受注管理システムの役割について
今回は多店舗管理ツールとして知られる「受注管理システム」の役割についてご紹介しましょう。
本ブログでもこれまで受注管理システムについて何度かご紹介してきました。一般的によく目を向けられているのは、「受注処理の効率化」、「情報管理の向上」といった部分が多く、ブログでのご紹介も多かったです。受注管理システムは、別名「多店舗管理ツール」「業務改善ツール」と言われていることが多い為、上記の2つのポイントを解決する為という印象が強いかと思います。
今回は、フルフィルメントの視点から最も重要なポイントとして考えなければいけない「受注の品質向上」、つまりサービスの品質向上といった受注管理システムの役割について少し深掘りして考えてみましょう。
いつも.に、受注管理システムについて導入検討のご相談を寄せられる方にも、規模が拡大するにつれて、受注処理が大変になり、そのタイミングで導入を検討される方が多くいらっしゃいます。
もちろん、業務改善や効率化のためにシステムの導入を検討する事は間違いではありません。競争の激しいEC業界においてご注文から出荷までのリードタイムを短縮する事は重要視されており、商品力そのものです。注文即日出荷はもはや当たり前の事のように行われており、更に当日発送の締め切り時間を延長しようと努力を重ねています。受注処理が遅れてしまえば、出荷が遅れ顧客満足を得られないどころかクレームとなり、場合によっては評価、金銭的なペナルティが発生する場合もあります。出荷作業をいかにスムーズにミスなく行えるかという課題は必然的に重要性を増してきています。
出荷担当のスタッフは、受注処理担当が印刷した出荷指示書を基に作業をします。そのため必要とされるのは「出荷指示を正確に素早く出してくれる事」です。受注処理を正確に素早く行える事、出荷までのリードタイムを短縮する事は出荷を安定させて、店舗サービスレベルを向上させる事につながります。
受注管理システムを導入すると、注文が自動的に仕分けられ、そのデータが「出荷指示書」「納品書」「送り状」になります。そのため出荷担当者も出勤後すぐに出荷業務を行える事になり、午後にゆとりが出来ます。店舗の一日の出荷キャパシティも増し、当日発送の締め切り時間も延長する事が出来ます。
また、近年他社との差別化の為、ギフトラッピングやノベルティ・チラシ同梱などサービスの拡大を図る事業者様も増えております。しかしせっかくの取り組みもミスが頻発しては逆効果になります。ミスがない状態は非常に理想的な状態であると言えますが、こういった取り組みは作業工程を増やす事にもなるため、ミスなく取り組みを継続する事は簡単ではありません。
例えば、ギフトラッピングの注文の場合、受注処理の担当者は出荷指示書の作業用コメント欄に「ギフトラッピング」などを追記して、出荷担当者はその文字を見てギフトラッピング梱包を行います。追記された文字を見落とすと、梱包ミスとなりクレームとなります。特定の商品を購入したお客様にノベルティを差し上げる場合、注文担当者は対象の伝票を洗い出して、出荷指示書の作業欄に「ノベルティ」と1件1件指示を追記したりします。これも見逃すとやはりクレームとなってしまいます。
こういった複雑な業務を伴う事から、システムを導入していない事業者様はミスが発生しやすいのが付帯サービスです。今は自社で「知識のあるスタッフが行っているから大丈夫」かもしれませんが、新スタッフが入社した時はどうでしょう?時間と教える手間がかかってしまいます。また、外部にアウトソースする場合も同様です。受注処理は、出荷担当者が誰でもミスなく作業を進めるように処理を行う事がとても重要です。こういった煩雑な業務をシステム化し、誰でもミス無くできるようにするためにも、受注管理システムが必要となるのです。
EC業界は競争も激化し消費者の選択肢も増えた結果、ニーズも多様化・複雑化しています。それに応えるべくフロント側でサービスを充実させればさせる程、バックヤード業務は複雑化していき、人の手の介入が更に必要になっていきます。それでも大部分の業務はシステムで自動化・仕組み化できるのがECの強みです。受注管理システムで「確認工程」「作業工程」を省き、素早く正確な出荷指示を行う事で、ミスの大半をしめる「見落とし」「作業間違い」を大幅に減らす事ができます。受注管理システムは、今も成長を続けるEC業界において必要不可欠な存在となりつつあるのです。
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