データ統合とシステム連携はされている事が当たり前の時代に
みなさまこんにちは。株式会社いつも.で主に物流の観点から中規模~大規模のクライアント様にコンサルティング活動を行っている本多と申します。今回は、オムニチャネル時代に突入した、日本のECにおけるフルフィルメントの変化と、その変化に対応する重要性をご紹介しましょう。
前回の記事で、物流スピードがそのままサービスレベルに直結するというお話をご紹介しました。実際、価格よりもスピードに価値を感じるユーザーも多く、少々高くても商品が一日でも早く届く事業者やお届け日が明確に指定できる事業者を選ぶユーザーは少なくありません。同じように、カートやメールなどのEC対応に加え、実店舗やカタログなど様々なチャネルで購入できることが当たり前化してきて、自分が購入しやすい方法で購入できないのであれば違うお店から買うことを選択するなど、ユーザーのニーズも多種多様化してきました。こういったニーズに自社がどこまで対応するのかは、競合他社のベンチマークを行い、目標を設定することが重要です。
そこで今回は、スピードと併せて重要となる顧客満足度の向上について、フルフィルメントの観点から考えなおしてみましょう。
チャネルの増加が、顧客への不信感を産んでしまう
例えば、商品カートから申し込んだ際には翌日に商品が届いていたのに、同じ商品を電話注文したら「3営業日かかりますと言われた」など、
・チャネルによって顧客への対応が変わってしまい、そこから不信感を与え
・顧客満足度が下がってしまい
・結果、顧客離れに繋がってしまう
ということがあります。本来であれば商品を翌日届けるための物流体制があるにも関わらず、電話で注文を受ける部門から物流に乗せるまでの受注処理に余計な時間が掛かってしまうという状況が、顧客に不信感を与える結果になってしまうのです。顧客からすれば当然翌日に手に入ると思っていたのですから、余計に不便を感じてしまうことでしょう。
また、普段は実店舗で購入してくれている得意客に対して、電話やEC上での対応が画一的なものになってしまい、はじめてのお客様と同じような対応をしてしまうなどの問題もそれに当たります。既に住所等の顧客データを受け取っているのに、顧客データが連動しておらず顧客に煩わしい思いをさせてしまうのです。
このようなシステムや顧客データの連携が取れていないことで顧客が離れてしまうようなことが無いように、オムニチャネル時代に対応したフルフィルメントを構築することは今非常に重要視されているのです。
とはいえ、これまでのビジネスで培ってきた様々なデータやシステムの変更には、莫大なコストと時間がかかってしまいます。実際にそこで二の足を踏んでしまい、ドンドン競合に遅れをとり、気がつけばほとんどの顧客がより便利な他社に取られてしまうということも。そのようなことにならないためには、どのような優先順位を付けて手を打っていけば良いのでしょう。次回はその具体的な方法を考えていきましょう。
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