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【2024年08月版】EC業界トレンドトピックス

EC業界トレンドトピックス

2024年08月のEC業界のトレンドトピックスを抜粋して考察とともにご紹介します。

国内ニュース

 

楽天、倉庫型ネットスーパーを「楽天マート」に改称と同時に西友が「楽天全国スーパー」に出店

元々楽天は西友と共に「楽天西友ネットスーパー」を展開していましたが、2023年12月に楽天が倉庫型ネットスーパー事業の運営を継続する形で完全子会社化しました。
一方で西友はそのタイミングで実店舗を起点とする店舗出荷型ネットスーパー事業を単独運営する形態へと移行しました。
ネットスーパーには異なるビジネスモデルとして「倉庫型(センター配送型)」と「店舗出荷型」があります。
同社は2023年12月時点で事業を分ける形をとったのですが、今回の発表は、楽天自身が運営する倉庫型の方を「楽天マート」と改称し、一方で楽天自身が運営する店舗出荷型のネットスーパープラットフォーム「楽天全国スーパー」に、西友が出店するという発表です。
ネットスーパーのビジネスモデルが進化していることの現れと見て取れるでしょう。

参考元:楽天、倉庫型ネットスーパーを「楽天マート」と改称し、9月25日より運営開始(楽天グループ株式会社公式ウェブサイト)

「楽天全国スーパー」に「西友ネットスーパー」が9月25日より出店、サービスを開始(楽天グループ株式会社公式ウェブサイト)

 

Amazon、翌日配送を全国47都道府県へ拡大する一方で、楽天ブックスが「待っトク便」を開始

Amazonが、「旅客機を活用し、羽田から北海道へ毎日の航空輸送利用を開始 700万点以上の商品が翌日配送可能に」と発表しました。
これにより、ついに翌日配送が47都道府県に拡大したことになります。物流問題がクローズアップされている状況下、物流負荷を軽減するトレンドが見られる一方で、Amazonのこの発表はむしろレベルアップさせている取り組みと言えます。
一方で楽天ブックスは、急いで荷物を受け取る必要のない消費者を対象に「待っトク便」という新サービスを発表しました。
このサービスは、急いで荷物を受け取る必要のない消費者が注文時に「待っトク便」を選択すると、1出荷あたり 「楽天ポイント」10ポイントを進呈する新しい配送方法です。
Amazonと楽天によるこの2つのニュースから、物流の世界では、配送スピードの高速化を追求する一方で、特に急いでいるわけではない注文に関してはポイントを付与するといったように、消費者ニーズに合わせて柔軟に物流が対応する流れになっていくように思われます。

参考元:Amazon、翌日配送を全国47都道府県へ拡大(Amazon公式ウェブサイト)

「楽天ブックス」、急いで荷物を受け取る必要のないユーザー向けに新配送方法「待っトク便」を本日開始(楽天グループ株式会社公式ウェブサイト)

 

eBay Japan、郵便局やコンビニで1配送単位から国際配送を依頼できるサービス開始

eBay Japanが郵便局やコンビニ(ローソン)で1配送単位から国際配送を依頼できるサービス「eBay SpeedPAK Economy」を開始すると発表しました。
詳しくは下記の同社のプレスリリースをご覧いただきたいのですが、内容を一読すると、越境ECのハードルを下げるサービスであることがわかります。
訪日外国人の増加、歴史的円安と言った背景があり、越境ECビジネスは追い風であると考えられます。
越境ECを実施するには言語対応の問題がありますが、やはり一番は物流対応ではないでしょうか。
このようなサービスは、中小企業や個人事業主でも手軽に越境ECに着手することを手助けすると思われます。

参考元:郵便局・コンビニが海外への配送ポイントに︕ イーベイ・ジャパン、「eBay SpeedPAK Economy」を提供開始 (イーベイ・ジャパン株式会社公式ウェブサイト)

 

