

その結果、ユーザー滞在時間の延長やリピート訪問といった長期的な利益を得ることができます。自社ECサイトにSEO対策を行う重要性は、このように多面的であることを理解しておきましょう。

自社ECサイトのSEO対策に欠かせない6つの施策

自社ECサイトのSEO対策に欠かせない施策として、以下の6つがあげられます。

適切なキーワード選定

適切なキーワード選定は、自社ECサイトのSEO対策において絶対に欠かせません。顧客が商品を探す際、検索エンジンには多くのキーワードが入力されます。そこで大切なのが、自社の商品やサービスに合致した「キーワード」を選び、それを上手にサイト内の各ページに配置することです。

まずは、自社の商品・サービスに関連する一般的なキーワードを洗い出しましょう。その後、Googleの「キーワードプランナー」などのツールを用いて、それらのキーワードの検索ボリュームや競合度を調査し、より効果的なキーワードを絞り込んでいくのがベストです。

また、シーズン性やトレンドも考慮に入れたキーワード選択も重要です。一定の時期や流行によって、検索されるキーワードは変動しますので、時期に応じたキーワード選定を忘れずに行いましょう。

ただし、選定したキーワードは適度に使用することが大切です。過剰なキーワードの使用はGoogleのペナルティ判定を受ける可能性があります。

タイトルに最適なキーワードを含める

自社ECサイトのSEO対策においては、タイトルに最適なキーワードを含めることが重要です。なぜなら、検索エンジンはタイトルタグからサイトの内容を理解し、その情報を検索結果として表示するための基準を決定するからです。

まずは検索ボリュームが高く、かつ自社の商品やサービスと密接に関連するSEOキーワードを見つけ出すことから始めましょう。そのためには、Googleのキーワードプランナーや、各社が提供するSEOツールを活用する必要があります。

次に、そのキーワードをうまくタイトルに組み込むことが求められます。その際、ただキーワードを並べるのではなく、検索ユーザーにとって魅力的かつ具体的な内容を心掛けましょう。

ディスクリプションを再考する

ディスクリプションは、検索結果やSNSで表示されるウェブサイトの説明文のことです。検索ユーザーがクリックするか否かの判断材料となり、SEO対策において大変重要な要素となります。

第一に、ディスクリプションには該当ページの具体的な内容を反映させるよう心がけましょう。それによって、ユーザーにとって興味を引く内容であることを伝え、訪問を促すことが可能となります。

次に、ディスクリプションは各ページごとにユニークにすることも大切です。同じディスクリプションを多数のページで使用してしまうと、検索エンジンから重複コンテンツとして認識されてしまう可能性があります。

最後に、ディスクリプションにもキーワードを適切に含めることを忘れないでください。ただし、キーワードを無理に詰め込みすぎると「キーワードスタッフィング」と見なされ、検索順位を下げる要因となりますので、自然な文章内にキーワードを配置することが大切です。

コンテンツを充実させる

自社ECサイトのSEO対策として欠かせないのが、コンテンツの充実です。商品説明だけでなく、購入者が知りたいであろう情報を豊富に提供することで、ECサイトの価値を高め、検索エンジンからの評価も上がります。

まず、商品説明は詳細かつ分かりやすい表現を心掛けましょう。商品の特徴、使用方法、対象者など、購入者が知りたい情報を網羅的に記載します。

また、商品レビューやQ&Aコーナーを設けるのも効果的です。ユーザーからの生の声や、よくある疑問を解決する情報は、他のユーザーにとっても有益であり、ページ訪問時間の延長にも繋がります。

加えて、関連商品の紹介も効果的です。購入者が探している商品と関連性の高い商品を表示することで、購入意欲を刺激し、サイト内の回遊率を上げることが可能です。

このようにユーザーが求める情報を提供することで、サイトの滞在時間やクリック数を増やし、検索エンジンからの評価を上げることができます。

クローラに認識されやすい画像情報にする

ECサイトの魅力は、その見た目に大きく影響されます。美しい商品画像はユーザーの購買意欲を刺激し、クリック率を上げる効果があります。しかし、検索エンジンのクローラーは画像を直接認識することはできません。そのため、以下のような手法で「画像情報」を最適化することが求められます。

ファイル名：画像には意味を持つ名前をつけ、ハイフンで区切ります。例えば、「red-sneakers」のような形式が理想的です。

alt属性（代替テキスト）：画像が表示されないときに表示するテキストを設定します。ここには、画像の内容を詳細に記述します。

キャプション：必要に応じて画像に説明文（キャプション）を加えます。これは記事上でも可視化されるため、ユーザーにとっても有用な情報となります。

以上の手法によって、クローラーに「画像情報」を適切に伝えられるため、商品の魅力を最大限に引き出すことが可能です。

構造化データマークアップを行う

構造化データマークアップとは、ウェブページのコンテンツを検索エンジンが理解しやすい形で整理・表現する手法のことを指します。構造化データマークアップを行うことで、検索結果ページでの表示が改善され、クリック率の向上に繋がります。

具体的には、商品の価格やレビューのスコア、在庫情報など、ECサイト特有の情報を構造化データとしてマークアップします。これによって、検索結果に以下のような情報が直接表示されるようになります。

このように構造化データマークアップを行うと、ユーザーは検索結果画面だけで商品の詳細情報を得られるため、自社ECサイトへの訪問意欲を引き立てることができます。自社ECサイトのSEO対策としては必須のアクションと言えるでしょう。

