【最新版】楽天RPP広告とRMP-SE広告の特徴|広告効果を高めるコツ・注意点について
みなさんこんにちは。楽天市場におけるコンサル、広告運用、運用代行など総合的な支援を行っている株式会社いつもです。
弊社はこれまでに13,000件以上のEC・D2C支援を、さまざまな企業様を対象に行ってきました。
EC・D2C市場が日々成長し続けている中、2024年4月14日に楽天は「2023年度の国内EC流通総額が6.0兆円に到達した」と発表しました。
(参照:楽天公式HP「2023年度通期及び第4四半期決算説明会資料」)
今後も更なる市場拡大が予想される中で、楽天市場内で少しでも多くの商品を販売できるように、楽天市場での集客アップに欠かせない楽天RPP(楽天プロモーションプラットフォーム)広告・RMP-SE(Sales Expansion)広告について、それぞれの特徴や最大限活用する方法・注意点をお話いたします。
楽天市場の運用を行っているが成果が出ていない、楽天RPP広告・RMP-SE広告を適切に運用できていない、などでお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
※閲覧時期により本記事でご紹介の情報は変更・更新されている場合がございます。
楽天RPP広告・RMP-SE広告の特徴
「楽天RPP広告」と「RMP-SE広告」はどちらも検索連動型広告のため、ユーザーが楽天市場内で検索したキーワードに連動して広告が表示されます。
「一度の設定で多くのユーザーにリーチできること」が大きな魅力で、今まで広告を行ってこなかった店舗や、商品点数が膨大な店舗にとっては露出を増やすチャンスと言えるでしょう。
ちなみに、楽天RPP広告とRMP-SE広告の違いは、
楽天RPP広告…楽天市場内に出店している企業が出稿できる
RMP-SE広告…楽天市場内に出店していない企業(メーカーなど)が出稿できる
ということが挙げられます。
それでは、楽天RPP広告とRMP-SE広告それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
楽天RPP広告の特徴
楽天RPP広告の主な特徴をまとめました。
- 検索結果の最上位に表示される(PCは上位4位・スマホは上位6位以内)
- 最低CPC単価(商品)10円、(キーワード)40円、月の最低予算5,000円から利用できる
- 商品別・キャンペーン別・キーワード別に入札単価を設定できる
- パフォーマンスレポートで広告効果を詳細に計測・分析できる
- 除外設定を行う事で配信したくない商品の出稿を避ける事が出来る
広告初心者でも簡単に運用できる点は楽天RPP広告の大きなメリットでしょう。
RMP-SE広告の特徴
RMP(楽天マーケティングプラットフォーム)とは、楽天IDによる詳細なターゲティング・分析をもとに広告が出稿できる、フルファネルのマーケティングソリューションです。
多様な広告プロダクトが提供されており、大まかに下記の広告が利用できます。
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- 検索連動型広告
- ソーシャル広告
- 成果報酬型広告
- メール広告
- DM・封入広告
- サンプリング広告
(参照:楽天公式HP「広告商品詳細一覧」)
上記の検索連動型広告に分類される、RMP-SE広告は、楽天市場内に出店していない企業でも出稿できる広告です。
楽天RPP広告と同じく、楽天市場内でユーザーが検索したキーワードに沿って広告が配信される仕組みですが、掲載面が検索結果のみなど、いくつかの点で楽天RPP広告とは違う特徴を持っています。
<RMP-SE広告の特徴>
- 掲載面は検索結果のみ(市場検索・ジャンル検索)
- 複数キャンペーンの作成が可能
- 商品別または、同じブランド別で数値計測が可能
- 日予算設定・除外キーワード設定が可能
- 配信キーワードでのレポーティングが可能
- メーカーを取り扱っている全店舗が配信対象
- 最低CPC50円~(キーワード入札60円~)
商品ごとやブランドごとの売り上げがわかる点はRMPーSE広告の大きな特徴で、純粋なデータをもとに広告効果の分析が可能です。
また、検索画面にしか広告が表示されないため、購買意欲の高いユーザーに絞ってリーチできる点もRMPーSE広告を利用する大きなメリットになるでしょう。
