Amazonサイバーマンデーやブラックフライデーなど年末セール時に欠かせない対策方法
Amazonの年末セールイベントとして知られる、AmazonサイバーマンデーやAmazonブラックフライデーに向け、どのような対策をしていけば良いのか悩まれている事業者様も多いのではないでしょうか。
そこで今回はAmazonブラックフライデーとAmazonサイバーマンデーの違い、Amazonブラックフライデーウィークの解説を行った後、実際に取り組みたい6つの対策方法について紹介していきます。
ブラックフライデーとサイバーマンデーの違い
Amazonでは年間を通して、時期によって毎年恒例のセールイベントが開催されます。その中でも、年末セールの役割を果たすのが「ブラックフライデー」と「サイバーマンデー」です。
ブラックフライデーは、元々アメリカで「サンクスギビング:感謝祭」の翌日(金曜日)から百貨店などの小売店で軒並み黒字になることから命名された言葉で、その時期に合わせて大規模なセールイベントが開催されるのが特徴です。
Amazonもこのブラックフライデーを自社の年間セールイベントとして据えており、日本では2019年から同セールが展開されています。
ブラックフライデーでは、年末年始に向けて需要が増す商品がセール対象になります。また、「ブラック」という文字通り、黒色の商品がセール対象商品になるなど、ユニークなセールが行われるイベントとしても知られています。
一方のサイバーマンデーは、ブラックフライデーの翌週から開催されるセールイベントです。
ブラックフライデーでは感謝祭の翌日から実店舗での売上が向上しますが、感謝祭の休暇が明けた後に日常生活に戻る人たちによって、今度はネットショップの売り上げが増加します。
ブラックフライデー後のネットショップにおける売上UPを、アメリカではサイバーマンデーと呼んでおり、休暇明けの月曜日に売上が増えることに由来しています。
Amazonでもサイバーマンデーに合わせたセールイベントが行われており、「サイバー」という言葉にちなんでAmazon製品やPC関連デバイス、電化製品がセール対象商品になります。
ブラックフライデーとサイバーマンデーの違いは、本来「実店舗とネットショップでの売上増」という対比がありますが、Amazonのようにそもそもネットショップが主戦場の媒体にとって、2つのセールの間に大きな違いを演出するのは難しいでしょう。
後述するように、2021年はサイバーマンデーではなく、「ブラックフライデーウィーク」と称して、サイバーマンデーとブラックフライデーを合わせたセール期間が実施されました。
2022年は2つのセールがどのように実施されるのか、現時点では分からないため、ブラックフライデーウィークとして開催されることを想定し、ここからは「年末セールに向けた対策」を紹介していきます。
ブラックフライデーウィークとは
Amazonでは、2021年に「Amazonブラックフライデー」と「Amazonサイバーマンデー」を1つのセール期間として「Amazonブラックフライデーウィーク」を開催しました。
2021年は11月26日~12月2日の7日間ノンストップで実施され、Amazonの大規模な年末セールイベントとして注目されました。
セール期間もセールが分かれていた時と比べ、約2日間延びたため、Amazonでショップを構えるEC事業者にとっては追い風になっています。
Amazonユーザーが年末年始に向けて大きく消費するタイミングですので、7日間のセール期間を想定してしっかりと対策することが重要です。
さて、ブラックフライデーとサイバーマンデーの2つの年末セールについて大枠を理解したところで、ここからは年末セール前からセール後までの施策を確認していきましょう。
Amazonの年間セールイベントに向けて、まだAmazonショップで対策したことがないEC事業者様は、各セールへの出品方法や基本準備について確認するとより理解がスムーズになりますので、こちらの記事も合わせて参考にしてください。
関連記事:Amazon新規出品者は必見!後発組で売れない店舗が最初にする事
年末セールにおける対策方法
年末セールにおける対策方法には、以下の施策が挙げられます。
実はAmazonブラックフライデーやAmazonサイバーマンデーなどの年末セールに対して行う対策と、他の年間セールイベントで行う対策の間には大きな違いはありません。