ヤマト運輸、全国一律料金で小さな荷物を手軽に送れる「こねこ便420」の提供を開始

ヤマト運輸が全国一律料金で小さな荷物を手軽に送ることができる新たなサービス「こねこ便420」を開始しました。
このサービスは専用の梱包資材を用いて発送することで、最短翌日からお届け先の郵便受けに配達が可能となり、料金は420円、サイズは34㎝×24.8㎝、厚さ3㎝以内(3辺合計61.8㎝)となっています。また重量制限はありません。
こねこ便の内容は日本郵便のレターパックライトとほぼ同等ですが、レターパックライトとの相違点は「信書は送れない」「重量制限がない」といった点です。
そして大きな比較ポイントの一つが料金です。レターパックライトは2024年10月の値上げにより430円となります。つまりこねこ便が10円安くなります。
この差をEC事業者がどのように捉えるのかが普及のポイントと見られます。

参考元:全国一律料金で小さな荷物を手軽に送れるこねこ便420※2024年8月26日より東京都にて販売開始(ヤマト運輸公式ウェブサイト)

 

ふるさと納税受入額が1兆円を突破。またふるさと納税を通じて国内外に販路を拡大するなどの副次効果が見られることが判明

総務省は令和5年度のふるさと納税の受入額が1兆円を突破し、1兆1,750億円となったことを発表しました。またそれに伴う返礼品の調達額が3,029億円に達したこともわかりました。
ふるさと納税がスタートした2008年度から数えて15年で1兆円を突破するまで拡大し、今では国民に深く浸透した制度となっています。
地域産業支援等を行うレッドホースコーポレーション株式会社の調査によれば、ふるさと納税の参入による事業への効果を実感していると回答した企業が全体の約30%を占め、また「国内外の販路拡大」「事業拡大・事業への投資」といった効果も産んでいることもわかりました。
ふるさと納税制度では、単に返礼品によって売上をあげるだけということではなく、それを起点にプラスの効果を産み出すことが重要です。
実際に多くの企業でそれが実現できていることが、同社の調査によってわかる結果となりました。

参考元:ふるさと納税に関する現況調査結果(総務省公式ウェブサイト)

【ふるさと納税に返礼品を提供する事業者調査】 ふるさと納税に参入して「事業に変化があった」と回答した事業者が約30%。(レッドホースコーポレーション株式会社公式ウェブサイト)

 

「選べるギフト」の購入が前年より増加。「相手が利用条件を選べる」ことが魅力と70%以上が支持

Giftmall(ギフトモール)を運営する株式会社ギフトモールが実施した調査によれば、
・この1年間で送ったギフトとして「体験ギフト」、「電子チケット」、「デジタルギフトカード」が増加
・受取主の住所を知らなくても、LINEやメール・SNSで気軽にギフトを贈ることができるソーシャルギフトで贈っているギフトは「電子チケット」が約7割
・体験ギフトを「贈ることが増えた」は約6割
とのことです。
お歳暮やお中元といった「フォーマルギフト」の市場規模は年々少なくなっている一方で、誕生日や母の日のギフトといった「カジュアルギフト」は年々増加していると言われています。
しかも送る側も受け取る側も気軽に送ったり受け取ることができるソーシャルギフトの様に、ECを通じた新たなギフト形態のニーズが増えていると思われますので、EC事業者にとってはギフトニーズの掘り起こしにより新たな収益源を見つけ出すことができるかもしれません。

参考元:<ギフトモール オンラインギフト総研>「選べるギフト」の購入が前年より増加。「相手が利用条件を選べる」ことが魅力と70%以上が支持。(株式会社 ギフトモール公式ウェブサイト)

 

海外ニュース

Amazon、PinterestとTikTok経由での直接購入を開始

Amazonが米国においてソーシャルコマースにさらに進出しています。PinterestやTikTokと連携しており、消費者が自分のアカウントをAmazonのアカウントにひもづけることで、それらにログインしたまま、Amazonを通じてスムーズに注文できるようになっているとのことです。
ただし現在は、全ての商品ではなく一部の商品のみが対応しています。
Amazonのこのような取り組みの背景には、販路拡大の一環としてSNSを活用したい想いが強いことがあるのでしょう。
加えて、米国でも日本同様にSHEIN、Temuの勢いが強まっていることから、それらに対抗すべく新たな戦略を展開せざるを得ない事情もあると思われます。
いずれにせよ消費者にとって利便性が高まるサービスは歓迎されることでしょう。
また同様の取り組みが日本のAmazonでも開始される可能性もあるため、今後の動向を見守りたいところです。

参考元:Amazon opens up purchasing directly through Pinterest and TikTok(Digital Commerce 360公式ウェブサイト)

 

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