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グローバルビジネスの基礎知識⑥~貿易と環境

グローバルビジネスの基礎知識⑥~貿易と環境

海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?

グローバルビジネスの基礎知識をお伝えする本連載の第六弾は、貿易と環境についてご説明をします。

SDGsと環境

国連が定めるSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」や環境問題への取り組みは国際的な関心の高まりにより、国内外を問わずに対応が必須となっており、これへの対応は消費者への購買行動にも大きな影響を与えるようになってきています。

海外取引にあたっても、まずは守るべき国際協定を認識し順守するところから対策を進めていきましょう。

環境に対する国際協定

ここでは貿易取引にあたって順守が求められる代表的な条約についてご紹介します。

(1)ワシントン条約

「ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)1975年発効)」は、自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の一定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的とした条約です。

輸出、輸入ともに貿易管理令にて経済産業大臣の承認が必要な貨物が規定されています。

(2)生物多様性条約

生物の多様性を包括的に保全するとともに、生物資源を持続可能な形で利用していくため、国際的な枠組みを制定すべきとの議論が活発化し、 1992年に開催された「リオ地球サミット」にて、「生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)」が採択されました。

生物多様性条約は、次の3点を目的としています。
・生物の多様性の保全
・生物資源の持続可能な利用
・遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分

特に外来種の侵入については、日本でも「外来生物法」で、被害を及ぼす恐れのある生物を特定外来生物に指定し、飼育や栽培、輸入などを規制しています。

(3)モントリオール議定書
1985年にオゾン層の保護を目的とする国際協力のための基本的枠組を設定する「ウィーン条約」が採択されました。また、1987年にオゾン層を破壊するおそれのある物質(フロン、ハロン等)を特定し当該物質の生産、消費及び貿易を規制して人の健康及び環境を保護するための「モントリオール議定書(Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)」が採択されました。

日本ではオゾン層保護法により、製造や排出の規制をはかっているほか、貿易においても輸出貿易管理令にもとづく輸出の承認や、特定フロン等の規制物質を輸入割当品や輸入承認の対象としています。

(4)バーゼル条約

「バーゼル条約(Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and their Disposal)」は、1980年代に、先進国からの廃棄物が途上国に放置されて環境汚染が生じるという問題がしばしば発生したことを受け、こうした課題に対処するために1992年に発効されました。

有害物質を含む廃棄物や再生資源などの貨物の輸出入を行う場合に、当該貨物がバーゼル法に規定する「特定有害廃棄物等」や廃棄物処理法に規定する「廃棄物」に該当する場合には、関税法の手続きに加え、外為法に基づく経済産業大臣の承認、環境大臣による確認等を受けることとなっています。

続いて直近の動きをお伝えします。

グリーンリカバリー

感染禍からの復興にあたって、地球温暖化の防止や生物多様性の保全を実現し、よりよい未来を目指していくことを目指す考え方「グリーンリカバリー」が欧州を中心に急速に影響力を持ち始めています。

特に航空業界は大量の二酸化炭素(CO2)を排出しており、旅客需要回復に向けて、排出削減の取り組みが一段と求められることが予想されています。

そのため、バイオ燃料やCO2からの燃料生成、電動航空機といった最新技術の開発が急務となっています。

以上、グローバルビジネスの展開に不可欠となってきている貿易と環境について代表的な条約と最新の動きをお伝えしました。

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