自社ECサイトのSEO対策を行う際の5つの注意点

自社ECサイトのSEO対策を行う際の注意点として、以下の5つがあげられます。

インデックスされているか

自社ECサイトを運営する上で、最初に確認すべきことの一つが「インデックス」です。これは、検索エンジンがウェブページの存在を認識し、検索結果に表示するための一連のプロセスのことを指します。

まず、Googleの無料ツール「Google Search Console」を使用して、自社のECサイトがGoogleにインデックスされているかどうか確認しましょう。ツール上の「URL検査」を選択し、調べたいURLを入力することで可能です。

また、特定のページがインデックスされていない場合や、インデックスされるのに時間がかかる場合は、その原因を突き止めることも重要です。

例えば、ウェブページがnoindexタグを含んでいる場合、Googleはそのページをインデックスしません。その他、robot.txtファイルがページをブロックし、クローラーがページを訪れるのを防いでいる可能性もあるため確認が必要です。

以上のように、自社ECサイトのSEO対策として「インデックスされているか」は基本的なポイントですが、同時に重要かつ必須の要素となります。

モバイルフレンドリーな設計か

自社のECサイトがSEO対策を行う上で重要なのが、モバイルフレンドリーな設計です。これにはスマートフォンやタブレットからアクセスした際にも、快適に使用できる仕様のことを含みます。

現在のインターネット利用者は、PCよりもモバイル端末からのアクセスが大半を占めています。そのため、モバイルで見やすく、使いやすいサイト設計はSEO対策の観点からも重要です。

これらを実現することで、利用者が快適にサイトを利用でき、良い評価を受けやすくなります。また、Googleもモバイルフレンドリーなサイトを評価しているため、ランキングアップも期待できるでしょう。

重複コンテンツはないか

自社ECサイトでSEO対策を行うにあたり、重要な視点の一つが「重複コンテンツ」の有無です。重複コンテンツとは、同一または非常に似通った内容のページがサイト内に複数存在する状況を指します。

Googleなどの検索エンジンは、ユーザーにとって有用な情報を提供することを最優先に考えています。したがって、同じ内容のページが複数存在すると、それがユーザーにとって混乱を招く可能性があります。そのため、検索エンジンはこれを避けるように設計されており、重複コンテンツが見つかるとそのページのランキングを下げる可能性があります。

この問題を解決するためには、まず自社ECサイト内で重複しているコンテンツがないか確認することが必要です。

これには専用のSEOツールやGoogle Search Consoleの「URL検査ツール」を活用すると良いでしょう。発見した重複コンテンツは、異なる視点からの情報提供や具体的な事例の追加など、適切な修正を行うことで、SEO対策をより強化することが可能です。

表示速度（ページスピード）は強化できているか

ユーザー体験とSEOの両面に影響を与える重要な要素が、ページの表示速度です。Googleも公式にページスピードをランキング要素と認定しており、特にモバイル表示での速度が重視されています。表示が遅いと、訪問者が離脱する可能性が高まり、その結果、検索エンジンからの評価も低下する可能性があります。

具体的な改善方法としては、「画像の圧縮」「不要なCSSやJavaScriptの削除」「キャッシュ活用」などがあります。これらは専門的な知識を必要とするため、自社で手が出せない場合は、専門の会社に依頼することも検討しましょう。

また、実際の速度を計測するツールも多数存在します。Googleが提供する「PageSpeed Insights」や「WebPageTest」などは、具体的な指摘と改善策も提示してくれます。

表示速度の最適化は、ECサイトのユーザビリティ向上とSEO対策の両方に貢献します。頻繁にチェックし、改善を続けていきましょう。

情報保護のためSSL化されているか

自社ECサイトのSEO対策にも、ユーザーにとって安心・安全な環境を提供するための「SSL化」は欠かせません。

SSL（Secure Sockets Layer）は、インターネット上で情報を安全にやり取りするための通信規約の一つです。SSL化されたサイトでは、ユーザーが入力した情報が暗号化され、第三者に情報が漏洩するリスクは極めて低くなります。

Googleは、2014年以降SSL化されたウェブサイトを評価し、検索結果のランキングに反映しています。つまり、SSL化はSEO対策としても有効であると言えます。

しかし、SSL化を行う際は、証明書の取得や設定が必要となります。また、一部の古いブラウザでは正常に表示されない可能性もありますので、適切な対応が求められます。

自社ECサイトの安全性を高め、ユーザーに信頼感を持ってもらいつつ、SEO対策も進めるためにSSL化は必須の対策となるでしょう。

まとめ

自社ECサイトのSEO対策は、検索上位表示と売上向上に直結する重要な施策です。そのためには、適切なキーワードの選定とタイトルへの反映、ディスクリプションの再考、コンテンツの充実といった基本的なSEO対策を行うことが必須です。さらに、クローラーに認識されやすい画像情報の整備と構造化データマークアップも効果的です。

また、サイトが適切にインデックスされているか、モバイルフレンドリーな設計がなされているか、重複コンテンツが存在しないか、表示速度が高められているか、そしてSSL化がなされているかといった点も確認しましょう。

これら全ての要素がバランス良く整えられて初めて、効果的なSEO対策が実現します。一つひとつ丁寧に見直し、最適化を行うことで自社ECサイトを成長させていきましょう。

自社ECサイトのSEO対策に関するよくある質問