Amazonブランド登録に必要な商標登録のやり方と注意点を解説
Amazonで自社ブランド商品を売り出す際に必要な「ブランド登録」。しかし、その申請には「商標登録」が必要となります。しかし、何のために必要なのか、どのような手順で進めるのか、また商標登録がまだの場合はどうすれば良いのかなど、事業者には多くの疑問が浮かんでいることでしょう。
本記事では、Amazonブランド登録を行う際のメリットから、必要な商標登録の手順、海外製品を扱う際の注意点まで、一連の流れを詳しく解説します。商標登録が済んでおらず、初めてブランド登録を行う方には必見の内容になっています。
既に商標登録が済んでいて、すぐにAmazonブランド登録を実行したい方は、下記の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
関連記事:【最新版】ECサイト運営に欠かせないAmazonブランド登録方法と申請手順を解説
Amazonブランド登録のメリットとは?
Amazonブランド登録のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 相乗り業者や転売対策になる
- 商品カタログの編集を独占できる
- Amazonブランド分析が可能になる
相乗り業者や転売対策になる
Amazonブランド登録を行うことによって、相乗り業者や転売業者による影響を抑えられる可能性があります。
相乗り業者とは、他人が出品している商品と同じ商品を出品し、宣伝効果を利用して販売する業者のことを指します。相乗り業者がいるせいで、価格競争に巻き込まれたりするため、場合によっては大きな損害を受ける可能性があります。
しかし、Amazonブランド登録を行うと自社ブランドの証明が可能になるため、例えば他社が自社ブランドの商品ページに相乗り出品してきた場合でも、「自社ブランドの販売事業者でない旨」をAmazonに伝えることで、Amazonからペナルティを課すことが可能です。
また、転売対策としても有効です。Amazonブランド登録を行うことで、自社の商品が転売された時に「知的財産権の侵害」としてAmazonに報告することができます。
このようにAmazonブランド登録は、安心して商品販売が行える環境を作る有効な手段となります。
商品カタログの編集を独占できる
Amazonブランド登録を行うと、自社の商品カタログの編集を独占することができます。他の出品者が自社ブランドの商品情報を勝手に修正したり、誤った情報を追加したりすることを防ぐことが可能です。
具体的には、以下のような編集が可能になります。
1.商品のタイトルや商品説明
2.商品画像や商品詳細
3.バリエーション(色やサイズなど)
このような権限を有することは、自社ブランドの信頼性を維持し、商品の質を保証するために重要と言えるでしょう。また、一貫したブランドイメージを維持する上でも大きな利点となります。
Amazonブランド分析が可能になる
Amazonブランド登録を行うと、販売者は「Amazonブランド分析」という機能が利用可能になります。この機能は、自社の商品がどれだけ売れているか、どの商品が人気なのか、顧客の購買傾向はどうなのかなど、様々なデータの把握に活用可能です。
具体的には、以下のようなデータを取得できます。
これらのデータを活用することで、より効果的な商品展開やマーケティングを行うことが可能です。
関連記事:【最新版】Amazonブランド分析を徹底解説!機能や活用方法もご紹介
Amazonブランド登録を申請するまで手順
Amazonブランド登録を申請するまでの手順には、主に以下の6つの工程があります。
1.Amazonブランド登録のページにサインインする
2.公的機関に登録された商標番号を提出する
3.商品画像をアップロードする
4.ブランドカテゴリーを選択する
5.流通・ライセンス情報を入力する
6.商標登録済みの連絡先に届いた確認コードをAmazonに提出する
それぞれの工程について詳しく解説している記事は、以下になりますのであわせてご覧ください。
関連記事:【最新版】ECサイト運営に欠かせないAmazonブランド登録方法と申請手順を解説
Amazonブランド登録には商標登録が必須
Amazonで商品を販売するために、ブランド登録は必須ではありません。しかし、自社ブランドの商品を販売する場合、そのブランド名を保護するためには、商標登録が必要不可欠です。
商標登録とは、自社の商品やサービスが他社と区別できるようにするためのもので、これにより他社からの模倣や乗っ取り行為を防止することができます。Amazonにおいても、商標登録を行うことで独自のブランドを守ることが可能となります。
また、Amazonブランド登録を行うためには、事前に商標登録を行い、その登録証明書の提出が求められます。このため、Amazonで商品を販売する際には、必ず商標登録を行うようにしましょう。
なお、商標登録は、各国の特許庁等に申請を行うことで実施されます。詳細な手続きや必要な書類等は、各国の法律や規定により異なるため、具体的な手続きを行う前には十分な調査と理解が必要となります。
Amazonブランド登録のための商標登録とは?