楽天RPP広告運用で効果を最大限に引き出し、アクセス数を拡大する方法
楽天RPP広告でアクセス数を拡大する方法を6つ紹介します。
1.R-Karte(アールカルテ)を活用する
2.売上改善アクションツールを活用する
3.商品別検索キーワードを確認する
4.商品別特典設定を確認する
5.関連キーワード・ユーザトレンドを確認する
6.パフォーマンスレポートを活用する
効果を最大化させる方法を、具体的にみていきましょう。
R-Karte(アールカルテ)を活用する
楽天市場では、R-Karte(アールカルテ)と呼ばれるデータ分析を行う方法があります。
このR-Karteでは、「アクセス人数」や「検索キーワード」、「PCとスマホのアクセス割合」だけでなく、ページごとの「転換率」や「客単価」なども確認可能です。
広告運用効果を上げるためには、R-Karte(アールカルテ)を活用は欠かせません。
(参照:Rakuten出典案内「データ分析(R-Karte)」2024年6月24日確認)
売上改善アクションツールを活用する
更に、R-Karteを活用するツールとして、「売上改善アクションツール」があります。
売上改善アクションツールでは「商品別検索キーワード」「商品別特典設定」「関連キーワード・ユーザトレンド」が把握でき、どのようなキーワードに対して商品ページにユーザーが訪れたのかなどを確認できます。
次に、この3つの機能について説明していきます。
商品別検索キーワード
「商品別検索キーワード」では商品ごとに以下の内容を確認できます。
・トップ5の流入キーワード
・楽天市場内検索からのアクセス数
・キーワードごとの転換率
・キーワードごとの検索時表示順位
更に、そのキーワードごとに改善すべきアクションを指摘してくれるため、楽天RPP広告運用で配信先キーワードを改善する上でも非常に有効で画期的な機能と言えるでしょう。
またこの機能を活用することで、
・どのような検索キーワードからどれくらいアクセスが取れているのか
・この検索キーワードからどれだけ転換率、楽天内検索順位を取得できたか
・改善するためにはどのようなことをすれば良いのか
を照らし合わせることが可能になります。
商品別特典設定
「商品別特典設定」では、以下の内容を確認できます。
・ポイント倍率
・送料無料設定がされているか
・最強配送(旧あす楽)設定がされているか
・レビューの数、評価点
商品別検索キーワードで表示される「改善アクション」を確認し、「転換率を上げよう」という改善アクションが指摘されている場合にあわせて利用することをおすすめします。商品別特典設定で送料設定やポイント設定を確認した後に、商品個別編集ページで商品の情報を修正し、商品の転換率向上を目指しましょう。
関連キーワード・ユーザートレンド
「関連キーワード・ユーザートレンド」では、次の3つを確認できます。
・自店舗に流入の多い検索キーワード
・楽天市場検索での関連キーワード
・キーワード検索ユーザーの性別・年齢
各商品に対して転換率の高いキーワードを見定め優先順位をつけ、商品名、キャッチコピー等にそのキーワードを挿入するなどの効果的な対策を取ることが可能です。
商品属性を確認することも出来るので、商品属性として追加するべきものがあれば積極的に入れ込むようにしましょう。そうすることで、下層のランキングにも表示されやすくなり、さらにユーザーが検索結果を絞り込んだ際に商品が表示される効果が期待できます。
また、「自店舗に流入の多い検索キーワード」から得た情報を活用することで、商品の改善や売り上げを伸ばすためのヒントを得ることができます。
売上改善アクションを駆使することで、自店舗に流入しているキーワードを把握し、楽天RPP広告運用によって露出拡大ができるようになり、適切な効果検証のもと積極的かつ効率的に売上を伸ばしていくことが可能です。
売上改善アクションで確認できる3つのデータから、楽天市場のユーザーがどのようなキーワードで商品ページに訪れたのかを細かく分析できるため、商品の改善を行う上でとても重要です。
まずは自店舗の商品がどんなキーワードで検索されているかを把握し、次にキーワードを活用して商品名や商品ページの改善に取り組みましょう。そして、多くのユーザーに自店舗の商品を見つけてもらいやすくしてアクセス数を伸ばしましょう。
パフォーマンスレポートを活用する
