公開日:2019年4月10日

【中国に越境ECするなら必見!】中国のEC市場の特徴とポイントをまとめてみた

【⇩動画でサクッと解説⇩】

みなさんこんにちは。D2C、ECコンサルティングを提供する株式会社いつも.のコンサルタントです。

世界最大のEC市場を持つ国は、中国です。これから越境ECを始めるのなら、最大のマーケットを持ち、距離も近い中国は有力な候補地の一つだと言えるでしょう。

中国は他国とは異なる、独自の市場を形成して成長してきました。そのため中国に進出するにあたっては、中国のEC市場のリサーチは欠かせません。

今回は中国への越境ECを検討している方のために、最低限頭に入れておきたい、中国のEC市場の特徴や基礎知識、トレンドなどについて解説していきます。

中国のEC市場の特徴とポイント4つ!

まず中国のEC市場規模を確認しておきましょう。

引用:経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査

経済産業省が行った「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」では、中国のEC市場規模が2019年で1兆8,015億USドル(約206兆円)に対して、2020年は2兆2,970億USドル(約262兆円)と約28%の増加率を記録しています。
2位のアメリカは前年比32%増と増加率こそ高いものの、売上は7,945億USドル(約90兆円)、中国の約3分の1の市場規模です。
規模で端的に比較してみても中国市場が世界で圧倒的であることが分かります。

市場規模全体の構図としては、中国とアメリカの2カ国が世界のEC市場の約8割を占めるという結果で、3位のイギリス以下の国を大きく引き離す結果となっています。

同調査によると、日本・中国・米国間の越境EC購入額はそれぞれ以下のようになっており、中国がいかに越境ECに力を入れ、また勢いがあるのかが分かるデータとなりました。

引用元:経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」『日本・米国・中国3ヵ国の越境EC市場規模』

越境EC購入額とは、越境EC(ECモール)などを通じた国際的な取引額を意味しており、市場規模にして、中国は日本の約12.5倍、米国の約2.5倍という圧倒的な市場を持っています。

また注目すべきは「伸び率」であり、これだけ圧倒的な市場規模を持っていても、なお前年比16.3%の成長過程にあります。世界人口の約5分の1を占める市場のキャパシティと、大手EC事業者によるモバイル決済サービスの急速な普及が今後も中国消費者の越境EC市場規模を拡大させていくに違いありません。

このように中国が世界において圧倒的な市場規模を誇っていること、そして越境ECにおける市場規模も同じく独走状態であることを踏まえ、以下の見出しを確認いただけますと幸いです。

中国の国内ECモールは「Alibaba」の独占状態

中国の国内ECモールでは「Alibaba」が市場シェアを独占しており、その数なんと47.1%と、圧倒的な市場シェアを誇っています。続く「JD.com」も健闘していますが、市場シェア率は16.9%と、1位のAlibabaに約3倍の差を付けられています。
また3位の「Pinduoduo」も13.2%と高い市場シェアですが、Alibabaには遠く及びません。

eMarketer「Top 6 Companies in China, Ranked by Retail Ecommerce sales share 2021」
https://www.emarketer.com/chart/247782/top-6-companies-china-ranked-by-retail-ecommerce-sales-share-2021-of-total

先述したように中国のEC市場規模は世界第1位で、越境EC市場も同じく1位となっています。そのような巨大な市場の中でさらにAlibabaの存在が際立っているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

また毎年11月11日は中国では独身の日と呼ばれ、ECの大セールが行われ記録的な取引が行われます。中国ではECモールの影響力が圧倒的に強く、自社サイトでの売上は非常に少ないのが特徴です。

中国ECモールにおける主な決済手段としては「モバイル決済サービス」が挙げられます。特に利用率が高いのが、Alibabaが提供している「Alipay」と、テンセントの「WeChat Pay」、銀聯国際の「China UnionPay」です。

