公開日:2019年6月24日

越境EC東南アジア攻略の鍵 マレーシア視察レポート

東南アジア各国のEC市場規模は、5年間で2~3倍に膨れ上がる見通しになっているなど、中国を中心としたアジアのECは、世界各国から注目が集まる一大マーケットとなっています。

今回はそんな注目が集まるアジア市場の中でも、まだ日系企業の進出が少ないながら魅力的なマーケットを持つ『マレーシア』を視察してきましたので、その内容をシェアさせて頂きたいと思います。

 

結論から申し上げますと、アジア市場を攻略する上で中国・台湾の他にも、『マレーシアをアジア進出の足掛かり(スタート)として選択肢に入れた方がよい』と考えるようになりました。

 

まずは、そんな気になるマレーシアのEC市場を見ていきましょう。

 

多民族国家マレーシアのEC市場

マレーシアは、台湾と同じくらいの人口規模で約3,000万人(台湾約2,500万人)の多民族国家。

うち中華系がおよそ25%を占めており、台湾や中国で売れている商品はマレーシアでもすぐに売れる傾向にあります。

そんなマレーシアにおけるECサイトの状況を見てみると、マレーシアで最も大きな規模を誇るECサイトは国内サイトではなく、2012年3月にサイト運営を開始したLAZADA(ラザダ)というサイトです。

LAZADAは、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどに展開している東南アジアでのグローバルECプラットフォームで、マレーシアの中で自社ドメインを作って売るより、信頼も高いサイトです。

もう一つ注目を集めているサイトは、日本のメルカリのようなShopee(ショッピー)というサイトが急成長しており、この2つがマレーシアでは展開しやすい状況となっています。

ECにおいては日系企業の進出も少なく、まだまだ日本の商品出品数は少ないのが現状ですが、マレーシアの実店舗を見てみると、コスメ・健康食品など日本の商品がよく売れており、食品はそれらに比べるとまだ少ないものの人気は高く、進出しやすい状況となっています。

特に、日本の商品は肌質等も近い中華系から支持を集めており、人口3,000万人のうち約25%を占めているため、マレーシア越境ECにおいても主なターゲットとなるでしょう。

 

急成長しているShopee(ショッピー)
急成長しているShopee(ショッピー)

Shopee

日本企業が今マレーシアEC市場を攻めるべき理由

そんなマレーシアの消費動向を広いレンジで見てみると、30代以上の消費層は親日感情がとても高く、逆に若い10代や20代は、今密かにグローバルな流れとなりつつある韓国の商品や文化を好む傾向となっています。

ただし、マレーシアのメインとなる購入層は30代です。

というのも、マレーシアでは新卒という考えがなく、卒業してすぐは比較的安い給料なのが当たり前で、20代後半くらいからようやくある程度の給料が見込めるような就職ができるという流れがスタンダードとなっているのです。

まさに今、30代の親日層がメインの購入層となっているため、日本の商品が刺さりやすい状況となっている訳です。

これが10年後になると、主な購入層となる30代の消費者が韓国寄りとなる可能性が高いため、今のうちに出店しておかないとブランディングや初速で苦労することが予測されます。

また、現地視察で訪れた美容関連展示会では、このような流れを一部反映する内容となっていましたので、ご紹介しておきましょう。

世界中から550社が出展し、マレーシアのみならず、タイ・インドネシア・インドなどの周辺各国から約1.7万社の美容商材を扱う商社・バイヤー・小売店が来場するという、東南アジアでも最大規模を誇る美容関連展示会です。

※日本の幕張メッセで開かれる【販促マーケティング総合展(春)】の参加者が約1.9万人のため、これと同等の大規模な展示会です。

International Beauty EXPO 2019では、美容機器のデモンストレーションを行っていたり、ビューティコンテストが開催されていたりと、韓国系ビューティの概念(日本、中国、韓国など、アジア系に人気の美白を主とする)を拡げて盛り上げようと力を入れている様子がうかがえます。

 

