中国から見たロシア越境EC3つの成功法則
東南アジア、アフリカ市場など競争が激しい市場に比べると、ロシアは豊富な利潤を求める企業にとってまだまだ十分な空白余地がある。
中国の現地メディアが報じています。
参考サイト:http://www.ebrun.com/20190531/335921.shtml?eb=hp_home_lcol_kj3
モルガン・スタンレーの研究機関が調査した結果によると、現在ロシアのECは急速に成長しており、ロシア市場の規模は今後5年間で3倍になると予想されています。
同研究の分析によると、2020年までに実物商品の電子取引市場は310億ドルに成長し、2023年には520億ドルに達する見込みと言われており、市場成長に期待が寄せられています。
ロシアの人口は1.46億人と欧州最大、世界第6位の電子商取引市場を持つ国で、Aliexpress(アリババの海外用プラットフォーム)とJDの主要市場の一つとなっているほか、Bytedance(Tik tokの運営会社)やWechatPayなど、中国IT企業の注目を集めており、ロシアは中国企業のグローバル拡大にとって重要な拠点となりつつあるのです。
また、研究ではロシアの越境EC取扱高も増加しており、ロシアの海外貨物輸送の90%を中国が占めていると指摘しています。ロシアは中国のインターネット企業にグローバル化の機会を提供するほか、中国商品にとっても重要市場なのです。
中国から熱視線を浴びるロシアですが、ロシアのデータ分析プラットフォームYandex社は、ロシア市場に進出する企業が守るべき3つの法則があると分析しています。
法則1.ローカル化経営が必須の鍵となる
ロシア市場に越境ECで進出する第一歩は、現地ローカルの物流会社を利用することです。これは多くの国際的なEC大手が倉庫の拡大や効率化などを行った経験談から語られています。
また、Yandex社は中国企業がロシア語のWEBサイトを使ってロシアの消費者を引きつけるべきとの提案も行っています。
法則2.ロシアの現地支払い習慣と取引先の商習慣を学ぶ
市場の特徴の中でも、特に現地消費者の支払い習慣を考慮し、できるだけ多くの支払い方法を用意するべきとしており、ロシアのビジネスにとって現地プロバイダとの協力は、ロシア顧客のオンライン決済情報を収集するためにも非常に重要なポイントとなっています。
一方、支払い分野においてはロシア側から制限がかかっています。ユーザーの支払いサービスは、必ず現地の信用組織でしかできないようになっており、ロシア中央銀行の許可を得る必要があることも知っておきましょう。
法則3.途切れないマーケティングと広告投資が必要
EC各社はGoogleなどの広告会社を通じて宣伝することを学んでおり、SNSを通じて現地の影響力のある人と協力して継続的なマーケティング活動を行っており、SNS経由の広告もとても重要です。
現在、約3,900万人のロシア人がSNSメディアを活用しており、彼らはインスタントメール、各分類の広告サイト、その他のP2PプラットフォームなどのオンラインSNSを利用して買い物を行っています。
2018年Data Insight(データ提供プラットフォーム)とYandexの研究報告によると、ロシアのソーシャルビジネスの規模は89.8億ドル、(5,910億ルーブル)で、取引量は3.93億件に達すると推定されています。このロシアという世界第6位のEC市場でビジネスを行うには、ローカル化と適切な現地パートナー探しが大きな第一歩となるでしょう。