公開日:2024年7月24日

FBA(フルフィルメント by Amazon)とは?メリットやデメリット~手数料や注意点まで徹底解説

FBA(フルフィルメント by Amazon)とは?メリットやデメリット~手数料や注意点まで徹底解説

近年、Amazonで商品を販売する企業が増加する中、注目を集めているのが「FBA(フルフィルメント by Amazon)」です。 FBAとは、Amazonが提供するフルフィルメントサービスのことで、出品者は商品をAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター)に納品するだけで、注文処理、梱包、発送、カスタマーサービスなど、ECサイト運営にかかわる業務をAmazonが代行してくれます。

従来のECサイト運営では、受注から発送、問い合わせ対応まで自社で行う必要がありました。 しかし、FBAを利用すれば、これらの業務をAmazonにアウトソーシングできるため、業務効率化を図りながら、販売活動に注力できます。

本記事では、FBAの利用メリットとデメリット、手数料、利用方法、注意点などについて詳しく解説していきます。

そもそもFBA(フルフィルメント by Amazon)とは?


FBA(フルフィルメント by Amazon)とは、Amazonが提供するフルフィルメントサービスです。フルフィルメントとは、ECサイトにおける受注から発送、返品までの業務全般を指します。

つまりFBAとは、これらの業務をAmazonに委託できるサービスのことです。

具体的には、以下の業務をAmazonが代行します。

出品者は商品をAmazonの倉庫に納品するだけで、あとはAmazonがすべて対応してくれるため、業務負担を大幅に削減できます。

アマゾンFBAの5つのメリット


Amazon FBAを利用するメリットとしては、下記のような点が挙げられます。

  • Amazonプライム対象商品になる
  • 業務負担を軽減できる
  • ショッピングカートボックスの獲得率アップが期待できる
  • ユーザー目線でメリットを訴求できる
  • FBAマルチチャネルサービスも活用できる

Amazonプライム対象商品になる(Primeマークが付与される)

FBAを利用する最大のメリットの一つに、出品した商品がAmazonプライムの対象商品になることが挙げられます。Amazonプライムとは、年間プラン5,900円または月間プラン600円の有料会員制プログラムです。

プライム会員になると、対象商品であればお急ぎ便・お届け日時指定便を無料で利用できたり、Prime VideoやPrime Musicなどのデジタル特典も利用できたりと、様々な特典を受けることができます。

FBAを利用すると商品に「Primeマーク」が付与され、多くのプライム会員の目に止まりやすくなります。そのため、FBAを利用してPrime対象商品になることは、商品の売上アップに大きく貢献すると言えるでしょう。

業務負担を軽減できる

FBAを利用する最大のメリットは、普段お客様対応で行っている業務の多くをAmazonに委託できる点にあります。

上表のように、お客様への発送から問い合わせ対応、返品・返金処理までAmazonが代行してくれます。そのため、出品者は販売戦略の立案や商品開発など、本来注力すべき業務に集中することができます。

また、FBAは24時間365日稼働しているため、注文の機会を逃さずに売上アップも見込めます。

ショッピングカートボックスの獲得率アップを期待できる

Amazonで商品を購入する際、商品ページの右側にある「カートに入れる」というボタンを見たことがあるでしょうか。実はこのボタンが表示されるエリアは「ショッピングカートボックス」と呼ばれ、購入率に大きく影響する重要な要素となっています。

Amazonは顧客満足度向上のため、ショッピングカートボックスに表示する出品者を様々な要素から判断して決定しています。そして、FBAはショッピングカートボックス獲得における重要な要素の一つと考えられているため、FBAを利用することで獲得率アップが期待できるのです。

ショッピングカートボックスを獲得できれば、多くの顧客の目に触れやすくなるため、販売機会の増加に繋がります。

決済方法の多様化や海外配送などユーザー目線でメリットを訴求できる

FBAを利用すると、購入者はAmazonが提供する様々な決済方法や配送オプションを利用できます。例えば、以下のようなメリットがあります。

購入者は、自身のニーズや状況に合わせて、最適な方法を選ぶことができます。 これは購入者にとって大きなメリットであり、購買意欲の向上に繋がります。また、海外配送にも対応しているため、海外のお客様への販売機会も広がるでしょう。

