楽天RMPとは?導入メリットや活用事例をわかりやすく解説
近年、デジタルマーケティングの重要性がますます高まり、企業は様々な広告プラットフォームを活用して、効率的に顧客を獲得しようとしています。
そのような中で、国内ECプラットフォームでトップクラスのシェアを誇る楽天グループが提供する「Rakuten Marketing Platform(RMP)」が注目されています。
本記事では、楽天RMPの概要から導入メリット、具体的な活用事例まで詳しく解説していきます。
楽天RMPとは?
楽天RMPとは、「Rakuten Marketing Platform」の略称で、楽天が保有する膨大な顧客データや多様なサービスと連携し、包括的なマーケティングソリューションを提供するプラットフォームです。
従来の「楽天市場」の出店企業に対する広告配信サービスだけでなく、楽天会員IDに紐づいた顧客データや、楽天グループの多様なサービスを通して得られた行動データなどを活用することで、ユーザーひとり
ひとりに最適なマーケティング活動を支援します。
楽天RPP広告は、楽天市場会員向け広告配信サービスという位置付けでしたが、楽天RMPは、広告配信だけでなく、CRM機能やデータ分析機能など、マーケティング活動全体を包括的に支援できるサービスへと進化を遂げました。
楽天RPP広告との違い
楽天RMPと混同されがちなサービスに「楽天RPP広告」があります。 楽天RPP広告とは、楽天市場に出店している店舗のみが利用できる広告で、楽天市場内の様々な場所に広告を掲載できることが特徴です。
一方で、楽天RMPは楽天市場の出店店舗はもちろん、楽天市場に出店していない企業も利用可能です。
楽天グループの多様なサービスや、提携サイトを含む楽天以外の外部サイトにも広告配信が可能です。
このように、楽天RMPと楽天RPP広告は、対象とする広告主、配信面、サービス内容が大きく異なります。
関連記事:【最新版】楽天広告の特徴と広告種類による違いを理解する
楽天RMPの代表サービス
楽天RMPの代表サービスとして、以下の5つが挙げられます。
- RMP-Unified Ads
- RMP-Display Ads
- RMP-Direct Message(メール)
- RMP-Direct Message(DM)
- RMP-SE
RMP-Unified Ads
RMP-Unified Adsでは、楽天グループサービス内の様々な広告枠に対して、一括で運用型ディスプレイ広告の配信・掲載が可能です。
楽天会員のデモグラデータや実行動データを活用したターゲティングで、広告運用を効率化できるだけでなく、これまで以上に精度の高いターゲティングを実現し、費用対効果の高いマーケティング施策を展開できます。
RMP-Display Ads
RMP-Display Adsは、楽天の膨大なデータに基づく詳細なターゲティングと、多様な配信フォーマットで、認知から購買・ファン化まで消費者の行動全体に効果的にアプローチできる運用型広告です。
【特徴】
高精度なターゲティング:1億人以上の楽天会員の購買・閲覧履歴などの行動データに基づき、従来の属性やキーワードだけでは絞り込めなかったターゲットへピンポイントに訴求可能。
豊富な配信フォーマット:バナー広告、ネイティブ広告、動画広告、SNS広告など様々なフォーマットに対応し、ニーズに最適な広告展開が可能。
実店舗購買への貢献度測定:レポートツール「Instore Tracking」を活用し、実店舗購買に対する広告効果を可視化、従来困難だったフルファネルマーケティングを実現。
このようにRMP-Display Adsは、従来の広告よりも精度の高いターゲティングと、多様な配信フォーマット、そして実店舗購買への貢献度測定を強みとし、企業のマーケティング活動を包括的に支援します。
RMP-Direct Message(メール)
RMP-Direct Message(メール)は楽天会員にメールで情報をお届けし、購買や来店促進などの行動喚起を促すことが可能です。
属性情報や独自セグメントを活用し、ターゲットを絞ったダイレクトアプローチや、メールを見たユーザーが楽天ポイントを獲得できるクリックインセンティブ付きのメール配信も可能です。