撮影:いつも.スタッフのスマートフォンより
撮影:いつも.スタッフのスマートフォンより

International Beauty EXPO 2019 ビューティコンテストの様子

会場全体の4割~5割くらいが韓国系のブースで埋め尽くされており、日本のブースは広い会場に2つしか出展していません。

実店舗では日本の商品が売れているため、非常にもったいない状況となっていました。

マレーシアEC市場における中華系市場攻略法とは

メインとなる購入層に親日の方が多いものの、中華系の情報収集には、やはり中国のSNSが広く活用されています。

なかでも、RED(小紅書:レッド)というインスタグラムのようなSNSと、Taobao(淘宝: タオバオ)というCtoCアプリがよく見られているため、これら中国のSNSやアプリを見て、マレーシアで購入するという流れを押さえておく必要があります。

※REDに関してはコチラに詳しくご紹介しています。

実際、事例はまだ少ないものの、アジア進出する上でマレーシアは売上を出しやすい状況が整っています。

進出から半年で、月商100万円くらいを出せれば良い方と言われている中、台湾で月商3,000万円を売っている会社が、マレーシアで中国系のSNSを使ったプロモーションをしっかり行った結果、わずか半年で月商1,000万を叩き出したという事例もあり、その効果は目を見張るものがあります。

マレーシアに進出する際の注意点

 

・言語対応

多民族国家のため使用されている言語が多く、マレー系65%・中華系25%・インド系10%となっており、サイトも多言語対応が必須となっています。

主に英語と中国語は最低限必要なのでしっかり対応するようにしましょう。
※マレー語ではなく英語対応できれば大体カバーできるようになっています。

 

・CS対応

マレーシアでは、チャットでのやりとりがマストです。

商品や配送などについての質問等が多く、チャットでショップの信頼度(レスの速さや、対応の丁寧さ)を確かめたいというのが、問い合わせの本当の理由のようです。

ツールはFacebookメッセンジャーや、WhatsAppなどを利用しており、CS対応力が売り上げに大きく影響するため、しっかり対応する必要があります。

 

・決済

サイトによっては、クレジットカード60%に次いで、銀行振り込みが多く選ばれています。

担当者が入金確認などの突き合わせを行う必要があり、手間がかかってしまいますが、現地の銀行振り込みに対応できないとCVRが上がらないため、こちらもしっかり対応する必要があります。

 

・配送

配送はマレーシアの郵便局(Pos Malaysia)がほぼ1強状態で、2番手の配送業者にはGD Expressという配送会社があり、この2つが主流となっています。

 

マレーシアの郵便局(Pos Malaysia)
マレーシアの郵便局(Pos Malaysia)
マレーシアの配送会社(GD Express)
マレーシアの配送会社(GD Express)

Pos Malaysia

ただし、宅配ボックスを扱う会社は群雄割拠の状態で、今後さらに広まっていくと予想はされているものの、現状マレーシア中にサービスを広げるためには複数社と契約する必要があるため、浸透しきっていないのが現状です。

マレーシアでの宅配受け取りの主流は、オフィスでの受け取りが意外と多く、持ち帰りや返品も少なくなっています。

物流総量自体も、現状ではあまり多くないためか、トラックに箱をしっかり詰めて載量を稼ぐというよりは、専用のビニール袋に梱包したものを山積みにして配送しているという状況で、まだしっかりと整備が整っていないという印象でした。

このような点を見ると、日本のようにオリジナルの箱で届けるようにするだけでも見え方がかなり違ってくるため、日本の成功事例を今のうちに持ち込めるとチャンスが大きいと思われます。

 

マレーシアの宅配ボックスはまだ浸透していない
マレーシアの宅配ボックスはまだ浸透していない

マレーシアの宅配BOX

まとめ

マレーシアのEC市場は、今のうちにブランディングをしっかり行い先行者メリットを享受すべきチャンスのあるマーケットと言えるでしょう。

コスメ・健康食品・食品を中国で一度売り、認知度を高めてからマレーシアで売るのも効果が期待できますが、一気に両方仕掛けるのも大きな効果が期待できます。

特に日本のコスメは根強い人気があり、マレーシアのイオンに入っているドラッグストアにも日本の商品が数多く並んでおり、リアルで日本の商品に触れる機会は多くなっています。

しかし、10年後には消費者層が大きく様変わりする可能性も高く、新規参入は厳しくなっていくことが予測されています。

今まさに中国系のSNSやアプリを併用することで、広告の費用対効果を最大化し、先行者利益を獲得するチャンスが、マレーシアには秘められています。

 

マレーシアでは日本のコスメは根強い人気
マレーシアでは日本のコスメは根強い人気

マレーシアの
ショッピングモールに並ぶ日本のコスメ

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