しかし、年末セールの後は、その勢いを残したまま1月の初売りセールへと突入できるため、Amazonの年間セールイベントの中でも特に注力したい期間といえます。
今回は時系列で対策方法を紹介していきますので、是非自社のAmazon年末セールへの施策として検討いただければと思います。
販売実績を確認する
まずは、各商品の販売実績を確認から始めましょう。
年末セールに限らず、Amazonの年間セールイベントの販売戦略を計画する際は、最初に商品の販売実績を確認し、「売れ筋商品」と「販売実績を作りたい商品」の2つを抽出します。
セール期間中は、Amazonへ訪問するユーザーの総数が増えるため、商品ページやストアページへのアクセスも比例して増える傾向にあります。
ただし、商品ページやストアページにアクセスが増えることと、販売実績の増加は別問題です。
セール期間中に販売を強化したい商品をいくつかに絞り、売り方を検討していくことが重要です。
在庫数を確保・反映する
販売を強化したい商品はもちろん、その他の商品も出荷方法に合わせて、早めに在庫数の確保・反映を行いましょう。
もし売れ筋商品の出荷方法が「出品者出荷(自社配送)」だった場合、Amazonセラーセントラルで登録している商品情報へ在庫数を反映する必要があります。
また、出荷方法でFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用している場合は、セール直前の納品混雑に巻き込まれやすいため、出品者出荷(自社配送)よりも早くAmazonフルフィラメントセンターに納品しましょう。
セール期間中のアクセスを無駄にしないためにも、忘れずに実施しておきたい対策の1つです。
商品ページとストアページを改善・充実させる
自社商品と接触したAmazonユーザーの転換率を向上させるために、「商品ページの改善」と「ストアページの充実」の2つは必須で実施したい施策です。
【商品ページ改善①】「この商品について」の改善
まず商品ページの改善ですが、Amazonの商品ページの特徴として、ファーストビュー画面が他社商品と大きく差別化できない点が挙げられます。
楽天市場であれば、各商品ページの冒頭で自店舗の色を出すことができますが、Amazonの商品ページでは規定の「数枚の画像」と「この商品について(テキストによる商品説明)」が冒頭部分を占めています。
ではAmazonの商品ページで他社との差別化を図るにはどうすれば良いでしょう?
その方法として最初に実施したいのが、「この商品について(商品概要紹介欄)の改善」です。
商品ページ冒頭の「この商品について」では、箇条書きを使って、ユーザーに簡潔に商品説明を行えるようになっています。
この商品概要紹介欄には以下の要素を含めると、購買意欲の高いユーザーに効果的に訴求できます。例えば、湯沸し器を紹介すると想定すると以下の通りです。
・数字を使った説明(例:1℃刻みで温度設定可能)
・ユーザーの利用シーンを想定した商品ベネフィット(例:1℃刻みの温度調節で美味しいコーヒー&お茶が淹れられます)
・商品スペック(例:本体サイズ、本体重量)
・商品スペック以外の訴求(例:スタイリッシュでインテリアとしても活用できます)
箇条書きの文章を作成する際は、1文がなるべく短くなるよう意識し、括弧【】()を効果的に活用して、可読性の高い文章を作成しましょう。
【商品ページ改善②】「商品紹介コンテンツ」の作成・改善
次に改善したいのが、商品ページを下にスクロールし、「商品の詳細情報」の後に連なって表示される「商品紹介コンテンツ」です。
Amazonの商品紹介コンテンツでは、他社との差別化が難しいAmazon商品ページの中で、独自で作成した画像やインフォグラフィックを使って、自社商品や自社ブランドをユーザーに強く訴求できます。
商品紹介コンテンツに使用する画像とテキストには、広告バナーや自社サイトで既に使用している素材を活用すれば、新たに予算をかけずに商品ページをアップデートできるでしょう。
Amazonの商品紹介コンテンツの詳細はこちらの記事で解説していますので、合わせて参考にしてください。
関連記事:Amazonで転換率アップに重要な「商品紹介コンテンツ」とは?