RMP-Direct Message(DM)
RMP-Direct Message(DM)は楽天会員に封書やハガキでDMをお届けし、興味・行動を促します。
封入タイプのDMにサンプル品を同封して送付するDMサンプリングも実施可能です。
発送物には宛名・ロゴの掲載ルールや、発送方法などに規定がありますので、利用を検討される際はRMP-Direct Message(DM)のページをご覧ください。
RMP – Direct Message(メール)(楽天グループ株式会社公式ウェブサイト)
RMP-SE
楽天市場に出店をしていないメーカーが中心にご利用いただける楽天市場内の検索連動型広告が「RMP-Sales Expansion」(以下、SE)です。
RMP-SEを活用することにより、楽天市場の検索画面やジャンル検索画面に自社の商品を上位で表示し、ユーザーの目に留まりやすい状態を創り出すことができます。
例えば、新商品の認知拡大から売上の創出につなげることが可能です。
またRMP-SEは、商品の名称がある程度ユーザーから認知されている場合であっても有効な手段となります。
RMP-SEを活用し、検索結果表示画面の上位を確保することで、ユーザーがビッグワードで検索する際にもヒットする可能性が高まります。
楽天RMP導入のメリット
楽天RMPを導入することによって、以下のメリットがあります。
- フルファネルマーケティングの実現
- オンオフ統合マーケティングの実現
- 楽天経済圏におけるマーケティング効率の最大化
フルファネルマーケティングの実現
楽天RMPを活用する大きなメリットの一つに、フルファネルマーケティングの実現が挙げられます。
従来型の広告配信では、認知フェーズ、検討フェーズ、購入フェーズなど、ユーザーの購買プロセスに合わせて個別に広告を配信することが一般的でした。
しかし、楽天RMPでは、楽天グループの膨大な顧客データを活用することで、ユーザーひとりひとりの購買プロセスを網羅的に捉え、各フェーズに最適な広告配信を実現できます。
例えば、ユーザーが「楽天市場で特定の商品を閲覧した」というデータを元に、そのユーザーに対して興味関心の高い広告を配信したり、購入を迷っているユーザーに対して背中を押すようなクーポンを配信したりすることが可能です。
このように楽天RMPを活用することで、ユーザーの購買プロセス全体を網羅した、より効果的なマーケティング活動が可能になります。
オンオフ統合マーケティングの実現
楽天会員IDとオフラインデータの連携基盤「RMP-Data Management Platform(DMP)」を通して、オンラインとオフラインの購買データを統合することができます。
これにより、以下のようなオンオフ統合マーケティング施策を実現できます。
例えば、実店舗で商品を購入したユーザーに対して、後日Web広告を配信したり、オンライン上の行動データに基づいて、実店舗への来店を促すクーポンを配信したりすることが可能になります。
楽天RMPを活用することで、オンラインとオフラインの垣根を越えた、One to Oneマーケティングを実践できます。
楽天経済圏におけるマーケティング効率の最大化
楽天グループには、「楽天市場」をはじめ、旅行予約サイト「楽天トラベル」、クレジットカード「楽天カード」など、多くのサービスが存在します。
楽天RMPは、これらのサービスと連携し、ユーザーの購買行動や興味関心に基づいたマーケティングを可能にします。
楽天経済圏という巨大なプラットフォームにおいて、ユーザーの行動履歴や属性データに基づいた最適なマーケティング施策を実施することで、従来の手法よりも高い費用対効果を実現できる可能性があります。
楽天RMPの活用事例
楽天RMPの活用事例として楽天市場の公式ホームページより以下の2社をご紹介します。
- 日能研本部
- ニュージーランド大使館
日能研本部
日能研は、新聞や折込チラシに代わる新たな顧客層へのリーチ拡大のため、楽天と連携しDMを活用したプロモーションを実施しました。
目的は、中学受験を意識していない層も含めた小学2、3年生の親世代への認知拡大です。