FBAマルチチャネルサービスも活用できる

FBAマルチチャネルサービスとは、Amazon以外のECサイトや実店舗などで販売した商品の在庫保管、注文処理、配送、返品などの業務をFBAに委託できるサービスです。

FBAマルチチャネルサービスを利用すれば、自社サイトなどで販売した商品もAmazonの物流網を使って発送することができます。そのため、自社で倉庫や配送システムを持つ必要がなく、低コストで効率的な物流を実現できます。

FBAマルチチャネルサービスは、複数の販売チャネルで商品を販売している事業者にとって、非常に便利なサービスと言えるため、マルチチャネル戦略、オムニチャネル戦略を推進するEC事業者は利用をぜひ検討してみてください。

アマゾンFBAの3つのデメリット


FBAを利用するにあたって、いくつかのデメリットも把握しておく必要があります。

費用が発生する

アマゾンFBAを利用する場合、商品の保管や配送など様々な業務をAmazonに委託することになるため、当然ながら費用が発生します。

主な費用としては、下記が挙げられます。

FBA手数料は、商品サイズや重量によって異なり、保管手数料は、保管する商品の容量と保管期間に応じて変動します。これらの費用を考慮した上で、FBAの利用を検討する必要があります。

倉庫内の商品の状態確認ができない

FBAでは、商品はAmazonの倉庫に保管されます。そのため、商品が倉庫内でどのように保管されているか、商品の状態はどうなっているかなどを自分の目で確認することができません。

商品を預ける以上、Amazonを信頼して任せる必要があります。万が一、商品に問題が発生した場合でも、Amazonの補償制度を利用することができます。

自社にEC運営のノウハウは蓄積されない

FBAは、販売業務の大部分をAmazonが代行してくれるため、たしかに効率的です。しかし、その一方で、EC運営に必要なノウハウを自社で蓄積できないという側面も持ち合わせています。

下記の業務をAmazonが代行することになるため、自社でノウハウを蓄積することができません。

  • 受注管理
  • 顧客対応
  • 在庫管理
  • 返品・交換対応
  • 配送に関する業務改善

そのため、将来的に自社ECサイトの運営や他のECモールへの出店を検討している場合は注意が必要です。FBAだけに頼らず、自社でもEC運営のノウハウを蓄積していく努力が重要と言えるでしょう。

アマゾンFBAにかかる手数料


アマゾンFBAを利用するには、いくつかの手数料が発生します。主な手数料は以下の通りです。

FBA利用者はこれらの手数料を踏まえて、販売価格を設定する必要があります。適切な価格設定を行うことで、利益を確保しながら、お客様にとっても魅力的な商品を提供することができます。

FBA利用までの4つのステップを解説


FBAを利用するにあたり、ここでは、商品登録から納品までの流れを4つのステップに分けて解説します。
1.商品をAmazonセラーセントラルに登録する
2.商品ラベルを作成し、商品に貼付する
3.商品を梱包し、送り状を貼付する
4.納品倉庫への納品手続きと発送処理を行う

特に、商品ラベルはFBA倉庫で商品を識別するために非常に重要です。誤りが発生しないよう、正確に作業できる体制を整えましょう。

商品を登録

Amazonで販売するには、まず販売したい商品をAmazonセラーセントラルに登録する必要があります。すでに他の出品者が商品登録している場合は、Amazonのデータベースから情報を引き出し、スピーディーに商品を登録できます。

他の出品者が出品していない場合は、 新規の商品情報として、商品名、商品説明、画像、価格など、必要な情報を入力する必要があります。

商品ラベルを作成し商品に貼付

商品登録が完了したら、次は商品ラベルの作成です。 商品ラベルは、FBA倉庫で商品を管理するために必要なラベルです。

商品ラベルは、セラーセントラルからダウンロードして印刷するか、Amazonのラベル作成サービスを利用して作成します。 ラベルは商品パッケージの目立つ場所に貼り付けましょう。

