公開日:2015年1月20日

いつも.コンサルが対談 EC市場の未来予測 中編

対談いつも.コンサルタントが提言こうなる2015年のECビジネス

大手企業のEC業界参入、M&A、ヤフーショッピングの無料化など、激動をたどるEC業界。価格競争、新規企業の増加などで年々、EC企業を取り巻く経営環境は厳しさが増しています。競争が激しくなる環境下、生き残り続ける企業になるためには何が必要なのでしょうか。株式会社いつも.のコンサルタント3人が対談し、今後の業界展望などを語りあいました。 今回はその中編です。

小手先のテクニックは通用しない

立川:テクニック論はたくさんあるけど・・・。フェイスブックなどのソーシャルメディアも新しい集客の柱となる手法になっていない。高木さんはアメリカの新事例に詳しいけど、何か良い事例はありますか?
高木:現在、アメリカではオムニチャネルが一巡し、ソーシャルメディアの活用に注目が集まってきています。日本でも14〜15年にオムニチャネルが流行し、その2〜3年後にソーシャルメディアでどのように集客するかに注目が集まる時代になるのではないでしょうか。
羽田野:日本は現在、ビッグワードでSEO対策をしても順位が上がらない状況です。良いコンテンツをたくさん作らなければ上位表示するのが難しい。
高木:当社のクライアントであるメンズアパレルのECを手掛ける企業が事業規模を伸ばしているのはSEOが強いから。良いコンテンツをたくさん作っています。内容はネクタイの結び方からチーフの畳み方など大きいことから小さいことまでさまざま。コンテンツ作りに積極的に投資をしています。そう考えると、資本の少ない企業はコンテンツ作りに力を注ぐしかないのではないでしょうか。良質なコンテンツを作り、セルフブランディングをしていく。そして、フェイスブックページなどのソーシャルメディアに載せて、拡散させていくといった手法がベストだと思います。
羽田野:売チャネルをネットショップに限らないというのも重要だと思います。例えばネットショップで作った商品を実店舗で展開するなど。一昔前もあったけど、ネットで新規顧客を獲得するのが難しくなっているため、新しいチャネルとして実店舗にチャレンジする企業が増えるかもしれない。ただ、販売チャネルの1つではなく、「ブランディング」の一環としてアンテナショップを出すことが必要になるかもしれません。
立川:まとめると、大きな投資ができる会社でなければ今後生き残れないという現実が待っているのでしょうね。サイトや商品をブランディングするための投資マインドが乏しい企業は厳しくなるだろうね。僕はこうした環境を含めこれからは、自社サイトを見直す「自社サイト再生」の年になると思っている。いつも.は総合的に自社サイト運営を支援する体制が整っているから、自社の売り上げを伸ばしたい企業の支援を強化していきたい。

歴史のない新規参入企業の成長は難しい

新規参入する企業にとっては難しい環境になっています。
高木:今後、新たにサイトを立ち上げる店舗は何が必要になると思いますか。
立川:会社や販売商品に「歴史」がないと新規参入しても成長するのは難しいのではないかな。例えば、食の老舗企業とか、実店舗のブランド力が高いとか。ゼロからスタートするには、ある程度の投資が必要になってきますからね。
高木:もう、知恵でECサイトを運営する時代ではなくなった。当社は楽天などのモール内での商品検索からの流入を増やす「モールマーケティング」という代行サービスを提供していますが、効果が出ています。小手先のテクニックに見えますが、他の店舗がやっていないことを徹底的に行うというコンセプトがあります。どの店舗も行っていない取り組みを極めることで、売り上げを伸ばすことはまだまだできる状況にあると思います。
羽田野:クライアント先を訪問していると、モールでの販売に関して閉塞感を抱いているEC企業が多いけど、伸びている会社はモール全体の伸び率を気にしています。聞いてみると、モールの伸び率以上に会社が成長しなくなったら危険だと思っているんです。皆さんの共通認識で、モールで成長している店舗の共通点って何だと思いますか。
高木:モールをうまく活用している、つまりあまり広告に予算を投じていないってことかな。
羽田野:売り上げ規模が小さいのに広告に予算を投じ過ぎて痛い目を見るパターンが多いですよね。規模が小さいEC企業は、モール側の提案を検証せずに広告枠を購入してしまうケースが多いと思います。
高木:近年の楽天市場で最も売れた広告は「スーパーセール」。楽天が行ったテレビCMで新規利用者が増えたので、その分、広告も売れました。でもその効果はいつまで続くか分からないですよね。広告で効果的に売り上げ伸ばすのは年々難しくなっていくと思います。

 

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