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【2024年05月版】業界トレンドトピックス

EC業界トレンドトピックス

2024年05月のEC業界のトレンドトピックスを抜粋して考察とともにご紹介します。

国内ニュース

Amazon、九州初の生鮮食品ECを福岡で開始

Amazonが福岡を中心に店舗を展開するマルキュウと提携し、ネットスーパーを開始するとの報道がありました。Amazonはこれまでにもライフ、成城石井、そして関西が地盤のバロー、北海道、東北、北関東が地盤のアークスといったスーパーと提携しています。今回の提携はAmazonとしては初の九州の事業者との提携です。
経済産業省発表の電子商取引市場調査によれば、22年の「食品・飲料・酒類」のEC化率は16%と低く、同分野におけるECの伸び代は高いことが分っています。Amazonは楽天西友ネットスーパーやイオンなどとの激しい競争を繰り広げています。今後さらに同分野のEC市場規模が大きくなることが期待されます。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001846.000004612.html

 

楽天、能登半島地震で被害を受けた地域の事業者を支援する特設ページを公開

楽天グループは能登半島地震で被害を受けた地域の復興支援を目的に、楽天市場において特設ページ「北陸げんき市 買って応援!食べて応援!北陸4県 お買い物deエール」を5月17日に開設しました。同社によれば、石川県、富山県、福井県、新潟県から1,800以上店舗が参加するとのことです。これはとても大きな規模です。
悲惨な震災からの復興を支援するために、官民挙げて支援の輪が広がっていることは周知のとおりです。ECでも被害を受けた地域の復興をお手伝いすることが可能なことを、今回の楽天グループによる取り組みが示しています。地方産品とECは親和性が高いことから、同社に限らずECによる支援の輪がさらに広がることを期待します。
参考:https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2024/0517_01.html

 

博報堂がAIを使用したコミュニケーション技術の特許を取得

博報堂は、AIとの会話から消費者の興味や好みに関する潜在的なニーズを自動的に発掘し、その内容を基に商品をレコメンドするコミュニケーション技術の特許を取得したと発表しました。
AIが人間の言葉を理解してコミュニケーションするサービスは既に実現しています。今回のケースでは、消費者とのチャットでのやりとり内容に基づいて、会話の自然な流れのなかで適切なタイミングを計ってAIがレコメンドする点がポイントです。あたかも人間の販売員がリアルな会話を通じて消費者を理解し、絶妙なタイミングで商品を勧めるかのようなイメージです。今回の発表は、AIの活用がさらに一歩進んだものということができるでしょう。
参考:https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/110221/

 

アジアをリードする自社ECサイト構築サービス「SHOPLINE(ショップライン)」が日本進出

ECモールで商品を販売せず、自社で独自にECを展開する場合、カートシステム等を活用するケースは多いと思います。国産のカートシステムも多くありますが、海外発のカートシステムではShopifyが有名でしょう。SHOPLINEも海外発のカートシステムであり、日本法人のSHOPLINE Japan株式会社によれば、アジア圏を中心に世界で60万以上のEC事業者が活用しているとのことです。
今回の同社の日本進出により、日本の事業者が自社ECを展開する場合の選択肢がもう一つ増えることになります。ECで商品を販売したい事業者にとって多くの選択肢が提供されることは良いことです。一方、カートシステムを提供する企業はさらなる競争の激化が予想されます。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000141754.html

 

「モール内広告が購入に影響」との回答が4%(ディーエムソリューションズ「ウルロジ調べ」)

EC物流代行サービス「ウルロジ」などインターネット事業等を展開しているディーエムソリューションズ株式会社が行った消費者アンケートによれば、「ECや通販での購買に直接影響のあったオンライン上でのプロモーション」という問いに対し「モール内広告が購入に影響」との回答が54.4%と、過半数に達していることがわかりました。
他の回答候補にはメルマガ、検索エンジンでの広告、SNSでの広告がありましたが、それらを抑えてモール内広告がトップという結果です。デジタル広告の中で、近年はモール内広告の存在感が増しています。このアンケート結果はそのトレンドを数値で証明したものと言えるでしょう。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000047389.html
https://ul-logi.jp/blog/customerattraction-promotion/degital-advertising_imp_m/

 

 

海外ニュース

Amazon、2024年第1四半期は前年同期比で売上高が伸長し営業利益も3倍以上に増加

米国Amazonは、4月30日に2024年の第1四半期(1月~3月)の事業成績を発表しました。売上額は北米が863億USドル(約13兆円)で前年同期比3%増、北米以外が319億USドル(約4.8兆円)で9.7%増、AWS事業が250億USドル(約3.8兆円)で17.2%増となっています。また、全体の営業利益は153億USドル(約2.3兆円)で、前年同期の48億USドル(約0.7兆円)から3倍以上に拡大しています。
営業利益が大きく拡大していますので、コストを削減したものと想定されます。北米、北米以外、AWSいずれも堅調な結果となっており、数字を見る限り同社の経営状況は今のところ盤石であるように思われます。
参考:https://ir.aboutamazon.com/overview/default.aspx

 

SHEINでの購入商品をForever21の店舗で返却可能に

米国で、アパレルECサイトを運営するSHEINと返品サービス事業を展開する「Happy Returns社」が提携しました。これにより消費者はSHEINで購入した商品を、アパレル店舗を多数展開するForever21の実店舗で返品することが可能となりました(Forever21はHappy Returnsと元々提携済み)。
ECで購入し店舗で受け取る仕組みを「BOPIS」(Buy Online Pick up In Store)と呼びます。さらに進んで、ECで購入して一旦受け取った商品を店舗で返品できる仕組みは「BORIS (Buy Online Return In Store)」と呼ばれています。今回のケースはまさにBORISであり、かつライバルであるアパレル企業同士を結ぶ提携となっている点が斬新的です。BORISは消費者目線でのサービスであり、今後日本でもBORISの幅広い普及が期待されます。
参考:https://www.sheingroup.com/corporate-news/company-updates/shein-announces-partnership-with-happy-returns/

 

今後も毎月、EC業界のニュースをピックアップしてご紹介いたします。

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