モバイル決済サービスといえば、スマホのカメラ機能などで店舗側に設置されたQRコードを読み取り、その場で決済を完了する形態をイメージするでしょう。
しかし中国ではこうしたQRコードのオフライン利用だけでなく、ECモール上での決済手段としてもモバイル決済サービスを推進しており、モバイル決済サービスを単に「オフラインのマーケティング戦略に留めていない」という点がポイントとなります。

このモバイル決済の利用促進策が、EC市場の拡大にもつながっています。

日本のモバイル決済サービスには先述した「Alipay」や「WeChat Pay」もありますが、iPhoneの「Apple Pay」もモバイル決済サービスとして浸透しています。しかし中国市場のような「オフラインとオンラインを統合したサービス展開」(OMO戦略)は実現できていないのが現状であり、今後AlipayやWeChat Payなどの統合型モバイル決済サービスが求められるでしょう。日本市場では例えば交通系ICカード「Suica」のように、オフラインの決済シーンを網羅したサービスが既に普及しています。

今後モバイル決済市場のさらなる拡大を目指す場合は、Suicaといった交通系ICカードとモバイル決済サービスが提携したり、オンラインとオフラインの決済シーンをシームレスに繋ぐプラットフォームが誕生したりといった展開が予想されるでしょう。

モバイル決済の利用はマスト

中国市場におけるEC市場規模、越境EC市場規模からも推測がつくように、中国では現金を持たずに日常生活を過ごすことが当たり前になっています。

先述したようなモバイル決済サービスの普及により、街中の買い物やECプラットフォーム上での購入、公共料金や罰金の支払いまでもモバイル決済で済ませることが可能です。もし中国EC市場への越境ECを考えているならば、自社の決済手段の中に「モバイル決済」を含めることは必須となるでしょう。

後述していますが、中国EC市場への越境ECの方法には「中国の越境ECモールへの出店」や「越境ECを目的とした自社ECの構築」、「越境ECを行っている事業者への業務委託」などがありますが、特に自社ECを構築する場合などはモバイル決済サービスの導入が必要です。

2019年8月9日にはLINE PayがWeChat Payと連携し、訪日中国人観光客向けに対策が講じられました。続いて2022年7月1日からは、LINE PayのQRコードはPay PayのQRコードに統合されることが決まっています。国内でもQRコードを用いたモバイル決済サービスの普及が進んでおり、PayPayのようなモバイル決済サービスを展開する企業の越境ECへの参入が今後期待されます。

また中国ではデビッドカード使用率も高く、主要なデビッドカードとして「中国銀聯(China UnionPay)」があります。China UnionPayもQRコード決済などのモバイル決済サービスを展開し、モバイル決済利用者のニーズに対応しています。中国への越境ECを検討する際は、UnionPayの活用もおすすめです。

中国EC市場ではインフルエンサーマーケティングが活発

中国でも日本同様、ECモール内のバナー広告や検索連動型広告、アフィリエイト広告などが使われています。

また近年では、SNSやライブ配信アプリなどを活用したインフルエンサーマーケティングが活発に行われている点も特徴です。

中国のインフルエンサーは「KOL(Key Opinion Leader)」や「網紅(ワンホン)」などと呼ばれています。

このようにECとライブ配信を組み合わせたマーケティング手法は「ライブコマース」と呼ばれ、KOLなどが実演販売を行うこともしばしばです。

ライブコマースをマーケティング手法に用いるメリットとして、「配信中にコメント欄に寄せられた質問に対して迅速な対応ができる」点が挙げられます。

広告などの一方向性のメディアはリリース直後にユーザーからのフィードバックを反映させることができません。一方でライブコマースは動画配信直後にユーザーのフィードバックを反映でき、予め用意していなかった話題にも動画配信中に触れることができるようになります。

例えば「ある商品と類似商品の比較」や、「インフルエンサーの経験から語られる意見・見解」などは、一般的な広告よりもユーザーとの距離が近い意見となります。したがってライブコマースはよりユーザー目線の動画配信が可能となり、CV数やLTVの向上へと繋がっていくことになるのです。