Amazonブランド登録の申請に認められている商標登録にはいくつか条件があります。以下ではその条件について解説していきます。
Amazonブランド登録の申請で認められているのは「文字商標」もしくは「図形商標」
Amazonブランド登録の申請で認められているのは、文字商標(テキスト商標)か、語句、文字、または数字を含む図形商標(画像商標)になります。
引用元:Amazon「登録するための3つのステップ」
Amazonブランド登録の申請に使用できる商標の詳細は「登録するための3つのステップ」をご確認ください。
Amazonブランド登録の申請で認められているのは「登録された商標」
Amazonブランド登録の申請で認められているのは、申請するブランドが、登録を希望する各国で有効な商標を登録済みであるか、Amazon IP Acceleratorから提出した商標登録申請が出願中になっている必要があります。
現在Amazonでは、米国、ブラジル、カナダ、メキシコ、オーストラリア、インド、日本、フランス、ドイツ、イタリア、トルコ、シンガポール、スペイン、 ベネルクス、サウジアラビア、イギリス、エジプト、スウェーデン、ポーランド、欧州連合、アラブ首長国連邦の公的な商標登録機関が発行した商標のみ受け付けています。
Amazonブランド登録の商標出願審査とは
Amazonブランド登録を行う際には、商標出願審査を受ける必要があります。
Amazonブランド登録を済ませるためには、以下の情報を提出しなければなりません。
- 登録保留中または登録済みの有効な商標があるブランド名。ブランドの商標が商品またはパッケージに表示されていることを示す画像を提出する必要があります。
- 公的機関に登録された登録商標番号。 公的機関から提供された申請番号は、商標登録を申請中の場合にのみ提出できます。
- ブランドを出品する商品カテゴリー(服&ファッション小物、スポーツ&アウトドア、エレクトロニクスなど)のリスト。
引用元:Amazon「登録するための3つのステップ」
これらの情報を提出することで、商標権利者であることが認められ、AmazonからAmazonブランド登録完了の通知と、さまざまな特典・機能が提供されます。
知っておきたい海外製品を扱う際の商標登録と注意点
海外製品を扱う場合の商標取得については、基本的には国内製品を扱う場合と変わりません。トラブル防止のため、海外製品を取り扱う会社に連絡をとり、商標取得のための承諾を取っておくことを推奨します。
また、商標は各国で取得してもらう必要があるため、販売する国それぞれで取得が必要です。現時点(2024年2月29日時点)でAmazonが受け付けている公的な商標登録機関はこちらでご確認ください。
そして、海外輸入製品をAmazonで販売する場合、原則として1つの商品に対し、1つの商品ページしか作れません。そのため、海外輸入製品を取り扱う場合は「相乗り出店」になってしまうケースが多いことにも注意しておきましょう。
まとめ
Amazonブランド登録は、相乗り業者の対策になり、かつ商品カタログの編集を独占、さらにAmazonブランド分析が可能になるなど、たくさんのメリットがあります。しかし、その申請には「文字商標」もしくは「図形商標」の商標登録が必要です。
また、認められているのは「登録された商標」もしくは「Amazon IP Acceleratorから提出した商標登録申請が出願中の場合」のみで、審査プロセスもあります。
特に海外製品を扱う場合、国際的に商標登録をすることや、それに伴う注意点が存在しますので、しっかりと理解しておくことが重要です。
Amazonブランド登録に必要な「商標登録」に関するよくある質問
- Amazonブランド登録に必要な「商標登録」とは?
- Amazonブランド登録を行うことで、ユーザーは「相乗り業者や転売対策になる」「商品カタログの編集を独占できる」「Amazonブランド分析が可能になる」などのメリットを得られますが、当該商品が自社ブランドであることを証明するために商標登録が必要になります。Amazonではブランド登録の際に「商標番号」の提示を求めており、「商標登録済みの連絡先に届いた確認コードをAmazonに提出する」というステップを踏むことで、出品者が自社ブランドの販売者であることを証明しています。
- Amazonブランド登録には何日かかる?
- Amazonブランド登録の申請を行って、2~7営業日が目安といわれています。しかし、Amazonブランド登録には商標登録が必須のため、商標登録が済んでいない事業者は、まず商標登録を済ませて「商標番号」を発行する必要があります。