楽天RPP広告やその他運用型広告を利用していると、「パフォーマンスレポート」をダウンロード可能です。
項目には商品ごとや設定したキーワードごとの「広告費」「クリック数」「売上件数」「クリック率(CTR)」「転換率」「売上金額」「費用対効果(ROAS)」などをはじめ、様々なデータを確認できます。
目的に応じて、改善ポイント「伸ばせていける商品・除外候補商品など」を洗い出し、より効果的に運用ができるよう活用していきましょう。
楽天RPP広告を運用する際の注意点
楽天RPP広告を運用する際には、下記の6点に注意しましょう。
- 出品中の全商品が広告の対象
- パフォーマンスレポートも全商品が対象
- パフォーマンスレポートのCVや売上実績、ROASが実数値と異なる場合がある
- 日数が経つにつれて経由売上が伸びる可能性がある
- 予算が切れると広告配信が止まる
- 在庫が1点の場合でも広告が配信される
楽天RPP広告はデフォルトの設定として全商品が対象になっているため、新規登録した商品も自動で広告が出稿されます。
そのため、対象にしたくない商品がある場合には「除外商品」の登録を行い手動で調整を行いましょう。
同じくパフォーマンスレポートも、全ての商品が対象となるため、実際に得られた売上とレポートに示される売上が一致しない場合があります。
というのも、パフォーマンスレポートでのCVや売上実績、ROASはあくまで「経由売上」のため、必ずしもその商品が売れたとは限りません。
なぜなら楽天RPP広告の仕様上、商品Aの楽天RPP広告をクリックしたユーザーが最終的に(クリック後720h以内)商品Bを購入したとしても、商品Aの楽天RPP広告経由売上に計測されるためです。※商品A+商品B等の併せ買いの可能性もあります。
そして、その経由売上もまた、日数が経つにつれて伸びていく可能性があります。
例えば8月15日に商品Aをクリックしたユーザーが、スーパーSALE期間中の翌月9月10日に商品を購入した場合でも、楽天RPPレポート上では8月15日の商品A経由の売上として計測されます。
このため、レポートの数字だけを見て判断するのではなく、実際の売上と照らし合わせて注意深く確認することが重要です。
また、楽天RPP広告を出稿する際は「継続月予算」を設定しますが、月の途中で予算を消化してしまった場合には、広告配信が止まるため注意しましょう。
一方、在庫が1点だけの場合でも、同じように広告が配信される点にも注意が必要です。
RMP-SE広告を運用する際の注意点
RMP-SE広告を運用する際には、下記の点に注意しましょう。
- JANコードの届出がない商品は登録できない
- 継続月予算の設定ができない
- RPP広告よりも最低CPCが高い
RMP-SE広告では、商品を登録する際にJAN(Japanese Article Number)コードを利用するため、そもそも届出がされていない商品を登録することはできません。
なお、JANとは「どの事業者の、どの商品か」を表す国内の商品識別コードを指します。
また、楽天RPP広告では「継続月予算」が設定できますが、RMPーSE広告では設定ができません。
そのためキャンペーンを変更しない限りは予算を継ぎ足していく必要があり、キャンペーンの終了日を設定しない限りは予算が消化されます。
どのキャンペーンにどのくらいの予算が必要なのか、定期的にチェックして広告効果の改善をはかっていきましょう。
そして、最低CPCが50円〜と楽天RPP広告より高く設定されている点にも注意が必要です。
商品ジャンルによっては、CPC50円以下でもキャンペーンが作成できますが、RMP-SE広告を利用している場合には、最低でも1クリックにつき50円の費用がかかります。
RMPーSE広告は、楽天市場に出店していない場合でも利用できる魅力的な広告ですが、楽天RPP広告に比べ、制限されている項目がありますので、運用の際には上記3点に注意しましょう。
楽天RPP広告・RMP-SE広告以外の楽天広告について
楽天では「楽天RPP広告」・「RMP-SE広告」のほか、主に下記4種類の広告が出稿できます。
- CA(クーポンアドバンス)広告
- TDA(ターゲティングディスプレイ)広告
- CPA(効果保証型)広告
- ディスプレイ広告(楽天市場広告)
本記事ではそれぞれの特徴や強みを簡単に説明しますので、よりくわしく知りたい広告があった場合には、下記記事をあわせてご覧ください。