また忘れてはならないのが、「ライブコマースを行うインフルエンサーの信頼度」です。ライブコマースは基本的に、SNSでインフルエンサーのアカウントをフォローしている人に向けて配信されます。

つまり普段からインフルエンサーの配信を見聞きしているユーザーが商品の実演販売などを視聴することになるのです。当然シビアな意見を持つユーザーや、インフルエンサーが普段から発信する内容に共感・信頼を寄せるユーザーが視聴するため、インフルエンサーのフォロワーからの信頼度がCV数やLTVに直結します。ライブコマースを越境ECの販売戦略に据える際は以上の点にも注意しましょう。

オンラインとオフラインを融合した「OMO戦略」が顕著

また中国EC市場の特徴を語る上で避けて通れないのが、オンラインとオフラインを融合した販売戦略「OMO(Online Merges with Offline)」です。例えば中国EC市場で圧倒的な市場シェアを誇るAlibabaは、OMO型小売店舗「盒馬鮮生(フーマーシェンシェン)」を運営しています。

OMOとは、ユーザーがオンラインやオフラインを意識することなく、シームレスで快適な購買体験が行えるようサポートする販売戦略を指します。
つまりオフラインの実店舗にQRコードを設置して決済自体はECプラットフォーム上で行えるようにしたり、反対にECプラットフォーム上で実店舗の混雑状況や販売状況を確認でき、ECプラットフォーム上で決済して30分以内に自宅へ商品を届けたりするなどの販売戦略がとられるのです。

日本ではAmazonが提供する「Amazonフレッシュ」、AEONが提供する「イオンネットスーパー」などが食品業界OMOの先駆けとして知られていますが、いずれも「利用エリアが限られている」などの理由で全国的な普及には至っていません。

日本はお隣の中国で起こっている購買行動の変化、急速なEC化を今後も注視すべきでしょう。

中国に越境ECする際の注意点とポイント

中国モールへの通販出店には現地法人が必要?日本から越境ECする方法

日本企業が中国での越境ECを行うためには、どのような方法があるのでしょうか?

中国の越境ECモールへの出店

中国での主なECモールである「Tmall Global(天猫国際)」「JD.worldwide」は、中国に法人を持たない企業でも出店することができます。

決済銀行も日本の銀行で良いほか、販売許可も日本の販売許可を活用できるなど、ここ数年で中国が本格的に越境ECに力を入れ始めているのが分かります。

これまでの中国への商品輸出といえば、個人代行業者による輸出が多かったかと思います。しかし国際スピード郵便(EMS)の通関時の開封検査が厳しくなったことや、越境ECの健全化を図るために施行された「電子商務法」(電商法)などにより、個人代行業者による越境ECは難しいものとなりました。

集客効果が高く、またモバイル決済機能も備わったECモールへの出店は、自社の越境EC売上を力強く支えるでしょう。

越境ECを目的とした自社ECの構築

越境ECを目的とした自社ECの構築も、中国へ越境ECを行う方法の1つです。電商法の施行やモールへの出店基準が厳しくなるなど、今後中国越境ECの選択肢が減る場合には需要が増す可能性があります。

しかし自社ECのため、中国ユーザーが利用する検索エンジンでのSEO対策はもちろんのこと、販売導線・販売戦略なども考えていく必要があることを覚えておきましょう。

越境ECを行っている事業者への業務委託

中国への越境ECの方法はECモールへの出店、自社ECの構築だけではありません。

越境ECを得意とする事業者への業務委託によって、自社商品を中国の消費者へと届けることが可能です。越境ECを得意とする事業者は、独自に築いた販売経路や、卸小売店舗などと繋がっており、店頭販売やEC販売、商品を必要とするユーザーとのマッチングなどを行います。