【商品ページ改善③】サブ画像への動画挿入
Amazonの商品ページでは、商品画像と一緒に商品紹介用の動画を挿入できます。
Amazonセラーセントラルから動画を挿入でき、動画要件は「.mp4または.mov形式で5GB未満」、動画を追加できるアカウントは「ブランド所有者」に限られています。
動画アップロードには、動画素材・商品名・ASIN・サムネイル画像(自動生成されるため無くてもOK)が必要です。
こちらも商品紹介コンテンツと同様に、自社サイト等で既に使用している商品紹介動画を再利用すると、準備の手間を省けます。
Amazonの商品ページのファーストビューは、他社商品との差別化が難しい仕様になっていますので、動画挿入を活用し細かい部分でユーザーへの訴求力を高めていきましょう。
【ストアページ改善】ストアページの充実
Amazonの商品ページは他社との差別化が難しい部分になりますが、Amazonのストアページでは存分に自社の色を出すことが可能です。
「大口出品者」で、かつ「ブランド登録」が済んでいれば、すぐにAmazonのストアページを作成できます。
Amazonのブランド登録を済ませるには「商標を取得していること」が条件になりますので、まだ取得していない事業者の方は早めに手続きをしておきましょう。
商標登録には通常3ヶ月程かかると言われていますので、年末セールに間に合わせるのであれば、8月中、もしくは9月上旬には申請を済ませる必要があります。
ストアページはAmazonセラーセントラルの「ストア」のタブから開設できます。
売り方を検討する
Amazonの年末セールに向けて、「売れ筋商品」もしくは「販売実績を作りたい商品」の売り方を検討していきましょう。
売れ筋商品は通常時にも売れている商品であるため、ユーザーへの露出を増やす施策「Amazonスポンサープロダクト広告を使った露出強化」を実施すると、売上UPが狙えるでしょう。
また、販売実績を作りたい商品の場合は、「特選タイムセール」と「数量限定タイムセール」への出品も検討してください。
そもそも販売実績が少ない商品は、Amazonの自然検索で上位にヒットしにくいため、ユーザーへ露出できていないという問題があります。
したがって、Amazonの年間セールで行われる2つのタイムセールへ出品し、普段よりもお得な価格でユーザーに購入してもらう必要があるのです。
販売実績が蓄積された商品は、Amazonの自然検索でも上位にヒットしやすくなりますので、セールの力をかりて販売実績を作りましょう。
もちろんAmazonスポンサープロダクト広告の活用は、売れ筋商品だけでなく、販売実績を作りたい(あるいは強化したい)商品にもおすすめですので、ぜひ1度検討してみてください。
FBAと自社配送を組み合わせる
Amazonの年末セールでは、商品の出荷作業の負担が大きくなってしまいます。
人員を増やして対応できるケースもありますが、今から出荷体制を改善しておくと、急な注文の増加にもスムーズに対応できます。
例えば、Amazonが提供している出荷代行サービス「FBA:フルフィラメント by Amazon」では、出品者に代わって商品を管理し、注文管理から梱包・出荷、アフターサービスまで代行してくれるため、自社のバックエンド業務のリソースが足りていないEC事業者に利用をおすすめしています。
また、商品によっては「自社で配送した方が良い商品」もあるかと思いますので、そちらは臨機応変にFBAと組み合わせて連携を取ると良いでしょう。
セール終了後は商品ページの最適化とFBAの活用を行う
そしてAmazonのセールが終了した後は、商品ページの最適化とFBAの活用を行いましょう。
セールが終了すると、ユーザーのアクセス数は通常時に戻りますので、なかなか商品を買ってくれない事態に陥りやすくなります。
これではセールのせっかくの勢いが台無しになってしまいます。そこで商品ページの転換率アップを目指す施策「商品ページの最適化」が必要になってくるのです。
そしてセールの反省を踏まえ、FBA利用を始める、もしくは継続する、といった選択が求められます。
どうしてもセールイベント後は稼働ペースがゆるやかになっていきますが、セールの販売の勢いはなるべく落としたくないEC事業者様が多いと思いますので、FBAのようなサービスを活用してリソース不足を解消し、配送パフォーマンスを維持していきましょう。
年間セールで活用したいAmazon広告について
Amazonの年間セールでは、積極的にAmazon広告を活用し、自社商品の露出を増やしていくことが重要です。
売上アップ・販売数増加のために出来る対策は、先述したように多くありますが、
「Amazonスポンサープロダクト広告」の利用をおすすめします。
Amazonスポンサープロダクト広告では、「オートターゲティング(AmazonのAIが商品名や商品紹介テキストから自動で出稿キーワードを決める設定)」と「マニュアルターゲティング(出稿者がキーワードを指定し、そのキーワードとの関連度合いに応じて広告を露出する設定)」の2つが存在しますが、最も費用対効果が高いのが「2つのターゲティングを併用すること」です。
2つのターゲティング設定を並行して進め、オートターゲティングで流入・コンバージョンが確認されたキーワードを随時マニュアルターゲティングで広告出稿し、転換率を上げるための施策へと転じていくことが重要になります。
Amazonスポンサープロダクト広告の出稿方法や、運用・改善のコツについては以下の記事で解説していますので、こちらも合わせて参考にしてください。
関連記事:Amazonスポンサープロダクト広告を改善するコツ【動画解説】
まとめ
AmazonサイバーマンデーとAmazonブラックフライデーに代表される年末セールに向けて、Amazonに出品している事業者様は、施策の順序をつけて1つずつ対策していくことが重要です。特にストアページを対策する際は、ブランド登録を済ませる必要がありますので、商標登録から行う事業者様はすぐに行動しましょう。