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中国ECでは、LIVE配信+ECという手法が多く用いられています。

大手プラットフォームでは、実際にLIVE配信を行うことによって、より多くのアクセス・トラフィック・販売量を得ることができることが分かっているため、積極的にLIVE配信が行われています。

 

2018年3月には、人気動画アプリのTikTokが、中国ECNo.1のタオバオと連携されました。
徐々に利用が進み、TikTok経由でタオバオ上にある商品の品切れが続出するなど、多くのTikTokアカウントユーザーが商品販売を促進する力を持つようになり、さらに注目されているのです。
LIVE配信は、その娯楽性と即時性から新しいコミュニティ・マーケティングの入口を開いたと言って良いでしょう。

中国で人気の動画配信アプリ3選

TikTokをはじめとする動画配信アプリは、最初は見ているだけという人が多かったのですが、それらを使ってより信頼できるKOLから詳しい商品情報を得て購入に至るという利用方法も主流となってきました。

そこで今回は、中国でECに関連して人気のある3つのLIVEアプリとその特徴をご紹介しましょう。

1.タオバオライブ(淘宝直播):アリババグループ傘下のライブコマース

タオバオライブは長期的な戦略を実行しており、着実な成長を続けるライブコマースの一つです。

数ある動画配信アプリの中から一番にこのタオバオライブをご紹介したい理由は、やはりECプラットフォームとしてNo.1のタオバオ(淘宝)が行っているライブコマースであること、そして『EC専用の配信ツール』として販促手段の一つとなっている点です。

タオバオのアプリやPCから動画ページに入ると、商品カテゴリから選択して写真や動画を確認することができるようになっています。
他の動画アプリとは違い、タオバオユーザーのほとんどが、買い物目的で訪れているためターゲットが正確で、すぐに売上に繋がるのが特徴です。

データによると、2018年にタオバオライブによる取引金額はすでに1,000億元を超え、前年同期比400%近くで成長するなど、新たな1,000億元規模の巨大市場を産み出しています
中国EC事業者にとって、タオバオライブを見逃すことは、1,000億元を超えるマーケットを見逃すことになってしまうため、続々とライブコマースに乗り出す企業が増えており、今後ますます重要なツールとなっていくと言えるでしょう。

また、タオバオライブはこれからライブコマースを始めるという初心者にも適したツールと言えます。
タオバオのEC店舗をオープンすると、その豊富なビッグデータに基づいて、LIVE配信効果の良し悪しや、製品の可否・LIVE参加者の活発度など、一連のデータで確認することが可能になります。
特にタオバオライブはプラットフォームにあるツールとして分析データも全て揃っており、自社の配信効果を、ビッグデータを元に参照できることが大きな強みとなっています。これは、中国で商品を売りたいと考える場合には、重要な判断材料となるでしょう。

中国でEC店舗を開いて商品を売りたいとき、まずタオバオプラットフォームが第一の選択肢となるのと同じで、ライブコマースを始めたいと考える企業は、同じようにタオバオライブを選ぶということが多くなっています。

 

2.快手LIVE:最も生活に近く暮らしに浸透しているLIVE配信アプリ

快手LIVE は、EC専用のLIVE配信を行うタオバオとは違い、当初は予め録画された短い動画をアップする形式で人気を集めたアプリでしたが、タオバオライブ人気の影響を受けて、後に派生機能としてLIVE配信が可能となったアプリです。

そのアクセス量は第三者調査機関によると2018年12月までのデータで、Day Active User(DAU)が2億人を突破。
ユーザー1人あたりの一日使用時間は70分を超え、成長率も10%程度で増加しています。
さらに三、四線都市(○線都市とは、中国で指定されている都市の等級で、三、四線の都市は日本人にはほとんど馴染みの無い地方都市)におけるアクセスの伸びが特に顕著で、地方都市だけでみると、アクティブユーザーの増加率を毎月39%増と大きく伸ばしており、やはり高い成長率を続けています。

快手のUGC(画像や動画などユーザーが生成したコンテンツ)をデータで見ると、短い動画での1日平均配信量は約200億個にのぼり、利用しているユーザー層は90年代以降生まれの若い世代が全体の62%を占めていますが、快手LIVEの動画は、高収入・高学歴・中高年層への浸透も加速していると言います。

また、一日に快手アプリで買い物取引に関連するコメント数が190万件あり、「これはなんの製品?」「どこの製品?」「いくらぐらい?」といった買い物目的で利用する快手ユーザーも多くなってきています。
快手アプリから動画を配信している熟練のユーザーは、「ターゲットがわかりやすいことから、自分のファンに対して正確に商品を売ることができる」と言います。

 

3.TikTok:日本でも人気のあるショート音楽動画コミュニティ

TikTokはユーザー数が大きいものの、直接的な商業化への環境はまだ未成熟となっており、現状ではそれが一つの課題となっています。
EC環境に対しての状況は快手と比べてもまだ及ばない状況ですが、今はファンの蓄積が第一の目的となっていると見られています。
一方で、中国で人気のKOL【口紅のお兄さん】と呼ばれている李佳琪さんは、元々タオバオライブで口紅のブランドを紹介して、多くの販売実績を持つ人物として有名なのですが、TikTokで多くのファンを獲得してからタオバオライブを行うことで、さらに100万人以上のファンを獲得することに成功しています。この100万人という数は、タオバオライブの中でも非常に価値のある数字として注目されています。

現状、TikTokはただ楽しむだけの動画プラットフォームとして利用されていますが、李さんのようにファンを獲得して、タオバオライブなど他のライブコマースで売上に繋げることができるため、多くのKOLが注目しているのです。

このように中国のライブコマースは、動画を通してより詳しい商品情報を信頼できるKOLから得るための手段として、消費意欲の高い多くの中国人ユーザーから支持されており、巨大なマーケットを産み出しています。今後もライブコマースはビジネスとして非常に重要なツールとなっていくため、中国での成功事例を注視しておく必要があるでしょう。

この記事を書いた人

高木修
高木修
株式会社いつも. 上席コンサルタント
EC戦略立案、海外ECリサーチ、「鉄則コンサルティング」プログラム開発責任者。いつも.式EC成長プログラムを多数開発。
アメリカ在住経験もあり、海外ECモデルにも精通。毎年アメリカ視察を行い、小売およびECの最新動向も収集し、日本での活用を提案している。