グローバルビジネスの基礎知識⑨~様々な貿易の形態
海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?
グローバルビジネスの基礎知識をお伝えしている本連載の第九回は、様々な貿易の形態についてご説明をします。
まずは直接貿易と間接貿易から見ていきましょう。
直接貿易と間接貿易
直接貿易とは、商社や貿易会社に輸出入業務を委託せず、売り主や買い主が直接に貿易実務を行うことです。
自社で市場の開拓、海外取引先との交渉や契約、船会社へのブッキング、通関の手配や代金決済等の貿易実務、貿易に伴うリスク負担等を行います。
それに対して、間接貿易は、輸入国の売り主と買い主の間に第三者が介入して行う貿易取引のことを指します。
一般的には、第三者としては商社や貿易会社が介在します。第三者が貿易実務を実施し、実際の売り主や買い主は、貿易取引へ間接的に関与する形式です。
並行輸入
並行輸入とは正規代理店ルートとは別の第三者のルートで真正品を輸入することです。
正規代理店以外の第三者が、海外の有名ブランド品等を外国で購入し、日本の総代理店契約者等の許諾を得ずに、正規代理店以外のルートで輸入する行為のことです。
仲介貿易
仲介貿易とは、外国間の貿易を売買契約の当事者として仲介する貿易のことです。
外為法においては「外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借または贈与に関する取引」と規定されています。実際の国際ビジネスでは「三国間貿易」という呼称も使われます。
OEM
OEM(Original Equipment Manufacturing(Manufacturer))は、製造メーカー(OEMメーカー)が他社(発注元)の名義やブランドの製品を製造する、もしくはその受託側企業のことを指します。
委託加工貿易
委託加工貿易とは、委託者が国外の受託者に材料を提供し、その材料を使用した加工を依頼する貿易形態を指します。
国外から材料を輸入し、その材料を使用して加工・組み立てした商品を輸出する方法を順委託加工貿易、材料を国外に輸出し、加工・組み立て後完成した商品を、再度輸入する方法を逆委託加工貿易と呼びます。
開発輸入
開発輸入は日本などの先進国の企業が主に人件費の安いアジア・アフリカ諸国などの途上国の海外工場に生産を委託し、その製品を輸入することを言います。衣料品や日用品などが一般的ですが、資本や技術を途上国に投下して鉱業資源などを開発し輸入する場合もあります。
なお、この種の貿易取引に関連して、米国で中国のウイグルにおける強制労働などの人権問題で輸入規制を適用する法令が制定され衣料品の工場などに影響が出ています。ウイグルでの人権問題をめぐる動きはEUやイギリスにおいても強まっており、サプライチェーンを展開する日本企業にとっても調達先の見直しを迫られるなど影響が拡大しています。
以上、グローバルビジネスの基礎知識として様々な貿易の形態をご紹介しました。
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