関連記事:【2024年最新版】楽天広告の種類と活用方法をわかりやすく解説
CA(クーポンアドバンス)広告の特徴と強み
CA広告は楽天RPP広告やRMP-SE広告と同じ「検索連動型広告」で、クーポン付きの広告を出稿できます。
CA広告は検索結果上だけでなく、楽天市場内のさまざまな掲載枠に露出されるため、より多くのユーザーにリーチ可能です。
また、自発的に検索した購買意欲の高いユーザーに対して、クーポンという最後のひと推しになり得る要素を提示できる点は、CA広告の大きな強みでしょう。
TDA(ターゲティングディスプレイ)広告の特徴と強み
TDA広告は、年齢や性別、居住地域、行動履歴などをもとにユーザーを区分し、希望するセグメントに対してのみ配信できる運用型のバナー広告です。
さまざまなデータをもとにターゲティングできるため、自社の商品・サービスのメインとなる顧客を明確にした上で利用しましょう。
なお、TDA広告ではビューアブルインプレッション(Vimp)課金方式を採用しており、ユーザーに表示された回数に配信単価を乗じた金額の広告費用が発生します。
CPA(効果保証型)広告の特徴と強み
CPA広告は、広告経由売上の20%を広告費として支払う成果報酬型の広告です。
クリック数や閲覧数に応じて課金される広告とは異なり、購入が発生した分に対してのみ課金されるため、広告費が予算より高くなる可能性が低い特徴があります。
また、RMS(楽天市場内の店舗管理ツール)に登録している商品の中から自動的にセレクト・配信されるため、広告出稿の手間が少ない点もCPA広告の強みです。
ディスプレイ広告(楽天市場広告)の特徴と強み
ディスプレイ広告は、楽天市場内の様々な掲載枠に、予算と目的に応じて出稿できる広告です。
目に留まりやすい場所に広告が掲載されるため、潜在層へのアプローチや認知度の向上を目的とする場合におすすめです。
効果は掲載枠と商材により異なりますが、最適化することができれば、短期間でも大きな流入や売上、ランキング入賞などが期待できる強みがあります。
広告運用に困ったらコンサルティングや代行もおすすめ
楽天市場は国内最大級のECプラットフォームであり、店舗数・商品数も国内最大級です。
対策を行わなければすぐに埋もれてしまうほど競合が非常に多いため、売上アップのためには集客が欠かせません。
しかし、集客を円滑にするための広告メニューは豊富に用意されているものの、適切な広告運用は難しく、実現できている店舗は非常に少ないという現状があります。
そのため、広告運用に困っている場合には、コンサルティングや運用代行を利用することがおすすめです。
楽天市場内の集客を最適化して売上を伸ばすだけではなく、コンサルタントや運用代行と業務をしていく中で広告運用の知見を高いレベルで学ぶことができるでしょう。
また、外注することで社内のリソースが確保され、コア業務にリソースを集中させることも可能になります。
自社のみでの広告運用に課題を感じている場合には、コンサルティングや運用代行に相談してみましょう。
まとめ
楽天市場内での集客や売上アップのためには、楽天RPP広告やRMPーSE広告の適切な運用が欠かせません。
広告運用の成功には、特徴や運用のコツを理解しつつ、自社との相性も見極めながら、PDCAを回して運用していくことが求められるでしょう。
とはいえ、「楽天RPP広告やRMPーSE広告を運用したいけどリソースも知見も足りない」といった状況の方もいることでしょう。
そのような場合は弊社にぜひご相談ください。
楽天RPP広告に関するよくある質問
- 楽天RPP広告とは?
- 楽天検索窓で検索をした際に検索したキーワードに連動して表示される検索連動型広告のことです。
- 楽天RPP広告の特徴は?
- 店舗の全商品が対象となる広告で「一度の設定で多くのユーザーにリーチできること」が魅力です。少ない労力で広告を出すことが出来るため、今まで広告を行ってこなかった店舗や、商品点数が膨大な店舗にとっては露出を増やすチャンスとも言えます。
- 楽天RPP広告の活用には何が重要?
- RPP広告を運用させ、売上を上げるためにはR-Karte(アールカルテ)の活用が欠かせません。その中で、売上改善アクションツールを用いて「商品別検索キーワード」「商品別特典設定」「関連キーワード・ユーザトレンド」をしっかりと押さえておきましょう。