ラベルを貼り間違えると、FBA倉庫で商品が正しく識別されず、納品が遅延したり、納品不備受領作業手数料が請求されたりする可能性があります。 ラベル貼り作業は、正確に行いましょう。

商品梱包後送り状を貼付

商品を梱包したら、送り状を貼付します。 送り状はセラーセントラルからA4普通紙で印刷できるため、配送ラベル部分を切り取って、発送用の段ボールに貼り付けましょう。

納品倉庫への納品手続きと発送処理

発送の準備ができたら、セラーセントラルにて「クリックすると納品が完了します」をクリックします。その後表示される納品手続きの確認画面で、「出荷済みとしてチェック」をクリックすることを忘れずに行いましょう。

また、「お問合せ番号を入力」という欄には、配送業者から発行されたお問い合わせ番号を入力します。お問い合わせ番号を設定しておくことで、荷物が追跡できるため、万が一、配送中にトラブルが発生した場合でも、迅速に対応することができます。

以上で、FBAへの納品手続きは完了です。

アマゾンFBAを利用する際の2つの注意点


FBAを利用する際は、Amazon独自のルールや規定を遵守する必要があります。

Amazonの納品ルールが適用される

FBAを利用する際は、Amazonの定める納品ルールを守って商品を納品する必要があります。

主なルールとしては以下のようなものがあります。

これらのルールに違反した場合は、納品を拒否されたり、追加料金が発生したりする可能性があります。FBAを利用する前に、Amazonの公式ページで最新情報を確認するようにしましょう。

倉庫保管できない商材がある

FBAは便利なサービスですが、すべての商品を預けられるわけではありません。 Amazonの倉庫に保管できない商品には、以下のようなものがあります。

  • 日本の法令で義務付けられている日本語表記のラベルが貼付されていない商品
  • 日本において必要な承認を得ていない商品
  • 室温で保管できない商品
  • 動植物
  • 危険物および化学製品

上記はあくまで一例です。 FBAを利用する前に、Amazonの公式ページで詳細をよく確認しましょう。

まとめ

本記事では、Amazonで販売を行う事業者にとって注目の「FBA(フルフィルメント by Amazon)」について、メリット・デメリットといった基本的な情報から、手数料や利用する際の注意点まで解説しました。

FBAを利用することで、出品者は販売業務を効率化できるだけでなく、顧客満足度向上も期待できます。しかし、一方で費用が発生したり、Amazon側のルールに則って出品・納品する必要が生じるなど、注意すべき点も存在します。

そのため、FBAの導入を検討する際には、自社のビジネスモデルや販売戦略との適合性を十分に検討することが重要です。本記事が、これからAmazonで販売を始めようとしている方や、FBAの導入を検討している方の参考になれば幸いです。

Amazon専門チーム
  
株式会社いつもが誇るAmazon専門チームが、Amazonにおける最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

Amazon専門チームは、Amazon専門のマーケティングセンターとして、全国のAmazon運営企業から大手メーカーまで豊富な実績を有しています。Amazon社内の担当者と都度打合せを行っており、現在のAmazonの動向や今後の動きなどを把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、米国での最新事例から、今後日本でも起こるであろうAmazonでの対応策まで、幅広くお伝えします。

Amazon支援グループ

Amazon(アマゾン)専門のコンサル・広告運用・運営代行サービスはこちら

Amazon FBAに関するよくある質問

 

そもそもFBA(フルフィルメント by Amazon)とは?
FBA(フルフィルメント by Amazon)とは、Amazonが提供するフルフィルメントサービスです。フルフィルメントとは、ECサイトにおける受注から発送、返品までの業務全般を指します。つまりFBAとは、これらの業務をAmazonに委託できるサービスのことです。
FBAを利用するメリットは?
Amazon FBAを利用するメリットとしては、下記のような点が挙げられます。

・Amazonプライム対象商品になる
・業務負担を軽減できる
・検索結果の上位に表示されやすくなる
・ショッピングカートボックスの獲得率アップが期待できる
・ユーザー目線でメリットを訴求できる
・FBAマルチチャネルサービスも活用できる

詳しくは本記事をご覧ください。

サービス資料4点セット