楽天の強みである膨大な顧客データとセグメント機能「Rakuten CustomerDNA」を活用することで、従来の広告ではリーチできなかった層への訴求を実現しました。
その結果、DMに同梱した「日能研全国テスト」の申込はがきや、サンプル問題へのアクセスが多く、潜在層へのリーチの手応えを得ています。
今後は、DM発送時期の最適化や、楽天が保有する購買データなどを活用した更なる効果測定を実施予定です。
また、チラシ同梱など、楽天経済圏との連携強化による、より低コストで多様な層へリーチできる施策も検討しています。
引用元:「日能研全国テスト」のマーケティングに貢献!楽天データを活用したDM及びオンライン広告<前編>
「日能研全国テスト」のマーケティングに貢献!楽天データを活用したDM及びオンライン広告<後編>
ニュージーランド大使館
ニュージーランド大使館は、コロナ禍で日本国内における同国製品の需要が高まる中、ECサイトでの販売促進を強化するため、楽天と共同で「KIA ORA NEW ZEALAND」キャンペーンを実施しました。
目的は、ニュージーランド製品の認知度向上と、同国企業のEC活用促進です。
楽天を選んだ理由は、日本最大級のECモールであることに加え、商品ストーリーを効果的に伝えられる点です。
楽天の顧客データに基づいたターゲティング広告や、商品ページへの誘導施策などを展開した結果、キャンペーン期間中の売上目標を20%超過を達成しました。
このキャンペーンでは、商品の魅力だけでなく、その背景にあるニュージーランドの文化や価値観を伝えることに注力しました。
楽天の担当者は、ニュージーランド側の要望を丁寧にヒアリングし、ECに関するセミナーなども開催するなど、手厚いサポートを提供しています。
結果として、ニュージーランド側はECに関する知見を深め、日本市場での販路拡大に成功しました。
この取り組みは、コロナ禍で変化した消費者行動に対応し、新たな販売チャネルを開拓する好事例と言えるでしょう。
引用元:「KIA ORA NEW ZEALAND(キアオラ・ニュージーランド)」キャンペーンにおける同国製品の認知向上と販売促進<前編>
「KIA ORA NEW ZEALAND(キアオラ・ニュージーランド)」キャンペーンにおける同国製品の認知向上と販売促進<後編>
まとめ
この記事では、楽天グループが提供するマーケティングプラットフォーム「楽天RMP」について解説しました。
楽天RMPは、従来の「楽天RPP広告」とは異なり、広告配信だけでなく、CRM機能やデータ分析機能など、マーケティング活動全体を包括的に支援するサービスです。
楽天RMPを導入することで、以下のようなメリットがあります。
フルファネルマーケティングの実現:認知から購買、リピートまで、ユーザーの購買プロセス全体に合わせたマーケティング施策を展開できます。
オンオフ統合マーケティングの実現:オンラインとオフラインの顧客データを統合し、より精度の高いマーケティング施策を実現できます。
楽天経済圏におけるマーケティング効率の最大化:楽天市場をはじめとする楽天グループのサービスと連携することで、効率的かつ効果的なマーケティング活動が可能になります。
実際に、日能研本部やニュージーランド大使館など、多くの企業・団体が楽天RMPを活用し、成果を上げています。楽天市場におけるユーザー獲得を目指す企業さまは、ぜひ楽天RMPの活用を検討してみてください。
RMPに関するよくある質問
- 楽天RMPとは何ですか?
- 楽天RMPとは、「Rakuten Marketing Platform」の略称で、楽天が提供する包括的マーケティングプラットフォームです。
従来の「楽天市場」の出店企業に対する広告配信サービスだけでなく、楽天会員IDに紐づいた顧客データや、楽天グループの多様なサービスを通して得られた行動データなどを活用することで、顧客一人ひとりに最適なマーケティング活動を支援します。
- 楽天RMP導入のメリットを教えてください
- 楽天RMPを導入することによって、以下のメリットを享受できます。
・フルファネルマーケティングの実現
・オンオフ統合マーケティングの実現
・楽天経済圏におけるマーケティング効率の最大化詳しくは記事をご覧ください。