商品の販売戦略・価格設定について

経済産業省が公表した「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」によると、越境ECを利用する中国の消費者は以下のような商品を購入していることが分かっています。

引用元:経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」

また「中国の消費者が越境EC事業者に改善を望むこと」という調査項目では以下のようになっています。

引用元:経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」

これらのデータから分かるのは、中国の越境EC利用者が「より多様な商品」、また「正規品であることの保証」を求めているということです。かつての訪日中国人観光客といえば「爆買い」のイメージが強くありましたが、それは既に過去の話になっています。今や世界最大のEC市場を持ち、「価格は高くても、質の良い商品が欲しい」と考えている消費者を多く抱える市場に変化したのです。

こうした中国消費者の購買行動の変化に対して、古くから「ものづくり」を大切にしてきた日本のクリエイターは自身の商品をアピールするチャンスとなるでしょう。越境ECにチャレンジしたいが、「言語の壁」を感じていたり、「知見が足りない」といった悩みを抱えたりしている事業者には、弊社の越境EC支援サービス「シェイカム」の利用をおすすめします。

シェイカムなら、弊社が提携する世界29の国、2,000社の海外小売バイヤーとマッチングが可能です。商談時は弊社のコンサルタントが同席し、一緒に営業商談を行えるため、少ない準備期間で越境ECを始められるメリットがあります。越境ECの販売戦略なども合わせて考えられるシェイカムの利用を、是非この機会に検討されてみてはいかがでしょうか。

日中国越境ECにかかる関税や税金について

越境ECの配送方法は、以下2種類あります。
・国際スピード郵便(EMS)
・保税区モデル

「国際スピード郵便」を使えば、商品を日本から中国に直送できます。しかし宝石や高級商品、タバコやお酒といった嗜好品は税率が50%に設定されており、⾏郵税の支払いは購入した消費者が行うため、消費者にとっては割高な買い物に感じる可能性があります。その他の商品はおよそ13~20%の税率がかかると覚えておきましょう。

「保税区モデル」とは、中国国内に設けられた保税倉庫に在庫を一旦保管し、ECサイトで注文を受けてから出荷する配送方法のことです。以下3点の理由から、国際スピード郵便よりも保税区モデルの利用が進んでいます。

・通関がスムーズに進むこと
・受注から配送までの日数が短く済むこと
・荷物1個あたりの送料が安価なこと

先ほど紹介したお酒(ワイン)や宝石などは保税区モデルを選択すると、税率20.2%で輸出することが可能です。食品や日用品などは税率11.2%であり、消費者の負担をおさえるには保税区モデルの利用が必要となります。

注意すべき法律について

越境ECで注意すべき法律には「電子商務法(電商法)」がありますが、実は電商法は中国国内の電子商取引に適用されるものであり、日本の法人が販売提供元になる場合は別の法律に注意する必要があります(中国の越境ECモールに出店する場合は「中国の法人」として登録されるため、上記法律が適用されます)。

まずは越境ECの方法が上述した「中国の越境ECモールへの出店」となるか否かで判断しましょう。「中国の越境ECモールへの出店はハードルが高く、実現可能性が低い」という場合は、日本の法人として越境ECを行う際に関係する法律をチェックする必要があります。

また中国への越境ECの方法として「越境ECを得意とする事業者への業務委託」を検討している場合は、関係する法律も含めて相談してみると良いでしょう。ちなみに中国語表記にはなりますが、中国越境ECの関係法令が日本貿易振興機構(JETRO)「中国における越境ECの概要と留意点:中国向け輸出」によってまとめられています。参考にしてみてください。

まとめ

中国の越境EC市場規模の伸び率や、モバイル決済の浸透度合いなどから、今後も中国の越境EC市場は拡大を続けると予想されます。越境ECの販売戦略を一から構築するのは大変骨が折れる作業ですので、この機会に是非弊社のサービスを利用されてみてはいかがでしょうか。弊社のコンサルタントが貴社の越境ECを伴走サポートいたします。

 

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