日本に購買センターを設置 ~京東集団が越境向けに新しい動きを~
中国ECサイト大手の京東集団(略:JD)が、日本に初の「海外購買センター」を設置しました。
JD海外購買センター設置プロジェクトは、多様な海外優良商品をよりスムーズかつ効率的に発掘・調達するために計画されたという。当プロジェクトは2018年度より発足し、9月にようやく日本大手町に一つ目が稼働しました。日本をはじめ、今後は韓国、アメリカやユーロッパにも設置する予定という。
さて、JD日本購買センターは日本企業向けにどんな変化をもたらしてくれるでしょうか。
海外商品の仕入れフローを効率化する
これまでは、日本においてJDは代理店を通じて商品を仕入れていたが、日本購買センターの設立によって、直接仕入れを手掛けることができ、日本企業とのコミュニケーションが密接になることが期待できます。
なお、購買システムや決済システムが日本語対応、日本円ベースで取り引きするなど日本企業にとってやりやすい一面もあります。
また、ベビー用品、コスメなど越境EC売れ筋商品を強化する一方、全分野、全カテゴリで取扱商品を増やしていくと目指しているという。知名度が低いが特徴的な商品の発掘にも注力するため、中小企業ブランドの中国市場進出の可能性が広がります。
出店フローでサポートできる
「直送モデル」「保税区モデル」など、JDより国際物流ソリューションを提供し、越境輸出に関する煩雑な手続きもサポートするので、日本企業の越境EC出店を支援できます。
ブロックチェーンで偽造商品を排除する仕組み
偽ブランド品などを排除するため、ブロックチェーン技術を用いて、仕入れルートの流れを追跡するなど、顧客体験の向上のためにテクノロジーに投資しています。出店や出品企業にとっても安心できるでしょう。
中国越境EC市場において、JDは、ネットイース傘下のコアラとアリババ運営の天猫国際(TmallGlobal)と並ぶ三強の一つです。
海外購買センタープロジェクトの稼働は、JDが越境EC市場への注力と見てよろしいでしょう。強みである自社直販と自社物流を活用して越境シェアをどれぐらい獲得できるか引き続き注目していきます。